栽培環境・条件

つるなしのササゲ品種一覧 全3種類

つるなしササゲ つるなしとは(栽培特性の定義) つるなしとは、茎の伸長が一定の節数で止まる性質(有限伸育型)を持つ品種の特性です。ツルが長く伸び続けるつるあり品種と対比して使われる用語で、「矮性(わいせい)」と呼ばれることもあります。 ササ

関連タグ: つるあり7 耐暑性7
ノリタケ ファインバブル装置 — 株重量+27% 糖度+31% 病害抑制

つるなしについて

つるなしササゲ

つるなしとは(栽培特性の定義)

つるなしとは、茎の伸長が一定の節数で止まる性質(有限伸育型)を持つ品種の特性です。ツルが長く伸び続けるつるあり品種と対比して使われる用語で、「矮性(わいせい)」と呼ばれることもあります。

ササゲのつるなし品種は、草丈が40〜70cm程度でコンパクトにまとまります。インゲンマメのつるなし品種(矮性インゲン)と似た感覚で栽培でき、支柱が不要または簡易な支えだけで済む点が大きな特徴です。開花・着莢がほぼ同時期に集中するため、短期間に収穫が集中する傾向があります。

つるあり品種と比べると、莢長は短めの品種が多い傾向にあります。ただし品種によって差があり、つるなし品種の中にも比較的長莢のものが存在します。栽培者が支柱設置の手間を省きたい場合や、機械収穫を視野に入れたい場合に、つるなし品種は有力な選択肢になります。

つるなしの魅力(メリット)

つるなし品種の最大のメリットは、省力性と栽培の手軽さです。

支柱や棚の設置が不要なため、初期コストと設置作業の時間を節約できます。つるあり品種では合掌支柱や棚のセットアップに相応の労力がかかりますが、つるなし品種ではその工程がほぼ省略できます。体力的な負担も軽く、小規模農家や高齢農業者にとって取り組みやすい特性です。

作型設計の柔軟性も特徴の一つです。つるなし品種は生育期間が比較的短く、播種から収穫までの日数がコンパクトにまとまります。そのため、前作・後作との組み合わせを組みやすく、リレー栽培や多回転の栽培計画を立てやすいといえます。

圃場管理の面でも、草丈が低いぶん通風・採光の管理がしやすく、病害の発生リスクをコントロールしやすい側面があります。葉が密集して蒸れやすいつるあり品種の棚栽培と比べると、株間の風通しを確保しやすいです。

適した品種の傾向

つるなし品種は、以下のような栽培条件に適しています。

設備投資を最小限に抑えたい場合や、小規模な家庭菜園・体験農園での栽培に向いています。支柱不要でシンプルに管理できるため、初めてササゲを栽培する方にも入りやすい特性です。

機械化・省力化を志向する農業者にも親和性があります。収穫が一時期に集中するつるなし品種は、機械収穫との相性が理論上は高く、大規模栽培における効率化を検討する場合の選択肢になります。ただし、ササゲの機械収穫は国内では一般的ではなく、実際の導入例は限られているのが現状です。

加工用・業務用途での利用を検討している場合も、収穫時期が揃いやすいつるなし品種は原料の集中調達がしやすく、コスト管理がしやすいといえます。

栽培のポイント

つるなし品種の栽培では、支柱が不要なかわりに株間管理と土壌水分管理が重要になります。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。つるなし品種は草丈がコンパクトなため、密植気味に栽培したくなりますが、葉が密集しすぎると湿度が上がり病害リスクが高まります。品種の推奨株間を守り、通風と採光を確保することが安定生産の基本です。

着莢が一時期に集中する特性を活かすためには、播種時期をずらした「分散播種」が有効です。1週間〜10日おきに複数回播種することで、収穫期がずれ、継続的な出荷体制を作ることができます。これはつるあり品種でも使える手法ですが、収穫集中性が高いつるなし品種では特に効果的です。

土壌水分については、開花・着莢期の乾燥に注意が必要です。土壌が乾燥すると落花・落莢が起きやすく、収量が大きく落ちることがあります。圃場の保水性を確認し、マルチや灌水の利用を検討してください。

播種前の圃場準備では、排水性と耕起深度を確認します。ササゲは湿害に弱い側面があり、過湿な土壌では根腐れが発生しやすいです。

品種選びのコツ

つるなし品種を選ぶ際に確認しておきたい点は以下の通りです。

  • 草丈:品種によって40〜70cmの幅があり、実際の圃場条件(風の強さ等)に合わせて選ぶ
  • 莢長:つるなしでも品種によって莢長が異なる。販売先の要求する莢のサイズを確認する
  • 収穫の集中度:収穫が一時期に集中するほど、出荷先(直売・契約・市場)との調整が必要になる
  • 耐病性:うどんこ病・炭疽病への耐性が明記されている品種はリスク管理がしやすい
  • 早晩性:地域の初霜時期と照合して、収穫が間に合う品種を選ぶ

