栽培環境・条件

耐暑性のニンジン品種一覧 全67種類

耐暑性ニンジン 耐暑性ニンジンとは 耐暑性ニンジンとは、夏季の高温環境下でも安定した発芽・生育・根の肥大が期待できる特性を持つニンジン品種の総称です。ニンジンは冷涼な気候を好む作物であり、発芽適温は15〜25℃、生育適温は18〜21℃とされ

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耐暑性について

耐暑性ニンジン

耐暑性ニンジンとは

耐暑性ニンジンとは、夏季の高温環境下でも安定した発芽・生育・根の肥大が期待できる特性を持つニンジン品種の総称です。ニンジンは冷涼な気候を好む作物であり、発芽適温は15〜25℃、生育適温は18〜21℃とされています。30℃以上の高温が続くと発芽不良・生育障害・根の着色不良などが発生しやすく、夏季の栽培は品種の耐暑性が収穫の成否を左右します。

ニンジンの主要な作型のうち、夏まき(7月〜8月播種)の作型は、播種期がまさに高温のピークと重なるため、耐暑性が最も強く求められます。また、春まき作型でも収穫期が夏にかかる場合は、高温による品質低下が問題になります。

まず押さえておきたいのが、ニンジンの高温障害には複数の症状があるという点です。最も深刻なのが発芽不良であり、地温が35℃以上になると発芽率が著しく低下します。生育期の高温では、根の着色不良(白肌)、裂根、根長の短縮、肌の荒れなどが発生しやすくなります。耐暑性品種は、これらの障害に対する耐性を総合的に備えている品種を指します。

この特性の魅力(メリット)

耐暑性ニンジンの最大の魅力は、夏まき・秋冬どりの作型を安定的に実施できることです。この作型は国内のニンジン生産において最も重要な作型の一つであり、秋冬の市場向けニンジンの大部分を占めています。耐暑性品種の導入により、高温年でも安定した発芽と生育が確保され、計画的な生産・出荷が可能になります。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。ニンジンの夏まき栽培で最大の難関は発芽揃えです。耐暑性に優れた品種は、高温条件下での発芽率が高く、発芽揃いも良い傾向があります。発芽揃いの良さは、その後の生育の均一性に直結し、最終的な秀品率と収量に大きな影響を与えます。

経営面では、耐暑性品種の活用により、播種適期の幅が広がるメリットがあります。従来は高温を避けて播種時期を限定せざるを得なかった産地でも、耐暑性品種を使うことで、やや早い時期からの播種が可能になり、出荷時期の前進が図れるケースがあります。

また、近年の夏季の高温化傾向を考慮すると、耐暑性品種の導入は気候変動への適応策としても重要です。従来の品種では安定生産が難しくなりつつある産地において、耐暑性品種への切り替えが生産維持の鍵になっています。

適した品種の特徴

耐暑性ニンジン品種に求められる特性は多岐にわたります。

高温下での発芽安定性は、最も基本的かつ重要な特性です。発芽適温を超える高温条件でも発芽率の低下が小さく、発芽揃いが良い品種を選ぶことが、夏まき栽培の出発点です。

根の着色性も耐暑性品種では重要な特性です。高温期に肥大した根は、内部まで均一に着色しにくい傾向があり、芯部が白っぽくなる「白芯」や、根全体の色が淡くなる現象が問題になります。高温下でも鮮やかなオレンジ色を維持できる品種が、外観品質の面で有利です。

裂根耐性も見逃せないポイントです。高温と乾燥の繰り返しや、急な降雨による水分の急激な変動が裂根の原因になります。裂根が発生しにくい品種を選ぶことで、秀品率の安定につながります。

意外と知られていないのですが、耐暑性品種は肌の滑らかさにも配慮が必要です。高温期に生育したニンジンは根の肌が荒れやすく、いわゆる「肌荒れ」が外観品質を損なうことがあります。肌の滑らかさが良好な耐暑性品種は、洗浄選別後の見栄えが良く、市場評価で有利です。

栽培のポイント

耐暑性ニンジンを夏まき作型で栽培する場合、発芽の確保と高温ストレスの軽減が最も重要な管理項目です。

播種時期の設定は、地域の気象条件を踏まえた慎重な判断が必要です。高温のピークを過ぎた時期に播種するのが基本ですが、遅まきすぎると根の肥大期間が不足する場合があります。地域の栽培暦を参考に、耐暑性品種の特性を活かした播種期を設定します。

