果実・収量特性

多収性のアスパラガス品種一覧 全8種類

多収性アスパラガスとは 多収性アスパラガスとは、同じ栽培条件下で他の品種よりも高い収量が得られるアスパラガスの品種群を指します。多収の要因は大きく分けて「萌芽本数が多い」「1本あたりの茎が太い」「収穫期間が長い」の3つに分類でき、品種によっ

関連タグ: 全雄系8 6

多収性について

多収性アスパラガスとは、同じ栽培条件下で他の品種よりも高い収量が得られるアスパラガスの品種群を指します。多収の要因は大きく分けて「萌芽本数が多い」「1本あたりの茎が太い」「収穫期間が長い」の3つに分類でき、品種によってどの要因が強いかが異なります。

具体的な収量は栽培条件や地域によって大きく変動するため一概には言えませんが、多収性品種は適切な管理のもとで慣行品種よりも高い収量が期待できる品種群です。土壌条件・気候・栽培年数・管理水準によって実際の収量は大きく変わるため、品種のカタログ値だけでなく、自分の圃場での試作データを重視することが大切です。

アスパラガスの収量は、「萌芽本数 x 1本あたりの重量 x 上物率」で決まります。多収性品種の多くは、これらの構成要素のうち1つまたは複数が優れている品種です。ウェルカムやハイパーウェルカムのように萌芽数が多く安定した収量を示す品種や、PA058のように太茎で上物率が高い品種など、多収の中身は品種によって異なります。

まず押さえておきたいのが、多収性は品種のポテンシャルであり、栽培管理によって引き出される特性であるという点です。多収性品種を植えただけで自動的に高収量になるわけではなく、品種の能力を引き出す土づくり・施肥管理・水管理・病害虫防除の総合力が求められます。

多収性アスパラガスの魅力

多収性品種を導入する最大の魅力は、単位面積あたりの収益の向上です。アスパラガスは多年生作物であり、一度定植すると10年以上同じ圃場を使います。多収性品種を選ぶことで、長期にわたって高い収益性を維持できるのは経営上の大きなメリットです。

収量が多いことで、出荷の安定性も高まります。市場出荷やJA共販では、一定量をコンスタントに出荷できることが取引先からの信頼につながります。多収性品種は萌芽が安定しているため、日々の出荷量のばらつきが少なく、計画的な出荷がしやすいという利点があります。

労働生産性の面でも、多収性品種はメリットがあります。アスパラガスの収穫は手作業が基本であり、収穫・選別・出荷の工程は品種にかかわらず一定の労力がかかります。同じ労力をかけるならば、収量が多い品種のほうが労働あたりの収益が高くなります。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。多収性品種は能力が高い分、養分の消費も大きくなります。「多く穫れる品種だから肥料も多く必要」という単純な話ではありませんが、多収を実現するためには株に十分なスタミナを維持させる施肥設計が欠かせません。土壌分析に基づいた適正な施肥量の把握と、過不足のない養分供給がポイントです。

消費者・市場ニーズ

多収性という品種特性は、消費者が直接意識する要素ではありません。消費者はアスパラガスの太さ・鮮度・穂先の締まり・食味を基準に購買判断を行います。多収性品種の価値は、これらの品質要素を安定して供給できる生産基盤を支える点にあります。

市場での評価においては、多収性品種がもたらす「規格品の安定出荷」が重要です。量販店のバイヤーは、一定期間にわたって安定した数量と品質を供給できる産地を評価します。多収性品種の導入は、産地の供給力の底上げにつながり、取引の安定化に寄与します。

業務用需要においても、安定供給は大きな武器です。ホテルやレストランチェーン、給食業者は、メニュー計画に基づいた定量・定質の仕入れを求めます。多収性品種による安定した出荷体制は、これらの実需者との継続取引を支える基盤となります。

価格面では、多収性品種だからといって特別なプレミアムが付くわけではありません。むしろ、高収量による1本あたりの生産コストの低減が経営面でのメリットです。低コスト生産と安定出荷を両立し、市場価格の変動に強い経営体質を構築するのが多収性品種の活かし方です。

