熟期・収穫時期

早生ベカナのベカナ品種一覧 全8種類

早生ベカナ 早生とは — ベカナにおける定義と基準 「早生(わせ)」とは、播種から収穫までの生育日数が短い品種のことを指します。ベカナ(白菜系・山東菜系・しろな系などツケナ類の総称)においては、一般的に播種後25〜30日程度で収穫適期を迎え

早生ベカナについて

早生ベカナ

早生とは — ベカナにおける定義と基準

「早生(わせ)」とは、播種から収穫までの生育日数が短い品種のことを指します。ベカナ(白菜系・山東菜系・しろな系などツケナ類の総称)においては、一般的に播種後25〜30日程度で収穫適期を迎える品種が「早生」と位置づけられます。

ベカナ全体の中での生育日数の目安を整理すると、おおよそ以下のようになります。

  • 早生(短期型): 播種後25〜30日で収穫
  • 中生(中間型): 播種後30〜45日程度
  • 晩生(長期型): 播種後45日以上(大株どり用)

早生品種の代表的な特徴は、生育スピードが速いことです。中原採種場の「博多べかな」は「春〜秋の適期播きで25〜30日で収穫ができ」と明記されており、この収穫サイクルの速さが早生ベカナの核心です。トーホクの「春まき山東菜」には「タネまき後20日位で収穫できる」という記述があり、品種によってはさらに短い生育日数のものもあります。

まず押さえておきたいのが、「早生」は品種の生育スピードに関する特性であって、収穫物の品質(食味・食感)に直結するわけではないという点です。早いから良い・遅いから悪いということはなく、生産計画と販売戦略に応じて選ぶ特性です。

早生の魅力 — 回転率と計画的出荷

早生ベカナの最大のメリットは、出荷回転率の高さです。播種後25〜30日で収穫できるため、同じ面積でも晩生品種と比べてより多くの回数の作付けができます。ベカナは回転率が高い軟弱野菜として知られており、その特性をさらに活かすのが早生品種です。

市場・産地での管理のしやすさも評価されています。生育日数が短いと、収穫計画が立てやすく、播種から出荷までのスケジュール管理がシンプルです。天候不順や作業遅れによる影響を吸収しやすいのも、短期間での収穫が前提の早生品種の強みです。

夏場の青物需要に応える点でも、早生品種は重要な役割を果たします。高温期に生育させる時間が短くて済むため、長期栽培で発生しやすい高温障害(葉先枯れ・軟腐病等)のリスクが相対的に低くなります。品種の耐暑性と組み合わせることで、夏場の安定出荷に貢献します。

また、春まき栽培においては、とう立ち(抽苔)リスクの点でも有利な面があります。早めに収穫できる早生品種は、春先に抽苔が進む前に収穫適期を迎えやすいため、晩抽性がやや低い品種でも利用できる幅が広がります。

早生品種の特徴と傾向

早生ベカナに共通する特徴として、草姿が立性で揃いが良い品種が多い傾向があります。葉柄の立ち上がりが良く、株全体がコンパクトにまとまるため、小束収穫時の荷姿が整いやすいです。

中原採種場の「博多べかな」は「葉柄は丸みをおびた肉厚で純白、光沢もあり、葉は欠刻が大きく波状を呈し、葉色は黄味をおびた淡緑色、芯部の巻き上がりもよく、草丈18〜20cm」と詳細に記されており、早生品種でありながら荷姿の整った品種です。「耐暑性、耐病性ともに強く作り易い品種」とも評価されています。

同社の「強力おたふく山東菜」は「生育スピードは特に早く、葉は立性で揃いが良く、荷姿がとても美しく市場での人気も高い」と評されており、F1品種の均一性が早生特性と組み合わさって高い市場評価を得ています。

トーホクの「春まきしろ菜」は「生育早く、手軽に作れます」という特性を持ち、春まき作型での早生性が特に評価されています。「春まき山東菜」も「生育が早く、タネまき後20日位で収穫できる手軽に作れる葉野菜」とされており、家庭菜園から農家まで幅広く使われる品種です。

意外と知られていないのですが、早生品種は生育スピードが速いぶん、収穫適期の幅が晩生品種と比べて狭い傾向があります。収穫のタイミングを逃すと、葉が硬化・黄化して品質が急落することがあります。収穫適期の見極めと、出荷先とのスケジュール調整が特に重要です。