意外と知られていないのですが、つるなし品種はつるあり品種と比べて栽培できる品種の選択肢が限られていることがあります。国内の種苗メーカーのラインナップを確認すると、ササゲのつるなし品種はつるあり品種より数が少ない傾向があります。品種選定の幅が限られる点は、事前に把握しておくとよいでしょう。

市場動向とこれから

つるなし品種は、農業者の高齢化・省力化ニーズの高まりを受けて、今後も関心が高まる可能性があります。支柱設置の重労働を回避できる特性は、農村の実態に即した現実的なメリットです。

一方で、現状のつるなしササゲは直売所向けの小規模販売が中心で、大規模な産地形成には至っていないケースが多いです。機械収穫との組み合わせによる大規模化が実現すれば、業務用・加工用市場への参入可能性が広がりますが、品種・機械・流通の三拍子が揃う必要があり、実現には時間がかかることが予想されます。

家庭菜園市場では、支柱なしで手軽に育てられる点が評価されており、種苗販売においてつるなし品種の需要は一定程度あります。生産農家向けだけでなく、家庭菜園愛好家向けのチャネルも含めて品種選定を検討することが、多様な販路開拓につながります。

まとめ

つるなしササゲは、支柱不要の省力栽培と短期間での収穫集中という特性を持つ品種群です。設備投資を抑えてコンパクトに取り組みたい場合や、作型の組み合わせを柔軟に設計したい場合に適しています。

一方で、品種の選択肢の少なさや収穫集中時の対応が課題になる場合があります。品種選びでは草丈・莢長・収穫集中度を軸に、自分の経営スタイルと出荷先の要求を照合することが重要です。つるあり品種と比較検討したい場合は、つるありササゲのタグ記事もあわせてご覧ください。本しもささげ(株式会社トマツ本店)など、地域の在来種も含めて、自分の栽培環境に合った品種を選んでみてください。

3品種 表示中
鹿児島在来ササゲ

鹿児島在来ササゲ

公益財団法人自然農法国際研究開発センター

・鹿児島県で栽培されている在来種。 ・つるなしの矮性。 ・莢は細長く種子が10~16個入っており、よく着莢し、暑さや乾燥に強く栽培しやすい。 ・種子は小豆色、大きさは小豆より小さいが形はよく似ている。 ・赤飯やご飯に混ぜて食べると美味しい。 ・冷涼地では6月上旬に播種し、8月中~下旬に収穫になる。 ・早生で茎葉が繁茂し雑草抑制効果があり、秋野菜の前作に適する。連作障害が出やすいので、二年以上の輪作を必要とする。

奈川ササゲ

奈川ササゲ

公益財団法人自然農法国際研究開発センター

・長野県松本市の山間部で栽培されている在来種。 ・つるなしの矮性、カウピーとも呼ばれている。 ・豆色は赤色でアズキによく似ているがやや大きく腎臓形をしている。 ・乾燥に強く育てやすい。 ・赤飯用の豆として欠かせないお豆、煮豆、あんなどアズキと同じような調理法で食べることができる。 ・播種期はアズキに準じ、冷涼地で5月中下旬~6月中旬。

金時ささげ

金時ささげ

トキタ種苗株式会社

赤紫色の子実色、艶、形も上々なささげ ■特性 つるなしタイプのささげ。乾燥子実(タネ)を食用する品種。支柱など不要で栽培管理は容易。 ■栽培上の注意 弱光下や肥料が多いと蔓を出すので刈り取る必要がある(伸びた蔓では実の収穫ができない) 関東地方で低温になる10月以降に子実を収穫すると色が薄くなる。 ■播き時期 1日の最低地温が10℃以上になった時期から播ける。6月下旬まき8〜9月収穫がタネの色上がりも良く栽培しやすい。 ■播種方法 1か所に2粒落として、間引きなしで栽培する。 ■植え付け 株間30〜40cm、畝間55cmを目安。 ■土壌条件 日当たり、水はけの良い土壌が良い。加湿には弱い。 ■肥料 元肥1平方メートル当たり、成分量でチッソ10g、リン酸12g、カリ15g目安。田んぼの畔などで栽培するのでも十分。 ■収穫 夏場は、鞘の色が黄色くなってきたら順次摘み取って陰干し脱穀乾燥させる。収穫適期を過ぎてもならせておくと腐ったりすることもある。 ■料理 やっぱり赤飯が定番。アズキと違って腹が割れないとか。

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