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晩抽性タカナのタカナ品種一覧 全8種類

晩抽性とは 抽苔(とうだち)とは、植物が花を咲かせるために茎を急速に伸長させる現象を指します。タカナを含む葉菜類では、抽苔が始まると葉質が硬くなり、辛味が強くなりすぎるなどして、漬物や食用としての品質が低下します。 晩抽性(ばんちゅうせい)

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晩抽性タカナについて

晩抽性とは

抽苔(とうだち)とは、植物が花を咲かせるために茎を急速に伸長させる現象を指します。タカナを含む葉菜類では、抽苔が始まると葉質が硬くなり、辛味が強くなりすぎるなどして、漬物や食用としての品質が低下します。

晩抽性(ばんちゅうせい)とは、この抽苔が遅い、つまり花茎の伸長が遅くなる特性のことです。「晩抽」「とう立ちが遅い」「抽苔が遅い」などと品種カタログに記載されている品種が晩抽性タカナに該当します。

タカナは秋まき・冬育て・春収穫という作型が基本です。気温の上昇とともに抽苔が促進されるため、春先の出荷期間をいかに長く確保できるかが栽培の鍵になります。晩抽性品種は、春の気温上昇に対して抽苔が起きにくく、漬物適期の収穫可能期間を延ばすことができます。

晩抽性タカナのメリット

晩抽性品種を選ぶことで、生産者には複数の実践的なメリットがあります。

最も大きなメリットは出荷期間の延長です。早く抽苔する品種では、春の暖かさが増すとともに品質が急速に低下し、出荷できる期間が短くなります。一方、晩抽性品種では収穫適期を長く維持でき、出荷量の安定化につながります。

間引き菜の周年利用も晩抽性品種の特長です。中原採種場株式会社の「晩抽青高菜」は「抽苔が安定しているので、間引菜として周年栽培に利用できる」と説明されており、大株の漬物用途だけでなく、小株のうちから間引いて浅漬けや炒め物に使えるという柔軟な利用が可能です。

また、作業計画の立てやすさという点でも晩抽性は価値があります。抽苔のタイミングが安定していれば、収穫・出荷・漬け込みの作業スケジュールを予測しやすくなります。

晩抽性品種の特徴

ミノリスに登録されているタカナ品種の中には、晩抽性を特長として記載するものが複数あります。

中原採種場株式会社の「晩抽青高菜」は「超晩抽の青ちりめん高菜」として知られ、「草勢強健、耐寒性があり栽培容易な大晩生種。春の抽苔が遅く、苔立ちしても葉をかきながら利用でき、多収穫が得られる優良種」と説明されています。青系(緑色)のちりめん葉を持つ品種で、漬物の色合いとしても清潔感があります。

同じく中原採種場の「柳川青高菜」は「草勢強健で株張りが大きく、抽苔の遅い、栽培容易な豊産種」とされています。チリメン状の大葉を持ち、置漬けに最適な品種として評価されています。

中原採種場の「三池高菜」(晩抽系)も「従来の三池高菜より抽苔が遅く」という記述があり、三池系の中でも特に晩抽性を強化した品種です。中原採種場の「改良三池高菜」は「抽苔は極めて遅い」とされており、春先の収穫適期を最大限に延ばしたい場合に適しています。

トーホクの「春まきピリ辛たか菜」は「とう立ち遅く春まきに適し、生育旺盛で作りやすい」という特性を持ち、春まき作型にも対応できる晩抽性品種です。

栽培のポイント

晩抽性品種を最大限に活かすためには、適切な栽培管理が必要です。ここからが実際の栽培で差がつくところです。

播種時期の管理が第一です。晩抽性品種であっても、極端に早まきした場合は収穫適期前に抽苔が始まることがあります。適正な播種時期を守ることが、晩抽性の特性を十分に引き出す前提条件です。一般的には、暖地では9月上旬〜中旬、寒冷地では8月下旬〜9月上旬の播種が目安とされます。