栽培のポイント

早生ベカナを安定的に栽培・出荷するためには、以下の点を押さえておくことが重要です。

播種スケジュールの設計: 早生品種の特性を最大限に活かすには、収穫目標日から逆算して播種日を決める習慣が大切です。25〜30日という短期サイクルを複数回繰り返す「リレー播種」が、安定出荷の基本的な作型です。

灌水管理: 早生品種は生育が急速なぶん、水分不足のストレスに敏感です。播種直後から発芽・生育期にわたって、土壌水分を適切に維持することが求められます。特に夏場の高温期は乾きやすいため、点滴灌水や頭上灌水による安定した水供給が有効です。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。早生品種は施肥設計がシビアです。生育日数が短いため、肥料の効き方が品質に直接出やすいという特性があります。元肥の窒素が過多になると葉が大型化しすぎて揃いが悪くなることがあり、逆に少なすぎると小株のまま収穫適期を迎えてしまいます。品種ごとの推奨施肥量を参考に、適正な施肥設計を行うことが大切です。

収穫適期の管理: 早生品種は草丈や葉数を目安に収穫タイミングを判断します。収穫適期の幅が狭い品種では、毎日の圃場確認が欠かせません。

品種選びのコツ

早生ベカナの品種を選ぶ際には、以下の観点を合わせて確認しておくことをお勧めします。

  • 生育日数の目安: カタログに「播種後○○日で収穫」と明記されているかを確認する。早生性の程度(20日型・25日型・30日型)で品種を絞り込む
  • 収穫適期の幅: 収穫が遅れても品質低下が少ない品種は、作業の融通が利いてありがたい
  • 揃いの良さ: F1品種は一般的に揃いが優れる。特に早生品種での揃いは出荷効率に直結する
  • 耐暑性: 早生品種は夏場栽培が多いため、耐暑性との組み合わせは重要な確認ポイント
  • 用途との相性: 小束出荷・大株どりなど用途によって適した草丈・重量が変わる

市場動向とこれから

早生品種は、産地の出荷回転率を高める観点から長年にわたって需要が高く、品種改良の主要な方向性の一つです。特に、F1品種の普及によって早生性・揃い・耐病性を複合した品種が増えており、今後も選択肢の充実が期待されます。

近郊農業地帯では、春〜秋の主要作型において早生品種が中心的な役割を担っています。出荷の柔軟性が高く、市場への対応力という点でも早生品種の優位性は揺るぎません。

また、農業の省力化・スマート化が進む中で、生育期間が短い早生品種は「データ収集から収穫まで」のサイクルが速く、栽培管理の改善が素早く反映されやすいというメリットもあります。

まとめ

早生ベカナは、播種後25〜30日程度(品種によっては20日前後)で収穫できる短期収穫型の品種群です。出荷回転率の高さと計画的なリレー栽培との親和性が高く、通年安定出荷を目指す産地・農家に広く活用されています。

栽培では、播種スケジュールの緻密な設計と適切な施肥管理が品質安定の鍵です。収穫適期の幅が狭い品種では日々の圃場確認が不可欠です。品種の早生性に加え、耐暑性・揃い・荷姿なども含めて総合的に判断することが、品種選びの成功につながります。

早生ベカナが付いた品種の一覧は、タグページからご確認いただけます。栽培計画の回転率アップを検討されている方は、ぜひ品種比較の参考にしてください。

8品種 表示中
博多べかな

博多べかな

中原採種場株式会社

抜群の揃い、極早生のF1ベカ山東菜!! ■特性 ・本種は短期収穫型のベカ山東の一代交配種。 ・春〜秋の適期播きで25〜30日で収穫ができ、葉柄は丸味をおびた肉厚で純白、光沢もあり、葉は欠刻が大きく波状を呈し、葉色は黄味をおびた淡緑色、芯部の巻き上がりもよく、草丈18〜20cm。 ・耐暑性、耐病性ともに強く栽培は容易。

春まき山東菜

春まき山東菜

株式会社トーホク

生育が早く、タネまき後20日位で収穫できる手軽に作れる葉野菜。葉質やわらかく、きれいな黄緑色の葉は茹でると鮮やかな緑色となり、彩り豊かなおひたしや煮びたしなどに利用できます。

