栽培環境・条件

耐寒性タカナのタカナ品種一覧 全11種類

耐寒性タカナとは タカナ(高菜)は、アブラナ科カラシナの一変種で、辛味と独特の香りを持つ葉菜類です。主に漬物の素材として九州地方を中心に広く栽培されており、高菜漬はラーメンの薬味や弁当のおかずとして全国的に知られています。 耐寒性タカナとは

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耐寒性タカナについて

耐寒性タカナとは

タカナ(高菜)は、アブラナ科カラシナの一変種で、辛味と独特の香りを持つ葉菜類です。主に漬物の素材として九州地方を中心に広く栽培されており、高菜漬はラーメンの薬味や弁当のおかずとして全国的に知られています。

耐寒性タカナとは、冬季の低温条件下でも生育が安定し、霜や寒風によるダメージを受けにくい品種群を指します。タカナは本来、秋まきで冬を越して春に収穫するという作型を基本としているため、耐寒性は品種選びにおいて根幹となる特性の一つです。品種カタログに「耐寒性に優れる」「耐寒性が強い」などと記載がある品種が、このタグに該当します。

タカナの主産地である九州内陸部(熊本県阿蘇地方など)では、冬季に-10℃以下まで気温が下がる地域もあります。こうした厳寒地での栽培を可能にするのが、耐寒性に優れた品種の存在です。

耐寒性タカナのメリット

耐寒性に優れた品種を選ぶことには、いくつかの実践的なメリットがあります。

まず、低温障害による品質低下を防げることが挙げられます。耐寒性が不十分な品種では、厳寒期に葉が傷んで商品価値が下がることがありますが、耐寒性品種ではこうしたリスクを低減できます。

次に、栽培の安定性が向上します。冬季の急激な寒波に対しても生育を維持しやすく、欠株や生育不揃いが起きにくい傾向があります。生産者にとっては、予定通りの収穫量を確保しやすくなるという経営上のメリットがあります。

また、耐寒性の高い品種は一般的に草勢も旺盛で多収性を兼ね備えていることが多く、生育期間中の株の充実にもつながります。中原採種場株式会社の「三池高菜」は「耐病性、耐寒性のすぐれた、多収穫品種」とされており、耐寒性と収量性が両立した代表的な品種の一つです。

タカナにおける耐寒性の基準

タカナの耐寒性については、他の作物のような国際基準(HR/IR等)は設けられておらず、品種カタログ上の記述に基づいて判断するのが一般的です。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、平坦な暖地(福岡平野部など)と山間の寒冷地(阿蘇地方など)では、求められる耐寒性のレベルが大きく異なります。阿蘇地方に古くから伝わる「阿蘇たかな」は、「耐寒性がきわめて強く、阿蘇地方の冬季に生育する唯一のカラシナである」(中原採種場)と記されており、極端な寒冷地での栽培に特化した系統です。

耐寒性の強さを表す表現として、品種カタログでは「耐寒性が強い」「耐寒性に優れる」「寒さにもよく耐え」といった表記が用いられます。これらを目安に品種を比較することが有効です。

栽培のポイント

耐寒性品種を選んでいても、栽培管理によって冬越しの成否は大きく変わります。ここからが実際の栽培で差がつくところです。

播種・定植のタイミングは非常に重要です。タカナは一般的に9月上旬〜10月上旬にかけて播種し、本葉5〜6枚になった頃に定植するか、直播の場合はそのまま間引きながら育てます。遅まきになると株が充実しないまま厳寒期を迎えることになり、耐寒性品種であっても低温障害を受けやすくなります。

施肥管理も重要な要素です。生育が旺盛で多収性を発揮するためには、元肥を十分に施したうえで、追肥のタイミングを適切に管理することが欠かせません。アサヒ農園の「アサヒ 新生三池高菜」の栽培ポイントでは「10アール当りの施肥成分量はチッソ30kg、カリ27kg、リンサン23kg」が目安として示されています。

病害虫対策として、育苗期からウイルス病の媒介虫であるアブラムシの防除を徹底することが重要です。厳寒期前に株を健全な状態に仕上げておくことが、冬越しの安定につながります。