肥培管理も重要です。窒素過多になると茎葉が軟弱になり、品質が低下するリスクがあります。元肥主体で施肥し、追肥はリン酸・カリを主体に行うことで、充実した株を育てることができます。

収穫のタイミングの見極めも大切です。晩抽性品種は漬物適期が長いとはいえ、最終的には抽苔が始まります。株の状態を定期的に確認し、適期に収穫することが重要です。

品種選びのコツ

晩抽性タカナの品種選びでは、「抽苔の遅さ」だけでなく複数の観点から総合的に評価することが重要です。

意外と知られていないのですが、「晩抽」と一口に言っても、品種によって抽苔が遅い程度には差があります。「やや晩抽」から「超晩抽」まで幅があるため、産地の気候や出荷スケジュールに応じて最適な品種を選ぶ必要があります。

合わせて確認したいポイントは以下の通りです。

  • 抽苔の遅さの程度(「極めて遅い」「超晩抽」「やや遅い」など)
  • 耐寒性との両立(晩抽性だけでなく冬の寒さにも耐えられるか)
  • 葉形・葉色(ちりめん葉か平葉か、青系か赤紫系か)
  • 漬物品質(葉肉の厚さ、辛味・香りの特性)
  • 草勢と株張りの大きさ(多収性との関係)
  • 用途(本漬け向きか浅漬け向きか、間引き菜としても使えるか)

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、冬が温暖な地域では早めの時期から抽苔が始まりやすく、晩抽性の選択が特に重要になります。また、耐寒性との組み合わせも品種選びの重要なポイントです。

市場動向とこれから

近年のタカナ市場では、春先の需要拡大に応えるための出荷期間延長が課題となっています。晩抽性品種への需要は、この課題解決の観点から今後も安定していると考えられます。

また、飲食店向けの業務需要では、高菜漬けの安定供給が求められます。晩抽性品種は出荷期間が長いため、業務用途での契約栽培においても有利な特性です。春まきにも対応できる晩抽性品種が普及すれば、出荷時期の分散と周年供給にも貢献できます。

さらに、間引き菜の活用という観点では、晩抽性品種は小株から大株まで段階的に収穫できるため、食材としての柔軟な利用が可能です。スプラウトやベビーリーフ市場への展開も含め、晩抽性品種の多様な利用シーンが広がりつつあります。

まとめ

晩抽性タカナは、収穫適期を長く確保し、安定出荷を実現するために重要な特性です。特に春先の気温上昇が早い暖地や、出荷スケジュールの管理を重視する産地では、晩抽性品種の選択が経営上の安定につながります。

晩抽性の程度は品種によって差があるため、カタログ記述を丁寧に確認し、耐寒性・漬物品質・多収性といった関連特性と合わせて総合評価することが、品種選びの成功につながります。

タカナの晩抽性品種の詳細については、ミノリスのタカナ品種ページから各品種の特性を比較してみてください。

8品種 表示中
三池高菜

三池高菜

中原採種場株式会社

晩抽系の赤ちりめん高菜!! ■特性 ・本種は従来の三池高菜より抽苔が遅く、耐病性、耐寒性のすぐれた、多収穫品種である。 ・葉は濃緑色を帯び、葉脈及び先端は赤紫色となり、葉面は縮緬となる。 ・茎は扁平の広茎で株はり良く一株4kg以上にも達する。 ・品質は優秀で特有の辛みと香りがあり漬物にして風味満点である。 ・抽苔が安定しているので、一年通じ、ハザ菜としても利用できる。

晩抽青高菜

晩抽青高菜

中原採種場株式会社

超晩抽の青ちりめん高菜!! ■特性 ・草勢強健、耐寒性があり栽培容易な大晩生種。 ・春の抽苔が遅く、苔立ちしても葉をかきながら利用でき、多収穫が得られる優良種。 ・葉は濃緑色を呈し縮緬状で幅広く、茎は白色の厚肉で共に柔軟、一種の辛味と香気あり、春の漬菜として風味満点である。 ・抽苔が安定しているので、間引菜として周年栽培に利用できる。

