栽培環境・条件

耐暑性ベカナのベカナ品種一覧 全16種類

耐暑性ベカナ 耐暑性とは — ベカナ栽培での意味 「耐暑性」とは、高温条件下でも生育が乱れにくく、品質を保ちながら栽培できる能力のことです。ベカナ(白菜・山東菜・しろな系など漬菜・ツケナ類の総称)は本来、冷涼な気候を好む野菜ですが、夏場でも

耐暑性ベカナについて

耐暑性ベカナ

耐暑性とは — ベカナ栽培での意味

「耐暑性」とは、高温条件下でも生育が乱れにくく、品質を保ちながら栽培できる能力のことです。ベカナ(白菜・山東菜・しろな系など漬菜・ツケナ類の総称)は本来、冷涼な気候を好む野菜ですが、夏場でも青物野菜の需要は途切れません。この需要ギャップを埋めるのが、耐暑性を持つベカナ品種です。

具体的には、高温期に発生しやすい「葉先枯れ(チップバーン)」「節間徒長」「軟腐病の多発」などのリスクを抑え、夏場でも揃いよく安定的に出荷できる品種が耐暑性ベカナと位置づけられます。播種後25〜30日程度での収穫を基本とするベカナにとって、夏場に安定生産できるかどうかは周年供給体制の要です。

まず押さえておきたいのが、「耐暑性が強い=夏場の露地で何でもできる」というわけではないという点です。耐暑性品種でも、適切な水管理や遮光・雨よけの設備を組み合わせて初めてその特性が活きます。

耐暑性の魅力 — 夏場の安定出荷を実現する

耐暑性ベカナの最大のメリットは、夏場の青物供給の安定化です。一般的なベカナ品種は、気温が高くなる6月以降から収穫期間が限られてきます。一方、耐暑性品種は夏場の雨よけハウス栽培でも生育が安定し、安定的な出荷が可能です。

経営面では、通年出荷体制を組むことで、市場との取引関係を安定させられるメリットがあります。夏場に供給が途切れると、市場やバイヤーとの取引が途絶えてしまうことがあるため、周年出荷への対応は産地の競争力維持に直結します。

生産者が評価する耐暑性の具体的な特徴として代表的なのが、高温期でも葉先枯れが少ない点です。小林種苗の「おしろい菜」の説明には「高温期の栽培で特性を発揮。夏場の栽培でも葉先枯れが少ない」と明記されており、耐暑性品種が持つ実用上の特性がよく表れています。また、宝種苗の「多彩菜」には「耐暑性が強く、高温期の栽培でも作りやすい」という記述があり、高温期の軟腐病・ウイルス病への強さも兼ね備えています。

耐暑性品種の特徴と傾向

耐暑性に優れるベカナ品種に共通する傾向として、以下のような特徴が挙げられます。

まず、葉の形状が比較的肉厚で丸みを帯びたものが多い傾向があります。葉柄は純白または白系で、葉柄幅が広く、収穫・結束のしやすさと日持ち性の高さを兼ね備えているケースが目立ちます。

草姿は立性のものが多く、葉が株元から立ち上がる形状が通気性を確保し、高温多湿時の病害発生を抑える効果があります。タカヤマシードの「びはく菜」は「耐暑性があり、高温期でも栽培容易」とされ、葉柄は白く光沢があって広幅のため収穫や結束がしやすい特性があります。同社の「優愛菜」「白茎優愛菜」も、「高温期の栽培で特性を発揮」と説明されており、夏場の雨よけ栽培で播種後25日程度での収穫が見込まれます。

また、丸種の「大原女」は「暑さに強く、夏期は25〜30日で収穫可能」と記されており、周年対応の実績がある品種の一つです。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、耐暑性という特性は品種によってその程度に差があります。カタログ上の「耐暑性強」という表記があっても、気温40℃近い猛暑や、大雨が続く梅雨期に完全無欠で生育するわけではありません。まず試作で確認することを強くお勧めします。

栽培のポイント

耐暑性ベカナを夏場に栽培する際の基本的なポイントを整理します。

栽培設備の選択: 耐暑性品種とはいえ、露地での夏場栽培は難易度が高いケースがほとんどです。雨よけハウスの活用が基本です。軒高が十分ある設備では換気効率が上がり、高温多湿による病害リスクを下げられます。

水管理: 高温期は蒸散量が増えるため、灌水管理が重要です。土壌水分が不足すると生育が止まり、過剰では根腐れや軟腐病の発生リスクが高まります。点滴灌水など、安定した水分供給が理想です。

播種〜収穫サイクルの管理: 耐暑性品種は生育スピードが速い傾向があり、播種後25〜30日程度での収穫が目安になります。収穫適期を逃すと葉が硬化し、品質が低下します。複数回に分けての播種(リレー栽培)で、安定した出荷を維持することが有効です。