発芽揃えの確保は、夏まきニンジン栽培の最重要管理項目です。播種後の灌水は、土壌の乾燥を防ぎ、地温の上昇を抑制する効果があります。早朝または夕方の涼しい時間帯に灌水を行うのが効果的です。遮光資材やべたがけ資材(不織布など)の利用も、地温の抑制と土壌水分の維持に有効です。

砕土と整地は丁寧に行います。夏季は土壌が乾燥して固まりやすく、覆土が粗いと種子と土壌の密着が悪くなり、発芽不良の原因になります。細かく砕土し、均一な覆土と適度な鎮圧を行うことが大切です。

生育期の管理では、高温期の水管理が品質に大きく影響します。乾燥と過湿の繰り返しは裂根の原因になるため、一定の土壌水分を維持する灌水管理が求められます。しみ腐病などの高温期に発生しやすい病害への防除も計画的に行います。

品種選びのコツ

耐暑性ニンジンの品種選びでは、以下の観点を総合的に検討することが重要です。

  • 高温下での発芽安定性: 最優先の確認項目。夏まき作型での発芽率・発芽揃いの実績がある品種を選ぶ
  • 根の着色性: 高温期の着色が安定している品種は外観品質が高く、市場評価で有利
  • 裂根耐性: 降雨後の裂根が出にくい品種を選ぶことで、秀品率の安定が期待できる
  • 根形の均一性: 機械収穫や洗浄選別に対応するためには、根形が揃いやすい品種が望ましい
  • しみ腐病耐性: 高温多湿期に発生しやすいしみ腐病への耐性は、夏まき作型では重要な選定基準
  • 根長・根形のタイプ: 出荷先の規格に合った品種を選ぶ

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、夏まき作型における発芽の安定性は品種による差が大きい項目です。試作時には、複数の品種を同条件で播種して発芽率と発芽揃いを比較し、自分の圃場条件に最も適した品種を見極めることが効果的です。

市場動向とこれから

耐暑性ニンジンの市場は、夏まき・秋冬どりの安定生産に対するニーズの高まりを背景に堅調に推移しています。特に、近年の夏季の記録的な高温が続く中で、耐暑性品種への需要は確実に増加しています。

品種開発の面では、耐暑性と食味・外観品質を高いレベルで両立する品種の育成が各種苗メーカーで精力的に進められています。従来の耐暑性品種は高温下での生産安定性を最優先に設計されていましたが、近年は食味や肌の滑らかさといった品質面でも改良された品種が増えてきています。

今後の展望として、気候変動に伴う夏季の高温化は今後も続くと予測されており、耐暑性品種の重要性はさらに高まると考えられます。従来は温暖地特有の課題であった夏の高温障害が、寒冷地でも問題になりつつある状況であり、全国的に耐暑性品種への切り替えが進む可能性があります。

また、加工・業務用ニンジンの安定供給の観点からも、夏まき作型の生産安定化は重要な課題です。機械収穫への適応性と耐暑性を兼ね備えた品種への需要は、今後ますます高まると予想されます。

まとめ

耐暑性ニンジンは、夏季の高温環境下でも安定した発芽・生育・根の肥大が期待できる品種群であり、夏まき・秋冬どり作型の安定生産に欠かせない特性です。高温下での発芽安定性が最も重要な品種特性であり、着色性・裂根耐性・肌の滑らかさ・しみ腐病耐性も品種選定の重要な基準になります。

栽培面では、発芽揃えの確保が最大の課題であり、灌水管理・遮光資材の活用・丁寧な砕土と覆土の組み合わせが有効です。品種選びにあたっては、高温下での発芽安定性を最優先に確認し、圃場条件と出荷先の品質要求に合った品種を選定することが、夏まきニンジン栽培の安定につながります。

67品種 表示中
Dr.カロテン5

Dr.カロテン5

タキイ種苗株式会社

甘くて、うまい! 栄養たっぷり! 春夏OK! ■特長 ・根部は内部まで鮮やかな濃紅色で、食味にすぐれる。 ・草勢が強く、たいへん作りやすい。減農薬・減肥栽培におすすめ。 ・夏まきで根長17cm、根重220g程度によく太る。 ・トウ立ちが遅いので、春まき栽培も可能。 ■栽培の要点 ・排水性のよい土壌で栽培することが、良品多収につながる。 ・施肥量の基準は「向陽二号」の2割減程度を基準とする。 ・8〜12cm間隔でまき、本葉5〜6枚までに2〜3回間引いて1本とする。 ・間引き遅れは、生育の遅延や不ぞろいの原因になるので、早めに行う。 ・最終間引き後は土の表面を軽く耕して株元に軽く土寄せをし、青首になるのを防ぐ。

