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煮込み向きケールのケール品種一覧 全4種類

煮込み向きケール 煮込み向きケールとは ケールは、アブラナ科の葉野菜として栄養価の高さで知られていますが、品種によって用途の向き・不向きに大きな差があります。生食向きの品種が柔らかく苦みの少ない食感を追求しているのに対し、煮込み向きの品種は

煮込み向きケールについて

煮込み向きケール

煮込み向きケールとは

ケールは、アブラナ科の葉野菜として栄養価の高さで知られていますが、品種によって用途の向き・不向きに大きな差があります。生食向きの品種が柔らかく苦みの少ない食感を追求しているのに対し、煮込み向きの品種は加熱調理によって引き出される深い旨味と食感が特長です。

「煮込み向きケール」とは、スープ・シチュー・炒め煮・蒸し煮など、加熱を前提とした調理に適した品種群を指すタグです。代表的な系統としては、イタリア在来種のカーボロネロ(黒キャベツ)系が広く知られています。表面の凹凸が強く、葉が厚く、独特のケール特有の苦みとコクを持つことが多いのが特徴です。

生食向き品種と区別するポイントは、葉の厚みと組織の硬さです。生食向き品種は若い葉でも柔らかいのに対し、煮込み向き品種は葉に弾力と厚みがあり、加熱することで細胞壁が崩れて旨味が溶け出します。長時間の煮込みにも型崩れしにくいものも多く、イタリアのミネストローネやポルトガルのカルド・ヴェルデに代表されるような、汁物料理に使う伝統がこの系統の品種と深く結びついています。

煮込み向きケールの魅力

加熱することで引き出される風味

意外と知られていないのですが、ケールの風味はサラダで食べる場合と加熱する場合とでかなり変わります。生のときにえぐみや苦みとして感じる成分が、加熱によって変性・分解されることで、深みのある旨味として感じられるようになります。特にカーボロネロ系の品種は、株式会社増田採種場の「カーボロネロ」の説明文にあるとおり「ケールらしい苦みがクセになる」という独特の風味があり、スープや煮込みの素材として料理に個性を与えます。

食感の安定性

炒めたり茹でたりしても食感がしっかり残る品種が多いのも、煮込み向き品種の魅力です。株式会社増田採種場の「ジューシーグリーン」の品種説明には「火を通しても、しっかりとした食感はそのまま」と記されています。長時間の加熱を伴う煮込み料理でも、葉が溶けてしまわず食感が残ることで、料理の完成度が高まります。

業務用・外食向けの用途の広さ

スープや炒め物に使う場合、一度に大量の葉を仕込む業務用途では、均一な品質と安定した生産量が求められます。煮込み向きケールは比較的草勢が旺盛で収量性に優れる品種が多く、業務用の供給にも対応しやすい傾向があります。

代表品種の特徴

カーボロネロ(株式会社増田採種場)

イタリア在来系の品種で、「黒キャベツ」とも呼ばれるカーボロネロの代表品種です。表面の凹凸が強く黒葉の濃緑色、立性で耐寒性が強い特性を持ちます。一般地では7月中旬〜8月中旬播種で、11月中旬〜3月中旬まで順次かきとり収穫が可能です。収穫適サイズは30〜40cmとされており、1株から一度に2〜3枚の収穫に留めることで長期間収穫を続けられます。厳寒期になると葉の凹凸が強く出るという特徴があります。

カーボログランリーフ(株式会社増田採種場)

カーボロネロと同様のイタリア系煮込み向き品種ですが、葉型がカーボロネロより幅広で、葉縁が丸くならない点が異なります。「生育旺盛で1株で40枚以上の葉をつける」という高収量性が特長です。収穫しながら葉が大きくなるタイプで、用途に合わせた大きさで収穫できます。葉が幅広なことから、料理の盛り付けの際に下に敷いて使うこともできる、幅広い用途を持つ品種です。

クックケール(有限会社石井育種場)

「葉は柔らかくケール特有のえぐみが少ない」という特性を持ちながら、加熱調理にも向く品種です。草姿はやや開張性で株張りは旺盛、葉は濃緑色で大きく、葉枚数が多いため収量性に優れます。寒さにあたることで甘みが増す特性があり、平暖地では12月から2月の収穫が特性を最もよく発揮する時期とされています。春先のとう立ちまで置けば、甘みのある花芽も収穫できます。

ジューシーグリーン(株式会社増田採種場)

主にジュース・スムージー用途で知られる青緑系のF1品種ですが、「炒めたり茹でたりしてもしっかりした食感がある」という特性から、煮込みや炒め物にも活用できます。外葉は濃緑の大葉で草姿は立性、耐暑・耐寒性が非常に強い品種です。8月定植で年4〜5回収穫できるという高い回転率も特長の一つです。

ジュリアーノ(小林種苗株式会社)

