病害耐性

根腐病耐性のレタス品種一覧 全70種類

根腐病耐性レタス 根腐病とは 根腐病は、レタスの根部が腐敗・壊死する病害で、施設栽培(養液栽培・水耕栽培)を中心に問題になっています。主な病原菌はPythium属(ピシウム属)の卵菌類で、Pythium aphanidermatum・Pyt

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根腐病耐性について

根腐病耐性レタス

根腐病とは

根腐病は、レタスの根部が腐敗・壊死する病害で、施設栽培(養液栽培・水耕栽培)を中心に問題になっています。主な病原菌はPythium属(ピシウム属)の卵菌類で、Pythium aphanidermatumPythium tracheiphilumなどが主要な種として知られています。Pythium属は真菌(カビ)と似た生活環を持ちますが、分類学的にはストラメノパイル(不等毛植物)に属する卵菌類であり、一般的な糸状菌用の殺菌剤では防除効果が低い場合があります。

症状としては、まず細根が褐変・腐敗し、その後主根・茎基部に広がって株全体が萎れます。発病初期は昼間に萎れて夕方に回復する「昼萎れ」が起き、進行すると株ごと倒れて枯死します。感染初期の外見変化は少なく、地上部の生育抑制・葉色の薄れとして現れることが多いため、発見が遅れやすいという特徴があります。

Pythium属は水中での遊走子(遊泳胞子)による感染が主な感染様式で、水耕・養液栽培では培養液を通じた急速な拡散が起きやすく、被害が短時間で大規模になるリスクがあります。低温多湿の条件で発病しやすいことが知られており、秋〜冬の低温期に施設内が多湿になる条件下で特に注意が必要です。

根腐病耐性の区分

レタスにおける根腐病耐性は、品種カタログで「根腐病耐性(HR)」または「根腐病耐性(IR)」として表記されることがあります。ただし、Pythium属には複数の種が存在し、どの種に対する耐性かによって効果に差がある場合があります。

品種選定時には、カタログの耐性表記だけでなく、どのPythium種を主なターゲットとした耐性かをメーカーに確認することが精度の高い品種選定につながります。

意外と知られていないのですが、レタスの根腐病耐性は品種固有の遺伝的特性に加えて、栽培環境(水温・溶存酸素量・培養液のEC・pH)によっても発病リスクが大きく変動します。耐性品種を使用していても、培養液の管理が不適切だと発病するケースがあります。逆に言えば、耐性品種と適切な環境管理の組み合わせが最も効果的な根腐病対策になります。

歴史と豆知識

レタスにおける根腐病(Pythium病)の問題は、水耕・養液栽培の普及とともに顕在化してきました。土耕栽培では土壌の緩衝能力が菌密度の上昇を抑える効果がありますが、閉鎖循環型の養液栽培では培養液を通じて菌が循環するため、被害が拡大しやすい環境になります。

植物工場・大規模養液栽培施設での安定生産を実現するために、根腐病への耐性を備えたレタス品種の育種が国内外で進められてきました。耐性育種の技術が発展したことで、現在では根腐病に対する一定の耐性を持つ品種が複数リリースされており、養液栽培産地での採用が進んでいます。

耐性の限界と注意点

根腐病耐性レタス品種を導入しても、以下の点に注意が必要です。

Pythium属の多種性: 前述の通り、Pythium属には複数の種が存在します。特定の種に対する耐性を持つ品種でも、別の種が発生した場合は十分な効果が得られない場合があります。産地で問題になっているPythium種の情報を可能な限り把握することが重要です。

高菌密度環境での発病リスク: 耐性品種であっても、培養液中の菌密度が非常に高い条件下では発病することがあります。定期的な培養液の更新・適切な紫外線・オゾン処理による菌密度管理が耐性品種の効果を支えます。

複合感染リスク: Pythium根腐病と他の病害(ビッグベイン病・菌核病等)が複合して発生する場合は、単独感染よりも症状が重くなることがあります。根腐病耐性品種の選定と並行して、他の病害への対応も確認することが重要です。

品種の耐性だけに頼るのではなく、後述する総合的な防除との組み合わせが長期安定生産の基本です。

防除のポイント

根腐病の防除は、耐性品種の利用を軸に、培養液・環境管理を組み合わせた総合的なアプローチが基本です。

培養液の衛生管理: 紫外線照射装置・オゾン発生装置を用いた培養液の殺菌処理が有効です。閉鎖循環式の養液栽培では特に重要で、定期的な培養液の更新(循環液のリセット)も菌密度抑制につながります。

溶存酸素の確保: Pythium属は低酸素条件で増殖しやすいため、培養液中の溶存酸素量(DO)を十分に保つことが発病抑制に有効です。エアレーション・循環速度の最適化が重要な管理項目です。

水温管理: Pythium属は水温が低い条件(10〜15℃)で活性が高まる種が多いため、冬季の培養液水温を18℃以上に保つことが感染リスク低減につながります。逆に高温(25℃以上)でも活性が高くなる種もあるため、品種・産地に合わせた管理が必要です。