つやべに110

つやべに110

八江農芸株式会社

市場性・収量性に優れる 夏まきの専用種! ■特長 ・耐暑性に優れる夏蒔き専用の五寸人参です。 ・草勢が強く作柄が安定します。 ・総太タイプの根形で長根性です。 ・市場性が高い。 ・在圃性が高い。

はまべに五寸

はまべに五寸

横浜植木株式会社

甘みがある夏まき人参、年内~年明け品種で低温下の肥大性が抜群! ■特性 ・甘みがある夏蒔き品種で、低温肥大性、収量性に優れ、年内~年明けどりに適し、L ・M中心に良く揃い、収穫遅れでも裂根が少なく、在圃性が高い。少肥栽培で能力を発揮する。 ・糖度も多品種よりも高い方で、青果や業務用にとあらゆる用途に向く品種です。

ひとみ®五寸

ひとみ®五寸

カネコ種苗株式会社

根色、根形よく、肉質に優れた冬どりニンジン 特性 ●夏まき冬どり用品種で、播種後110日位から収穫でき、さらに低温条件下での肥大性に優れるため、遅まきでの越冬栽培も可能です。 ●根色、芯色が特に優れ、濃紅橙色となり、また肉質は軟らかく甘みが強いため、食味は大変良好です。 ●適期収穫では、根部が根長約18cm、根重200g程のやや肩張りの円筒形となります。 ●吸込み性が強いので、肩部のひび割れや腐敗など凍害を受けにくく、また青首の発生が極めて少ないです。 ●草姿は半立性で、葉がちとなりにくく、さらに黒葉枯病に強いため、大変作りやすい品種です。 栽培要点 ●吸肥力が強い品種ですので、少肥栽培でも十分に肥大する能力を備えています。多肥栽培では過繁茂になりやすく、根部の品質や秀品率の低下につながりますので注意が必要です。 ●元肥には緩効性肥料が向いています。施肥量は10aあたり成分量で窒素:6~8kg、リン酸:10~12kg、カリ:8~10kg程度を標準とします。また、前作の肥料が残っている圃場では、追肥だけで栽培したほうが良品が生産できます。 ●播種適期は、中間地では8月上中旬です。2~3月どりには8月15日から20日位に播種します。 「ひとみ®五寸」の機能性 「ひとみ®五寸」は芯まで真っ赤な色と、食べて美味しい味の良さで、 大変人気のあるニンジンです。また機能性成分として注目されているカロテンを豊富に含んでお り、「ひとみ®五寸」は一般的なF₁品種と比較して、1.3~1.4倍の量の カロテンを含んでいます(α-カロテンで1.3~2.1倍、β-カロテンで 1.2~1.3倍)。

らいむ五寸

らいむ五寸

横浜植木株式会社

尻詰り良く根色、芯色良好、12月~3月中旬どりに最適の夏播き品種! ■特性 ・夏まき専用の中生系品種。 ・草勢は旺盛で耐寒性に優れ、黒葉枯病にも強い。草姿は立性で管理作業が容易。 ・根形はややなで肩の円筒形で、尻詰まりが良い。 ・根色が濃く芯色良好で、肌が非常に滑らかで光沢があり洗い上がりが美しい。 ・吸い込み性が強く、肩部の凍害を受けにくい為、ひび割れからの腐敗が少ない。 ・春の新根発生が遅く、裂根少なく在圃に優れ、食味は甘味、風味があり美味しい。 ■栽培のポイント ・生育が中生種の為、無理な早蒔きの場合、根部が充分に肥大せず収量が劣る場合がある為、適作、適期収穫での栽培に心掛ける。 ・草勢が強い品種な為、生育前期に過度の肥効や密植栽培では茎葉が徒長し、根部の肥大が劣るので注意する。 ・中間地、暖地での早蒔き(7月末まで)は発芽直後の高温障害で、肩の変形が見られる場合があるので、播種期はやや遅らせた方が良い。

アサヒ 新黒田五寸人参

アサヒ 新黒田五寸人参

株式会社アサヒ農園

肉付き良好な早生豊産種。色鮮やかなおいしい人参 商品特性 ■特性 耐病性、耐暑性が強く、家庭菜園に好適の早生豊産種。 根身15~20cm位の肩張り、尻の肉付良好な五寸人参です。 橙赤色で着色良く、肉質、味、栄養価共抜群の優良種です。 ■利用法 甘味に富み煮物、炒め物、サラダ等に好適です。 間引いた時の人参の葉はおひたし、汁の具等に利用出来ます。 育て方 ■土づくり ・種まき前に石炭を散布し、よく耕して土を中和させておきます。 ・肥料は堆肥、油かす等を元肥に施しますが、肥料の塊があると分岐根になりやすく注意。 ■たねまき ・40cm幅のうねにスジまきします。 ・タネがかくれる程度、土をかけます。 ・発芽まで土が乾燥しないように水を与え、適度な湿度を保ちます。 ■栽培のポイント ・発芽後は順次間引きし株間を10cm位にします。根部が肥大すると土寄せします。 ・肥料は間引き後と生育に伴い化成肥料等を時々与えます。