「炊いて煮込んで炒めて食べて」をコンセプトにした品種で、「小さくカールしたちりめん状の細長い葉が特徴」です。「強健で害虫も少なく大変育てやすい」という生産者にとってのメリットも記されています。見た目より柔らかく、苦みや青臭さはほとんどないとされており、加熱調理全般に幅広く対応できる品種です。

栽培のポイント

定植と仕立て方

カーボロネロ系の品種は一般的に株間を狭くして立性に育てます。株式会社増田採種場の「カーボロネロ」は株間30〜35cm、畝間60〜80cmでやや高畝での栽培が基本です。「カーボログランリーフ」も同様の株間で、やや高畝での栽培が推奨されています。カーリータイプのケールに比べると葉の広がりが少なく、立性に育つ品種が多いため、前後の葉の間の通気性確保が比較的取りやすい点も管理しやすさにつながります。

施肥管理

長期収穫を前提にした品種が多いため、追肥の管理が品質維持の鍵です。株式会社増田採種場の品種は「元肥だけでも栽培できるが、2〜3回収穫したあと追肥をやると一層収量が上がる」とされています。ただし、窒素過多は菌核病・黒点病などの病気が出やすくなる原因になるとされており、過剰施肥には注意が必要です。

耐寒性を活かした栽培時期の設計

ここからが実際の栽培で差がつくところです。カーボロネロ系をはじめとする煮込み向き品種の多くは耐寒性が強く、冬期の低温下でも品質が維持されます。有限会社石井育種場の「クックケール」の説明にあるように、寒さにあたることで甘みが増す品種特性があり、冬季出荷の品質は夏季を上回ることがあります。厳寒期になると葉の凸凹が強く出る特性も、外観の個性として料理人や消費者に評価されることがあります。

病害対策

黒腐れ病・べと病については複数品種の説明文に注意喚起があります。多湿条件での根傷みとともに発生しやすいため、排水性の向上と定期的な薬剤散布が推奨されています。農薬については「ケール」「非結球アブラナ科葉野菜」「アブラナ科野菜」「野菜類」で登録されているものが使用可能ですが、特記事項を確認したうえで使用してください。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

品種選びのコツ

用途の方向性を明確にする

業務用のスープや煮込み料理への供給を目指すのか、直売所での対面販売なのかによって、適した品種の方向性が変わります。業務用であれば安定した葉型と収量性が重要で、カーボログランリーフのように「1株で40枚以上の葉をつける」高収量品種が候補になります。直売所では珍しさや見た目の個性が重要で、凸凹の強いカーボロネロは見た目のインパクトがあります。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、外食産業からの直接引き合いがある地域では、イタリア料理やポルトガル料理の素材としてカーボロネロ系を評価するシェフも増えています。販売先の業態に合わせた品種選定が重要です。

合わせて確認したいポイント

  • 播種時期と収穫期: 一般地秋冬作では7月中旬〜8月中旬播種が多く、収穫は11月〜3月が中心。地域の気候に応じて播種時期を確認する
  • 株間の設定: 品種によって推奨株間が異なる(カーボロネロ系は30〜35cm、クックケールは60cm程度)。密植・疎植を避け、品種に合った密度を守る
  • 収穫方法: かきとり収穫が基本。1回の収穫で株全体のうち一定枚数を残すことで長期収穫が続けられる
  • 耐寒性の程度: ほとんどの煮込み向き品種は耐寒性が強いが、急な低温や凍霜害には注意が必要
  • 苦み・えぐみの強さ: 品種によって風味の強さに幅がある。料理の方向性と合わせて確認する

試作時のチェックポイント

初めて煮込み向きケールを栽培する場合は、試食での風味確認が不可欠です。カタログに「加熱調理向き」とあっても、実際に煮込んだときの食感・苦みのバランスは品種によって大きく異なります。試作収穫した葉を実際にスープやソテーにして、想定している料理の用途に合うかを確認しておくとよいでしょう(販売先への提案も試食を通じて行うと有効です)。

市場動向とこれから

イタリア料理・地中海料理ブームとの連動

日本国内での洋食・地中海料理に対する関心の高まりとともに、カーボロネロをはじめとする煮込み向きケールの認知度が徐々に上がっています。イタリアのトスカーナ地方を代表するミネストローネの素材として、カーボロネロはレストラン食材として定着しつつあります。シェフや料理研究家からの情報発信も後押しとなり、直売所や農産物直売コーナーでの需要が生まれている産地もあります。

農家の経営視点から見た可能性

煮込み向きケールは、冬場の葉物野菜の空白期間を埋める品目として機能する可能性があります。耐寒性が強く、厳寒期でも収穫が続けられる点は、冬期出荷の品目確保という観点から経営上の意義があります。栽培技術はキャベツやブロッコリーの管理と重複する部分が多く、既存のアブラナ科野菜の栽培体系に組み込みやすいことも導入のしやすさにつながります。

ただし、現時点では市場の認知度がまだ高くない品目であり、販路の確保と消費者への料理提案を伴う出荷努力が必要な段階でもあります。生産に入る前に、販売先の反応を事前に確認しておくことが大切です。