品種選びのコツ

耐寒性タカナの品種を選ぶ際には、以下の点を合わせて確認することが大切です。

第一に、栽培地域の気候条件との照合です。標高や内陸・沿岸の違いによって冬の最低気温は大きく異なります。阿蘇地方のような厳寒地では「阿蘇たかな」のような在来系統が安心ですが、温暖な福岡平野部では一般的な三池系品種でも十分な耐寒性を発揮します。

第二に、用途との組み合わせです。漬物向きか浅漬け向きか、あるいは家庭菜園か業務用かによって、求められる品種の特性が異なります。耐寒性と漬物適性を両立した品種を選ぶことで、収量と品質の両方を確保しやすくなります。

第三に、晩抽性との組み合わせです。耐寒性が高くても抽苔(とうだち)が早い品種では、春の出荷前にとう立ちしてしまうリスクがあります。耐寒性と晩抽性を兼ね備えた品種を選ぶことで、長期間の安定出荷が可能になります。

合わせて確認したいポイントは以下の通りです。

  • 抽苔の早晩(晩抽性品種かどうか)
  • 草勢の強さと株張りの大きさ
  • 漬物品質(葉肉の厚さ、辛味・香りの程度)
  • 葉面の特性(ちりめん状かどうか)
  • 耐病性の有無(特にウイルス病)

市場動向とこれから

タカナ漬けは九州地方の郷土食として定着しており、博多ラーメンの薬味としての需要が安定しています。一方、近年では健康意識の高まりとともに発酵食品への関心が強まっており、漬物原料としてのタカナの需要は堅調に推移しています。

産地においては、担い手の高齢化や作業省力化のニーズが高まっており、生育が旺盛で作業しやすい品種への需要が増えています。耐寒性に優れた品種は、厳寒期でも安定した生育を見せるため、栽培管理の手間を減らせる点でも評価されています。

また、在来品種の見直しも進んでいます。阿蘇たかなのような地域固有の品種は、その特性や食文化的な価値が再評価され、地域ブランドとして付加価値を高める取り組みが続いています。

まとめ

耐寒性タカナは、厳しい冬を越えて良質な漬物原料を生産するために不可欠な特性です。品種カタログの耐寒性に関する記述を確認しながら、栽培地域の気候条件に合った品種を選ぶことが、安定生産の第一歩です。

晩抽性・多収性・漬物品質といった関連特性と合わせて総合的に品種を評価することで、地域の栽培条件に最適な選択ができます。意外と知られていないのですが、耐寒性の強さは品種間で大きな差がある特性の一つです。カタログの記述を丁寧に読み比べることが、品種選びの精度を高める近道です。

タカナ品種の一覧や各品種の詳細情報については、ミノリスのタカナ品種ページをご覧ください。

11品種 表示中
三池高菜

三池高菜

中原採種場株式会社

晩抽系の赤ちりめん高菜!! ■特性 ・本種は従来の三池高菜より抽苔が遅く、耐病性、耐寒性のすぐれた、多収穫品種である。 ・葉は濃緑色を帯び、葉脈及び先端は赤紫色となり、葉面は縮緬となる。 ・茎は扁平の広茎で株はり良く一株4kg以上にも達する。 ・品質は優秀で特有の辛みと香りがあり漬物にして風味満点である。 ・抽苔が安定しているので、一年通じ、ハザ菜としても利用できる。

こぶ高菜

こぶ高菜

中原採種場株式会社

コブが珍味、漬物に最適の半結球タカナ!! ■特性 ・生育旺盛で、耐寒性にすぐれた栽培容易な半結球タカナ。 ・草姿は立性。葉は鮮緑色で切れ込みの強い大葉で、茎の内側に飛び出した特有のコブがある。 ・間引き菜は浅漬として、適期収穫では一般のタカナ同様に漬物に最適で、特にコブが珍味。 ・家庭菜園にも好適する。

晩抽青高菜

晩抽青高菜

中原採種場株式会社

超晩抽の青ちりめん高菜!! ■特性 ・草勢強健、耐寒性があり栽培容易な大晩生種。 ・春の抽苔が遅く、苔立ちしても葉をかきながら利用でき、多収穫が得られる優良種。 ・葉は濃緑色を呈し縮緬状で幅広く、茎は白色の厚肉で共に柔軟、一種の辛味と香気あり、春の漬菜として風味満点である。 ・抽苔が安定しているので、間引菜として周年栽培に利用できる。