アサヒ交配 紅植五寸2号人参

アサヒ交配 紅植五寸2号人参

株式会社アサヒ農園

愛されてロングセラー! 商品特性 ■特性 春・夏まき 播種から100日~110日タイプ 環境適応性の高い品種としてロングセラーの品種です。 播種後で根長18~20cm、根長200~250gに良く揃います。 病害に強く、黒葉枯れ病や黒斑病の発生は非常に少ないです。 育て方 ■土づくり 播種の1ヶ月程度前に行います。 石灰・緩効性肥料を与えて下さい。(1㎡あたり、各一握り程度) その後、固まりのできないように良くかき混ぜて下さい。 ■たねまき 60㎝の畝なら2条程度でスジまきして下さい。 覆土はし過ぎず、乾燥しないように良く注意して下さい。 ■間引き 本葉5枚くらいの時に、株間が7~10㎝になるように間引いて下さい。 ■追肥、土寄せ 間引き直後に行います。 株周りに即効性の肥料を与え、首が隠れるように土寄せをして下さい。(青首防止) ■収穫 タネまきから約100日で収穫! ※収穫までの期間はタネまきの時期によって変わりますので、作型表を参考にしてください。

アメリ

アメリ

ヴィルモランみかど株式会社

根・芯色ともに濃い春夏まき兼用種 ■特徴 耐病性 IR : 黒葉枯病 特性-1 適作型:春どり・冬どり 早晩性:中早生 吸込性:中 黒葉枯れ病:中 特性-2 根色:極濃鮮紅色 根長:17-19cm 根形:やや肩張り おすすめポイント 甘味強く芯まで赤い。 熟期105~110日の春夏蒔き兼用種、根・芯色が極めて濃くジュース原料などにも適する。 ■品種の特性 1. 熟期105~110日の春夏まき兼用種。 2. 初期生育が早い。 3. 草姿立性で機械収穫に適する。 4. 極晩抽性。 5. やや肩はり形状で尻詰まりが良い。 6. 根色・芯色共に極めて濃い。 7. 作業割れが少ない。 8. 甘味強く、カロテン含有量も高い。 ■栽培のポイント 1. 形状が乱れやすいため、夏まきで早まき(7月下旬~8月15日)は避ける。 2. 2次生長に対してやや敏感なため、特に高温期には適期収穫を心がける。 3. センチュウに対してやや敏感なため、圃場のセンチュウ対策をしっかり行う。

イエローハーモニー

イエローハーモニー

丸種株式会社

いろどり鮮やかなカラフルキャロット 1. 播種後120日前後で収穫する春・夏まき兼用のニンジンです。根長は20~25cm、根径は3~4cmとなり、揃いも良好です。 2. 根部は色鮮やかで、内部まで美しく色づきます。彩りを活かして、サラダやジュースに利用します。 3. 内部まで色づいたらお好みのサイズで適宜収穫が可能です。

エルザ

エルザ

ヴィルモランみかど株式会社

は種後110~120日で収穫できる初夏・夏まき専用中生種 ■特徴 耐病性 IR : 黒葉枯病, しみ腐病 ■品種の特性 1. 草勢強く、立性で機械収穫に最適。 2. 黒葉葉枯病に強く、葉の耐寒性も優れる。 3. 総太り形状で尻詰まりが良く、播種後110~120日で根長は19~21cm程度となる。 4. 密植栽培に向き、収量性・秀品率に優れ、加工用途としても最適。 5. 根色は濃鮮紅色で、芯色も濃く、根端まで着色する。 6. ニンジン臭が少なく、食味に優れる。 7. 晩抽性で、高冷地の秋どり作型でも抽だいが少ない。 ■栽培のポイント 1. は種後から本葉2~3枚展開時まではしっかりと灌水を行い、発芽を揃え、葉を育てる。 2. 越冬どりではホウ素欠乏症に注意し、元肥にホウ素を施用する。 3. 暖冬の年は尻流れ・白化が見られることがあるので早めに収穫する。

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