栽培のポイント

多収性アスパラガスの栽培では、品種のポテンシャルを引き出すための管理が重要です。

土づくりが基本です。アスパラガスは深根性の作物であり、根が地下50cm以上にまで伸びます。多収性品種の萌芽力を最大限に発揮させるためには、深くまで耕された排水の良い土壌が不可欠です。定植前に深耕(40〜50cm)を行い、堆肥を十分に施用して土壌の物理性を改善します。

施肥管理は、多収に見合った養分供給がポイントです。春の萌芽前の追肥、収穫打ち切り後の立茎期の追肥、秋の基肥と、年間を通じて計画的な施肥を行います。多収性品種は養分要求量が大きいため、土壌分析を定期的に実施し、不足する養分を的確に補給します。

灌水管理も収量に大きく影響します。アスパラガスは水分ストレスに敏感な作物であり、特に萌芽期と収穫期の水分不足は茎の細りや萌芽数の減少を招きます。点滴灌水や畝間灌水で適切な土壌水分を維持することが、多収性品種の能力を引き出す鍵です。

収穫打ち切りのタイミングは、多収性品種で特に重要です。萌芽力が旺盛な品種は「まだ穫れる」と感じて収穫を延長しがちですが、過度な収穫は株の消耗を招き、翌年の減収につながります。茎径が細くなってきた段階で収穫を打ち切り、速やかに立茎に移行する判断が長期的な多収の維持に不可欠です。

病害虫対策では、茎枯病の防除が最重要です。多収性品種は立茎本数が多い傾向にあり、通風が悪くなりやすいため、茎枯病の発生リスクが高まります。立茎本数の適正管理と、予防的な薬剤防除を組み合わせた対策が必要です。

品種選びのコツ

多収性アスパラガス品種を選ぶ際には、「何によって多収なのか」を理解しておくことが大切です。

  • 萌芽数型: 萌芽本数が多いことで多収を実現するタイプ。収穫の手間は増えるが、コンスタントに出荷できるメリットがある
  • 太茎型: 1本あたりが太く重いことで多収を実現するタイプ。上物率が高く、選別の効率が良い。太宝早生などがこのタイプに近い
  • バランス型: 萌芽数と茎の太さの両方が優れるタイプ。ウェルカムやハイパーウェルカムはバランスの取れた多収品種として評価されている

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、市場出荷中心の大規模経営ではバランス型の品種が使いやすく、直売所中心の経営ではやや太茎型の品種が商品価値を高めやすい傾向があります。

意外と知られていないのですが、多収性品種の中には全雄系(すべて雄株)の品種も含まれています。恋むらさきは多収性と全雄系の特性を併せ持つ品種です。全雄系は生育のそろいが良く、株間の収量ばらつきが小さいため、圃場全体の平均収量を底上げする効果が期待できます。

試作時のチェックポイントとしては、以下を確認します。

  • 定植3年目以降の安定収量(初年度の収量だけで判断しない)
  • 収穫後期の茎の細り方(スタミナの持続性を見る)
  • 上物率(L・M規格の割合)
  • 茎枯病の発生状況
  • 穂先の締まり具合

市場動向とこれから

多収性アスパラガス品種への関心は、国内のアスパラガス栽培面積の回復傾向とともに高まっています。アスパラガスは高収益品目として各地で新規導入が進んでおり、初期投資の回収を早めるうえで多収性品種の選択は経営判断の重要な要素です。

育種の面では、多収性と耐病性(特に茎枯病耐性)を兼ね備えた品種の開発が注力されています。多収と耐病性のトレードオフを克服する育種は難易度が高いですが、近年は両方の特性を一定レベルで備えた品種が登場してきており、選択肢は広がっています。

今後の展望としては、環境制御技術の進歩と多収性品種の組み合わせにより、収量のさらなる向上が期待されています。点滴灌水・養液栽培・環境モニタリングなどの精密管理技術は、多収性品種のポテンシャルを引き出すうえで有効なツールであり、施設栽培を中心にこれらの技術と多収性品種の組み合わせが進んでいくと考えられます。