びはく菜

びはく菜

株式会社タカヤマシード

暑さに強い!軟らかく美味しい! ■特性 1.本種は耐暑性があり、高温期でも栽培容易な“しろな”タイプの一代交配種である。 2.葉は鮮緑色の卵形で、葉肉は厚い。葉柄は白く光沢があり、広巾で収穫や結束がしやすく、荷姿が美しい。 3.周年栽培が可能で、高温期の雨よけ栽培では、播種後25日前後で収穫期に達する。 4.非常に軟らかく食味に優れ、炒め物、煮物漬け物等、幅広い用途で市場性が高い。 ■ポイント 1.元肥主体で初期成育を促し、適宜間引きを行い株張りをよくする。 2.収穫は早めに行い、鮮度や日持ちのよいものを出荷する。

優愛菜

優愛菜

株式会社タカヤマシード

高温期の栽培で特性を発揮する青菜で、生育の早い早生種。草姿は立性で「しろな」に似ており、葉は広巾の長卵形で鮮緑色。葉質やわらかく食味に優れ、炒め物、煮物、漬物に最適。葉柄は巾広で厚味があり結束が容易であり、日持ちよく市場性が高い。耐暑性強く、高温期の雨よけ栽培では播種後25日ぐらいで収穫でき、周年栽培が可能。 ■ポイント 1.元肥主体で初期成育を促し、適宜間引きを行い株張りをよくする。 2.収穫は早目に行い、若株どりで鮮度や日持ちのよいものを出荷する。

シロナ 京の四季

シロナ 京の四季

丸種株式会社

肉厚厚く、軟らかい中性種 1. 草姿は立性で、大型丸葉の淡緑色。葉肉厚く軟らかく、葉柄は純白色で幅広く厚い。株張り、株揃いは優れ、荷姿が美しく市場性が高い。 2. 耐暑、耐寒に優れた周年栽培用の品種ですが、特に春から秋にかけて特性を発揮し、高温期の栽培では25日~30日で収穫できます。

山東菜

山東菜

山陽種苗株式会社

栄養満点!! 半結球の山東菜 ■特性 ⃝葉面はやや波状で鮮緑色の束菜専用種である。 ⃝高温期で25日、低温期においては40日で出荷可能。 ⃝株張均一でよく揃い結束がしやすい。 ■栽培のポイント ⃝冬季は不織布のべたがけか、トンネル・ハウス栽培とする。 ⃝条間20cmぐらいに条播きし、発芽後は間引きを順次行い、5~7cm程度株間とする。

東京べかな

東京べかな

トキタ種苗株式会社

べかなの代表品種 ■特性 ”べか”とは小さいという意味で、小さく束ねて出荷する山東菜の俗称で、東京を中心に広く栽培されています。短期収穫型の極早生の山東菜で、葉は肉厚で波打ちがあり、芯部は巻き上がって外観が綺麗です。葉色は黄色を帯びた淡緑色、葉柄は丸みを帯び肉厚で純白で光沢があります。 ■栽培上の注意 耐暑・耐寒性が強く、生育旺盛で株張りが良いです。 ■播き時期 1月から6月上旬、7月上旬から12月上旬にまく。 ■播種方法 筋蒔きが主流です ■植え付け 小松菜よりも間隔を広めに播きたい ■土壌条件 どのような土壌条件の畑でも栽培は容易です。堆肥等の完熟有機物を多く含んだ畑に好適。 ■収穫 夏まきで20〜25日、冬まきで30〜40日で草丈20〜25cm、葉枚数5〜6枚になったら収穫します ■料理 生のままでも、おひたし、炒め物等でもおいしい

白茎優愛菜

白茎優愛菜

株式会社タカヤマシード

茎の白さが目を引く手頃な青菜 ■特性 1.耐暑性強く、盛夏期でも栽培容易な「しろな」タイプの青菜。 2.葉は鮮緑色の倒卵形で葉肉は厚い。葉柄は純白で光沢があり、広巾で収穫や結束が容易で荷姿が美しく市場性が高い。高温期の栽培においても徒長しにくく株張りがよい。 3.周年栽培が可能で夏場の雨よけ栽培では播種後25日位で収穫できる。 4.用途は広く、炒め物、煮物、漬物など多様である。 ■ポイント 1.元肥主体で初期成育を促し、適宜間引きを行う。 2.冬場はトンネルやハウス栽培、盛夏期は雨よけハウスの利用が安定生産につながる。