柳川青高菜

柳川青高菜

中原採種場株式会社

チリメンの大葉、快い辛味は置漬けに最高!! ■特性 ・草勢強健で株張りが大きく、抽苔の遅い、栽培容易な豊産種。 ・葉柄は白くて幅が広く、濃緑の葉は大きく、葉面がチリメン状で葉肉が厚い。 ・茎葉ともに、質がやわらかく、置漬けされたベッコウ色の漬物は、快い辛味があって、特有の風味がある。

改良三池高菜

改良三池高菜

中原採種場株式会社

抽苔が遅く、大葉で肉厚、風味は良好!! ■特性 ・耐病性が強くて、性質強健の多収種、耐寒性はやや劣るが、抽苔は極めて遅い。 ・葉は濃緑色、葉脈及び先端は赤紫色で、一般の三池高菜より濃い。 ・葉面は細かいチリメン状を呈し、中心部は半結球となる。 ・茎葉は多肉で味がよく、漬物として浅漬や本漬、あるいは煮食用に好適。 ・抽苔が安定しているので、一年通じ、間引菜としても利用できる。

春まきピリ辛たか菜

春まきピリ辛たか菜

株式会社トーホク

とう立ち遅く春まきに適し、生育旺盛で作りやすい。漬け物に適したやわらかくちぢみのある幅広肉厚葉。ピリッとした辛味で風味良く、間引き菜はベビーリーフとしてサラダに適します。

アサヒ 新生三池高菜

アサヒ 新生三池高菜

株式会社アサヒ農園

ほどよい辛味 商品特性 ■特性 耐病性、耐寒性強く生育旺盛で、とう立ち極めて遅く、多収種である。 葉、茎共に幅広く肉厚で、食味はよい。葉面はチリメン状で毛じはなく、光沢に富む。 葉色は、従来の三池よりも紫色強く、濃緑色で葉脈にそってアントシアンの赤紫色が多く出るのが特徴。 ■利用法 浅漬、本漬用、あえもの、油いため。 育て方 ■栽培のポイント 育苗 10~15cmに条播、双葉と本葉3枚の時に密生部を間引く。ウイルス病にかかりやすい時期なので、アブラムシ防除の徹底をする。 定植 本葉5~6枚時、うね幅60cm、株間40cmに1条植え。10アール当りの施肥成分量はチッソ30kg、カリ27kg、リンサン23kg。(元肥6割、追肥4割は12月下旬~1月上旬) 暖地直播の場合 11月上旬~中旬に点播、年内間引き後、充分肥料を与える。

三池大葉縮緬高菜

三池大葉縮緬高菜

タキイ種苗株式会社

大葉で肉厚! 漬物・煮物に適する! ■特長 ・耐寒性にすぐれた生育旺盛な多収種で、抽苔は遅い。 ・葉は濃緑色。葉面は細かいチリメン状となる。 ・茎葉は肉厚で、漬物として浅漬や本漬、あるいは煮食用に適する。 ■栽培の要点 ・条まきして順次間引くか、移植に強いので、本葉5〜6枚時に120cm幅の畝に株間を40cmとって2条に定植する。 ・施肥は元肥主体に施し、追肥はチッソ肥料を主体として、しっかりとした株に仕上げる。

ツケナ 柳川青ちりめん高菜

ツケナ 柳川青ちりめん高菜

丸種株式会社

草勢強健、抽苔の遅い晩生タイプ。耐寒性があり、多収穫で栽培容易。 1. 草勢強健、耐寒性が強く栽培容易な大晩生種です。 2. 抽苔が遅く、苔立ちしても葉をかきながら利用でき、多収穫が得られる優良品種です。 3. 葉は濃緑色を呈し縮緬状で巾広く、茎は白色の厚肉で柔軟、辛味と風味があり漬菜として最適です。

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