阿蘇たかな

阿蘇たかな

中原採種場株式会社

阿蘇地方に古くから伝わるツケナ!! ■特性 ・阿蘇タカナは、耐寒性がきわめて強く、阿蘇地方の冬季に生育する唯一のカラシナである。 ・系統は「丸葉系」、「小国系」、「むらさき系」、「あざみ葉系」の4系統がある。 ・最近では品質がよくて耐寒性の強い、多収性の「丸葉系」が主に栽培されている。 ・収穫は3月下旬〜4月下旬ごろ、草丈30cmほどとなって抽苔が始まるのを見て、茎と葉を一緒に収穫する。

丸葉 紫たか菜

丸葉 紫たか菜

株式会社トーホク

丸く幅広でちぢみのある肉厚葉。やわらかく、辛味、香りともに優れて、小苗は短期漬け、大株は長期漬けに適します。寒さにもよく耐え、畑を選ばず作りやすい品種です。

こぶ高菜

こぶ高菜

株式会社トーホク

生育旺盛で耐寒性に優れ栽培容易。間引き菜は浅漬に、大株は日干しして漬け込みます。茎元のこぶはシャキシャキとした独特の食感があり、炒めてもおいしい。

アサヒ 新生三池高菜

アサヒ 新生三池高菜

株式会社アサヒ農園

ほどよい辛味 商品特性 ■特性 耐病性、耐寒性強く生育旺盛で、とう立ち極めて遅く、多収種である。 葉、茎共に幅広く肉厚で、食味はよい。葉面はチリメン状で毛じはなく、光沢に富む。 葉色は、従来の三池よりも紫色強く、濃緑色で葉脈にそってアントシアンの赤紫色が多く出るのが特徴。 ■利用法 浅漬、本漬用、あえもの、油いため。 育て方 ■栽培のポイント 育苗 10~15cmに条播、双葉と本葉3枚の時に密生部を間引く。ウイルス病にかかりやすい時期なので、アブラムシ防除の徹底をする。 定植 本葉5~6枚時、うね幅60cm、株間40cmに1条植え。10アール当りの施肥成分量はチッソ30kg、カリ27kg、リンサン23kg。(元肥6割、追肥4割は12月下旬~1月上旬) 暖地直播の場合 11月上旬~中旬に点播、年内間引き後、充分肥料を与える。

三池大葉縮緬高菜

三池大葉縮緬高菜

タキイ種苗株式会社

大葉で肉厚! 漬物・煮物に適する! ■特長 ・耐寒性にすぐれた生育旺盛な多収種で、抽苔は遅い。 ・葉は濃緑色。葉面は細かいチリメン状となる。 ・茎葉は肉厚で、漬物として浅漬や本漬、あるいは煮食用に適する。 ■栽培の要点 ・条まきして順次間引くか、移植に強いので、本葉5〜6枚時に120cm幅の畝に株間を40cmとって2条に定植する。 ・施肥は元肥主体に施し、追肥はチッソ肥料を主体として、しっかりとした株に仕上げる。

ツケナ 赤大葉高菜

ツケナ 赤大葉高菜

丸種株式会社

清菜の代表的品種で快い香気と辛味は格別。 1. 草勢強健、病気や寒さに強く栽培容易な多収穫品種です。 2. 葉は赤紫色、茎は緑色で外観見事、肉質は柔軟で辛味と香気があり清菜とすれば格別の風味があります。

ツケナ 柳川青ちりめん高菜

ツケナ 柳川青ちりめん高菜

丸種株式会社

草勢強健、抽苔の遅い晩生タイプ。耐寒性があり、多収穫で栽培容易。 1. 草勢強健、耐寒性が強く栽培容易な大晩生種です。 2. 抽苔が遅く、苔立ちしても葉をかきながら利用でき、多収穫が得られる優良品種です。 3. 葉は濃緑色を呈し縮緬状で巾広く、茎は白色の厚肉で柔軟、辛味と風味があり漬菜として最適です。

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