病害対策: 高温多湿条件では軟腐病やウイルス病のリスクが高まります。宝種苗の「多彩菜」は「軟腐病、ウイルス病に特に強い」と記されており、このような複合的な強さを持つ品種の選択が、夏場栽培のリスク管理につながります。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。耐暑性品種の効果を最大限に引き出すには、品種の特性に合った栽培密度と施肥設計が欠かせません。夏場の高温期は植物のストレスが高いため、肥料過多による生育の乱れにも注意が必要です。

品種選びのコツ

耐暑性ベカナの品種選びでは、以下の観点を合わせて確認しておくことが重要です。

  • 耐暑性の程度: カタログに「耐暑性強」「高温期でも作りやすい」などの記載があるかを確認する
  • 葉先枯れ(チップバーン)への強さ: 夏場の品質トラブルの代表が葉先枯れ。明記されている品種は夏場の品質安定性が期待できる
  • 軟腐病・ウイルス病への耐性: 高温多湿条件で発生しやすい病害への強さも夏場栽培の重要指標
  • 草姿(立性かどうか): 立性の草姿は通気性に優れ、病害リスクを抑えやすい
  • 収穫適期の幅: 播種後の収穫適期が長い品種は、出荷調整がしやすく、作業の集中を避けられる
  • 結束・荷姿: 夏場の収穫作業は暑さとの戦い。結束しやすい品種を選ぶと作業効率が上がる

また、耐暑性が強い品種でも、冬場の耐寒性や晩抽性との組み合わせ次第で周年対応の幅が決まります。夏一辺倒でなく、周年で使える品種かどうかも判断材料の一つです。

市場動向とこれから

夏場の葉物野菜は、気温が上がるにつれて供給が減少し、価格が上昇しやすい品目です。ベカナ類は通年需要がある野菜であるため、夏場の供給安定は産地全体の競争力に直結します。

近郊農業が盛んな地域では、夏場でも安定的に出荷できる品目として耐暑性ベカナへの関心が高まっています。小型ハウスを活用した近郊農家が、朝市・直売所向けに夏場の青物として耐暑性ベカナを扱うケースが増えています。

意外と知られていないのですが、夏場のベカナは高温ストレスで葉が濃緑化・硬化しやすくなる傾向があり、見た目の色合いや葉の質感が通常期と変わることがあります。市場・直売所での販売価格や評価に影響することもあるため、出荷先との事前の摺り合わせが大切です。

今後、気候変動に伴う夏期の高温・豪雨リスクの増大が見込まれる中、耐暑性品種の重要性はさらに高まっていく可能性があります。種苗メーカー各社でも耐暑性品種の開発・育成が継続されており、今後も選択肢が広がることが期待されます。

まとめ

耐暑性ベカナは、高温期でも生育が安定し、夏場の安定出荷を可能にする品種群です。葉先枯れが少なく、病害リスクを抑えながら収穫できる点が最大の特長です。

栽培にあたっては、耐暑性品種の選択だけでなく、雨よけハウスの活用・適切な水管理・播種サイクルの設計を組み合わせることが重要です。品種ごとに耐暑性の強さは異なりますので、導入前の試作と、出荷先との品質すり合わせを行ってから本格的な栽培計画を立てることをお勧めします。

耐暑性ベカナが付いた品種の一覧は、タグページからご確認いただけます。夏場の周年栽培を検討されている方は、各品種の特性を比較しながら、栽培環境に合ったものをお選びください。

16品種 表示中
おしろい菜

おしろい菜

小林種苗株式会社

純白な軸は驚くほどの柔らかさ!他の菜っ葉じゃダメなんです! ・耐暑性が強く、高温期の栽培で特性を発揮。夏場の栽培でも葉先枯れが少ない。 ・葉は鮮緑色で丸葉,肉厚で,葉柄は純白で幅広い。 ・しらさぎ菜より株張りがよく,ボリューム感があり荷姿も美しく市場性が高い。 ・高温期の節間伸長も少なく,チップバーンも発生しにくいので安心して栽培できる。 ・しらさぎ菜よりとう立ちが遅く播種期の巾が広い。 ・用途はおひたし,炒め物,煮物,漬物など。 栽培ポイント ・元肥は10a当り完熟堆肥1t、各成分で15kg程度で,盛夏栽培では1~2割減らし冬期は増やします。 ・高温期の栽培では収穫までの日数が短く,発芽から一斉に揃わせることがポイントです。 適湿を保ち,十分に光を当て徒長のない,しっかりした株を作ることが重要です。 しろ菜は不結球白菜と体菜の交雑種で、キャベツやハクサイが途切れる時期において用いられています。とても栽培しやすく、特に短期栽培に適しています。