育苗の清潔管理: 育苗段階での感染が圃場への菌の持ち込み源になります。清潔な培地・トレイ・水の使用が定植後の発病リスク低減の出発点です。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声・実態

養液栽培・植物工場を運営するレタス産地では、根腐病(Pythium病)への対応が生産安定の大きな課題として認識されています。

施設が古くなるにつれて培養液中の菌密度が蓄積する傾向があり、新規に根腐病耐性品種を導入してもすぐに効果が出ないケースがあります。培養液の衛生管理システム(UV・オゾン装置)の整備と耐性品種の組み合わせで、発病率を大幅に低減できた事例も報告されています。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、土耕・露地栽培のレタス産地では養液栽培ほど深刻な問題になりにくい場合もあります。土壌の物理・化学・生物的な緩衝作用がPythiumの増殖を抑える効果があるためです。ただし、土壌が高湿状態になる低湿地や排水不良圃場では土耕でも発生リスクが高まります。

まとめ

根腐病(Pythium属)はレタスの養液・水耕栽培で特に問題になる病害で、低温多湿・培養液中での急速な拡散が特徴です。耐性品種の導入は有効な対策の一つですが、Pythium属の多種性・高菌密度下での発病リスク・培養液管理との相乗関係を理解したうえで活用することが重要です。

品種選定では耐性の対象種・レベルを確認し、培養液の衛生管理・溶存酸素確保・水温管理を組み合わせた総合的な防除体系を構築することが、安定生産の鍵になります。ミニリスでは、根腐病耐性レタスのタグが付いた品種を一覧で確認できます。

70品種 表示中
UC-401

UC-401

横浜植木株式会社

根腐れ病レース1,2耐病性、晩抽系ロメインレタス ■特性 ・晩抽系ロメインレタス。 ・根腐れ病レース1 ・2耐病性。 ・生育は中早生。 ・結球はやや遅い。 ・尻のまとまり良く、作業性に優れる。 ■栽培のポイント ・レタスベト病には比較的強いが、予防は行う。

ラスター

ラスター

横浜植木株式会社

根腐れ病レース1,2耐病性、結球安定性の高い晩抽性品種 ■特性 ・サリナス×マックのサリナス系、晩抽性の中生種。 ・レタス根腐れ病レース1,2に耐病性がある。 ・外葉はコンパクトで、外葉形成と結球肥大が同時進行するタイプ。 ・球のサイズはL~2L中心で、球形は扁平。 ・結球安定性が高く、結球後に内部から肥大する品種である。そのため天候変化による不結球や形状の乱れが発生しにくい。 ・多肥栽培向けで、初期の外葉形成を促進させることで形状 ・サイズが安定する品種。 ■栽培のポイント ・晩抽性品種だが高温期の育苗、定植後のストレスにより抽苔が早まることがあるため注意する。 ・春穫りの場合、生育前半の低温により切り口が突出することがあるので注意する。 ・秋穫り(一般地 ・暖地)の場合、播種時期 ・定植時期が適期より遅れると小玉になりやすいので適期栽培を心がける。 ・外葉形成期に肥料を効かせ、外葉を伸ばしておくことで玉が形状良く肥大する。 ・結球期以降の極端な肥効は形状乱れやボカ玉に繋がるので注意する。

オープンハート

オープンハート

山陽種苗株式会社

ワンカットで大きさ揃うオープンハートコス ■特性 ・一枚一枚の葉が細長く均一な大きさの葉をつけ株元ワンカットで大きさが揃う。 ・葉枚数多く収量性に優れる。 ・生育は中程度、草姿は非結球で立性。 ・収穫しやすく袋詰めも容易である。 ・ベト病、根腐れ病に比較的強い。 ・春播き、秋播きが可能である。 ■栽培のポイント ・過乾燥や過剰施肥は石灰欠乏(チップバーン)になる恐れがあるので注意する。また、収穫遅れにならないように注意する。 ・収穫適期は、株重250g~350g 草丈20~30㎝が目安。 ・収穫が遅れると、ねじれ、中肋の傷みにつながるので注意する。 ・生育日数は、春秋作で 定植後 約40~60日、夏作では約35~45日を目安とする。

フレッシュレッド

フレッシュレッド

山陽種苗株式会社

抜群の発色で鮮やかな濃紅色のレッドリーフレタス!! ■特性 ・一般地での春・秋穫りに適した赤色のリーフレタス。 ・高温期での発色が良く、鮮やかな赤色。 ・葉肉の厚さは中程度。葉数型で株重が有り、ボリュームが出る。 ・露地栽培・施設栽培ともに適している。 ・夏期を除いて播種幅が広い。 ・ベト病・根腐れ病(R1)に強く、栽培が容易である。 ■栽培のポイント ・厳寒期での栽培では発色が強くなるので注意して栽培する。 ・低温の栽培では被覆資材を利用し、スムーズな生育に心掛ける。