まとめ

煮込み向きケールは、イタリア在来系のカーボロネロ(黒キャベツ)を代表格として、加熱調理によって旨味と食感が引き立つ品種群です。耐寒性が強く、冬期の収穫に向いており、スープ・炒め煮・煮込み料理の素材として外食・業務用での需要が生まれつつあります。

品種選びでは、用途の方向性(業務用スープ素材か直売所向けか)、株間・播種時期の確認、そして実際の試作による風味確認が重要です。カーボロネロ・カーボログランリーフ(いずれも株式会社増田採種場)、クックケール(有限会社石井育種場)、ジューシーグリーン(株式会社増田採種場)、ジュリアーノ(小林種苗株式会社)など、品種ごとの特性の違いを把握したうえで選定することが、安定した生産・販売につながります。

ミノリスで煮込み向きケールの品種を探す場合は、このタグが付いた品種一覧をご覧ください。

4品種 表示中
カーボログランリーフ

カーボログランリーフ

株式会社増田採種場

カーボロネロより葉型が幅広で 葉縁が丸くならない。スープや煮込み料理に最適! 【特性】 ◎表面の凸凹が強く黒葉の濃緑色、立性で耐寒性が強い ◎生育旺盛で1株で40枚以上の葉をつける ◎収穫しながら葉が大きくなるタイプなので、用途に合わせて大きさを調整する ◎葉が幅広なので、下に敷き料理の盛り付けに使用することもできる ◎株間30~35cm、畝間60~80cmでやや高 畝で栽培する。一般地7月中旬~8月中旬播種、11月上旬~3月中旬まで、その都度かきとりながら収穫していく。厳寒期になると、葉の凸凹が強く出る ■栽培上の注意 ・台風等の水害におり黒腐れが出やすい為、排水、管理に気を付ける

ジュリアーノ

ジュリアーノ

小林種苗株式会社

サラダだけではもったいない!炊いて煮込んで炒めて食べて!! 特性 ・ブロッコリーよりも手軽に使えて、キャベツよりも彩りが良く レタスよりも栄養価が高い!葉を刻めばパセリの代わりもOK。 ・小さくカールしたちりめん状の細長い葉が特徴。 ・見た目より柔らかく、苦みや青臭さはほとんどない。 サラダ・スムージー・青汁から煮込みや天ぷらなど万能に使える。 ・強健で害虫も少なく大変育てやすい。。 栽培のポイント ①施肥 ・有機質を多用して土づくりを心掛け品質の良い葉を長期にわたって収穫する。 ・元肥は反にNPKが成分量でそれぞれ20kg程度。 定植後は半月ごとにN3kg程度の追肥を3~4回行う。 ②定植 ・130~140cm幅の畝に株間36~40cmで2条植え。 ・適湿を保ちスムーズに生育させること。 ③収穫 株を十分に大きくして勢いをつけてから収穫する。

カーボロネロ

カーボロネロ

株式会社増田採種場

スープや煮込み料理に最適!表面の緑が濃く、イタリア在来系 【特性】 ◎細かく刻んで炒めたり、煮込みでおいしくいただけるケールです。ケールらしい苦みがクセになる ◎イタリア在来系で、表面の凸凹が強く黒葉の濃緑色、立性で耐寒性が強い。 ◎株間30~35cm、畝間60~80cmでやや畝高で栽培する ◎一般地7月中旬~8月中旬播種、11月中旬~3月中旬まで、その都度かきとりながら収穫していく ◎厳寒期になると葉の凸凹は強く出る ■栽培方法 株間:30~35cm、畝幅:60~80cm 水やり:土の表面が乾いたら、葉がしおれないうちに水を与えて下さい 施肥:元肥:低度化成200g/㎡。追肥:5~10g/㎡ 収穫:12月~3月。収穫に適したサイズ(30~40㎝)になった葉を折り取ってください。一度に2~3枚の収穫に留めることをお勧めします。※生育期間中の気象条件(長雨、台風、急な高低温など)で収穫時期が前後する場合があります。 黒腐れ病や、べと病が発生する場合があるため発生初期に、適宜薬剤散布し、防除する。その際、非結球アブラナ科葉菜類の農薬を散布することをお勧めします

カーボロネロ

カーボロネロ

株式会社アタリヤ農園

甘味、旨味が濃厚で、イタリア風の炒め物や煮込み料理に最適です。その姿から「黒キャベツ」とも呼ばれます。 ■特性・栽培データ 【まきどき】 北海道:春 4月中旬~6月下旬、秋 栽培不向き 寒冷地:春 4月上旬~6月下旬、秋 栽培不向き 平地:春 2月上旬~2月下旬、秋 7月中旬~8月中旬 暖地:春 3月上旬~2月下旬、秋 7月中旬~8月中旬 【収穫時期】 約90日~100日 【栽培難度】 中級者向け 【発芽適温】 15℃~25℃

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