東京べかな

東京べかな

トキタ種苗株式会社

べかなの代表品種 ■特性 ”べか”とは小さいという意味で、小さく束ねて出荷する山東菜の俗称で、東京を中心に広く栽培されています。短期収穫型の極早生の山東菜で、葉は肉厚で波打ちがあり、芯部は巻き上がって外観が綺麗です。葉色は黄色を帯びた淡緑色、葉柄は丸みを帯び肉厚で純白で光沢があります。 ■栽培上の注意 耐暑・耐寒性が強く、生育旺盛で株張りが良いです。 ■播き時期 1月から6月上旬、7月上旬から12月上旬にまく。 ■播種方法 筋蒔きが主流です ■植え付け 小松菜よりも間隔を広めに播きたい ■土壌条件 どのような土壌条件の畑でも栽培は容易です。堆肥等の完熟有機物を多く含んだ畑に好適。 ■収穫 夏まきで20〜25日、冬まきで30〜40日で草丈20〜25cm、葉枚数5〜6枚になったら収穫します ■料理 生のままでも、おひたし、炒め物等でもおいしい

F1 大阪しろな

F1 大阪しろな

ナント種苗株式会社

一年中手軽に作れる。 【特 徴】 ● 耐病・耐寒・耐暑性に富み、周年栽培が可能な中生一代交配種。 ● 高温期で25日前後、低温期で50〜60日で収穫。 ● 葉が大きく、葉柄は白く幅広で平たく曲りが少ない為、収穫時の結束が容易で荷姿が美しい。また品質、日持ちが良い。

びはく菜

びはく菜

株式会社タカヤマシード

暑さに強い!軟らかく美味しい! ■特性 1.本種は耐暑性があり、高温期でも栽培容易な“しろな”タイプの一代交配種である。 2.葉は鮮緑色の卵形で、葉肉は厚い。葉柄は白く光沢があり、広巾で収穫や結束がしやすく、荷姿が美しい。 3.周年栽培が可能で、高温期の雨よけ栽培では、播種後25日前後で収穫期に達する。 4.非常に軟らかく食味に優れ、炒め物、煮物漬け物等、幅広い用途で市場性が高い。 ■ポイント 1.元肥主体で初期成育を促し、適宜間引きを行い株張りをよくする。 2.収穫は早めに行い、鮮度や日持ちのよいものを出荷する。

優愛菜

優愛菜

株式会社タカヤマシード

高温期の栽培で特性を発揮する青菜で、生育の早い早生種。草姿は立性で「しろな」に似ており、葉は広巾の長卵形で鮮緑色。葉質やわらかく食味に優れ、炒め物、煮物、漬物に最適。葉柄は巾広で厚味があり結束が容易であり、日持ちよく市場性が高い。耐暑性強く、高温期の雨よけ栽培では播種後25日ぐらいで収穫でき、周年栽培が可能。 ■ポイント 1.元肥主体で初期成育を促し、適宜間引きを行い株張りをよくする。 2.収穫は早目に行い、若株どりで鮮度や日持ちのよいものを出荷する。

シロナ そだちざかり

シロナ そだちざかり

丸種株式会社

荷姿美しく株揃いに優れた周年出荷可能な一代交配シロナ 1. 株張り、株揃いに優れた黒葉系の一代交配しろなです。 草姿は立性で、葉身と葉柄のバランスが良く、収穫・結束作業が容易です。 2. 葉は濃緑色の大型で、やや長めの丸葉となり、葉肉厚く葉柄は純白広巾で極めて品質に優れています。茎・葉はともにやわらかく、アクや辛味がなく煮物・漬物・あえもの等にして美味です。 3. 耐暑・耐寒・耐病性に優れ、周年を通じて安定した栽培が可能です。

博多べかな

博多べかな

中原採種場株式会社

抜群の揃い、極早生のF1ベカ山東菜!! ■特性 ・本種は短期収穫型のベカ山東の一代交配種。 ・春〜秋の適期播きで25〜30日で収穫ができ、葉柄は丸味をおびた肉厚で純白、光沢もあり、葉は欠刻が大きく波状を呈し、葉色は黄味をおびた淡緑色、芯部の巻き上がりもよく、草丈18〜20cm。 ・耐暑性、耐病性ともに強く栽培は容易。

おたふく山東菜

おたふく山東菜

中原採種場株式会社

市場性高い人気品種!! ■特性 ・本種は最近市場で人気ある小束出荷用の山東菜である。 ・一般の山東菜より耐病・耐暑性に優れている多収品種。 ・葉は無毛で黄色味を帯びた鮮やかな淡緑色である。 ・茎は立性、厚肉で純白、株張りもよく、甘味に富み、煮物・漬物等に最適。

強力おたふく山東菜

強力おたふく山東菜

中原採種場株式会社

揃い抜群のF1丸葉山東菜!! ■特性 ・丸葉山東菜と白菜との交配により育成された耐病性のF1丸葉山東菜である。 ・葉は丸葉で欠刻は少なく、広茎となり束ね易い。 ・耐暑性が強く生育スピードは特に早く、葉は立性で揃いが良く、荷姿がとても美しく市場での人気も高い。

多彩菜

多彩菜

宝種苗株式会社

使い方は多彩! 葉に毛がない、はくさい菜 ●葉、葉柄部分に毛がない、間引き菜で食べる白菜。 ●耐暑性が強く、高温期の栽培でも作りやすい。 ●軟腐病、ウイルス病に特に強い。 ●食味良く、サラダ、油いため、味噌汁の具としても最適。

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