コアトル (UC-060)

コアトル (UC-060)

横浜植木株式会社

形状の安定性が高い盛夏期向け根腐れ病レース1,2耐病性品種 ■特性 ・サリナス×マックのサリナス系、晩抽性の早生種。 ・レタス根腐れ病レース1,2に耐病性を持つ。 ・外葉はややコンパクトで、外葉形成と玉肥大が同時進行する。 ・球のサイズはL~2L中心で、球形は扁平。 ・結球安定性が高く、天候変化による不結球や形状の乱れが発生しにくい。 ・多肥栽培向けで、外葉形成~結球中期頃まで肥効を効かせることで栽培が安定する品種。 ■栽培のポイント ・肥料は欲しがるが、元肥多めよりも不足分を追肥して栽培する方が品質が安定する。 ・極端な早まき・遅まきは小玉や切り口の突出に繋がるので適期栽培を心がける。 ・玉締まりが同作型の「ラスター」より早い品種の為、とり遅れに注意する。 ・病気には強い方だが、ベト病 ・軟腐病・腐敗病の発生に注意する。

Dブロウ

Dブロウ

タキイ種苗株式会社

農林水産省登録品種(品種名:TEXLE17617) 玉の肥大と形状が安定!晩秋〜年内どり・春どり可能な玉レタス ■特長 ・玉の肥大力と形状維持がバランスよく安定し、扁円形の大玉で秀品率が高い。 ・晩秋〜年内どりと春どりに適するサリナス系早生種。 ・結球性が安定し玉ぞろいがすぐれるため、計画的な出荷が可能。 ・べと病と根腐病レース1に比較的強い。 ■栽培の要点 ・高温条件下では過剰な肥大や形状が乱れるおそれがあるため、適作型を守る。 ・過熟になると葉先枯れなどの生理障害が発生するため、計画的な作付けと適期収穫を心掛ける。 ・各種病害防除のために生育初期から予防散布を行う。

アクアグリーン

アクアグリーン

清水種苗株式会社

【品種特性】 ●中間地1月、9月上旬~中旬および11月中旬~下旬まき。準高冷地2月上旬~5月上旬および8月上旬から中旬まき。高冷地3月中旬~5月中旬および7月下旬から8月中旬まきに適したグリーンリーフレタス。 ●レタス根腐病レース1および2に比較的強い。 ●播種から53~54日で収穫となる極早生品種。 ●低温下でも草勢がごく強く、ボリューム感がある。 ●葉は柔らかめで、葉折れが少なく収穫作業が容易。 ●チップバーンの発生は従来品種と比較して少ない。

アリスト

アリスト

タキイ種苗株式会社

農林水産省登録品種(品種名:TLE513) 根腐病レース1・2複合耐病性、結球と形状のよい夏秋どりサリナス種! ■特長 ・レタス根腐病のレース1とレース2に複合耐病性をもち、発生圃場でも安心して栽培可能。 ・高温期の結球性が安定した極晩抽種で形状の乱れが少なく玉尻のまとまりがよい。 ・高温期に問題となりやすいチップバーンや日焼けの発生も比較的少なく秀品率が高い。 ■栽培の要点 ・エンパイアなど少肥栽培向きの品種に比べて2割程度増肥し、速効性のものを元肥主体に施す。 ・極端な高温干ばつ下では不結球になる恐れがあるので、結球初期まで適宜潅水を行い生育をスムーズに進める。 ・外葉形成期〜結球初期を中心に、細菌や糸状菌による病害の防除を行う。

アルト

アルト

カネコ種苗株式会社

業務加工向け栽培に最適な晩抽ロメインレタス 特性 ●晩抽性に優れるロメイン(コス)レタスです。 ●草勢は強めで草丈は高く、収量性、在圃性に優れる晩生品種です。 ●球頭部の抱合が遅いため、葉のねじれ、石灰欠乏症、腐敗病の発生が少ないです。 ●根腐病レース2、腐敗病に耐病性を持ちます。

アーリーインパルス

アーリーインパルス

ヴィルモランみかど株式会社

生育旺盛で栽培容易な早生優良種 ■特徴 タイプ リーフ・サニー 特性-1 早晩性:早生 球の大きさ:大 抽だい性:晩 特性-2 耐暑性:強 耐寒性:やや強 おすすめポイント 根が強く株張り良く、チップバーンもでにくい。 ■品種の特性 1. 草姿は半立性で、株張りがよく大型となる。 2. 葉は鮮濃緑色で、葉面に縮みがやや多い。 3. 耐暑性・耐寒性、耐病性が強く栽培しやすい。 4. チップバーン(石灰欠乏症)等の生理障害にも強い。 5. 葉質はやや柔らかく、品質・食味・荷姿ともに良好で市場性が高い。 6. 抽だいはやや遅い品種であるが、抽だいが最も危険な作型は避ける。 7. レタス根腐病レース2に耐病性中程度。 ■栽培のポイント 極晩抽ではないので、播種期に注意。

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