まとめ

多収性アスパラガスは、高い萌芽力や太茎性によって単位面積あたりの収量が優れるアスパラガスの品種群です。収益性の向上と出荷の安定化が主なメリットであり、市場出荷から直売所販売まで幅広い経営形態で活用できます。品種選びでは、多収の要因(萌芽数型・太茎型・バランス型)を理解し、販売先と経営計画に合った品種を選定することが重要です。多収性品種の能力を引き出すには、土づくり・施肥管理・灌水管理・収穫打ち切りの判断が鍵となり、品種のポテンシャルと栽培技術の両輪で高収量経営を実現します。

8品種 表示中
ズイユウ

ズイユウ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

アスパラガス「ズイユウ」は萌芽が早く、若茎重がやや大きく、アントシアニンの発現が少ない、 多収なグリーンアスパラガス一代雑種である。全雄形質を有し、種子が極めて少ないので実生の雑草化 は認められない。 ■主要特性 1. '北海100'に比べて萌芽が早く、1本重がやや大きく、多収である。 2. 全雄形質を有するが、年によって結実株が30%程度認められる。しかしながら、種子数が極めて少ないので実生の雑草化は認められない。 3. 若茎の色は'北海100'と同程度であるが、先端部のしまり、揃いが優れる。 4. 若茎のりん片葉のアントシアニンの発現は'北海100'よりやや少ない。 5. 草丈は'北海100'、'UC157'と同程度かやや大きい。 6. 青果(グリーンアスパラガス)用に適する。 ■育成の経過 本品種は'瑞洋'から選抜したクローン系統'瑞洋-2'を種子親とし、北海道大学育成の 超雄系クローン系統'ZM-19'を花粉親とする一代雑種である。「月交3号」の系統名を付して 1993年から6か年間にわたる系統適応性検定試験の結果、全雄形質を有し、萌芽が早く、多収 で品質が優れており、実用系統として有望であると評価されたため命名登録を行った。 ■栽培適地 北海道、東北及び本州の高冷地地帯でのグリーンアスパラガス露地普通栽培地帯に適する。

ハイデル

ハイデル

カネコ種苗株式会社

良質、多収、耐病性 三拍子揃った極早生種 特性 ●萌芽が極めて早く、早期より収穫できる極早生種です。 ●頭部のしまりが密で、若茎は濃緑で太く、そろいが良いです。

ウェルカム

ウェルカム

株式会社サカタのタネ

早生、多収、そろい抜群の交配品種 ■特性 1.早生、多収の交配品種。草勢強く生育のそろいよく、つくりやすい。 2.若茎は頭部の締まりよく形がまとまり、緑色が濃く鮮やか。収穫物はM~2L中心でそろいよく、上物率が高い。 3.連作障害に比較的強く、秋まで茎葉の持ちがよく次年度の萌芽率も高い。 ■適応性 冷涼地の露地栽培のほか、一般地・暖地の雨よけハウス栽培や早期出荷を狙う伏せ込み栽培で特に能力を発揮します。 ■播種と育苗 (一般地ハウス栽培)2年目からの収穫を目指すには、2~3月にセルトレーを使い2~3粒ずつ播種します。培養土は「スーパーミックスA」などを使うとよいです。発芽適温は25~30℃で、発芽までに15~20日必要です。発芽のそろったところで必ず1本に間引きします。発芽後は地温20~25℃⇒15~20℃と生育に合わせて管理しポットへ移植します。灌水はポットの地表面が乾いたら、底まで水が染みる程度に行います。育苗中は肥料が切れないよう生育を見て追肥します。 ■定植準備 (一般地ハウス栽培)圃場は重粘土やれき質土を避けます。また水田では排水をよくして根圏の確保に努めます。定植後は改植まで土壌改良できないので、定植前に完熟堆肥の投入とpH調整、深耕など土づくりを行います。 施肥量は10aあたり成分量で窒素15kg、リン酸20kg、カリ15kgを目安とします。栽植本数は畝幅120~180cm、株間30~45cmの1条植えとし、抑草のためマルチを設置しておきます。 ■定植および定植後の管理 (一般地ハウス栽培)苗が根鉢を巻いてから定植します。定植は霜の心配がない時期に行い、苗の表面が5cm程度隠れるように覆土します。 ■1年目(定植年)の管理 株養成の良否が収量に大きく影響します。定植後、1カ月程度は株元中心に灌水し、活着を促進させます。その後はマルチ内に敷設した灌水チューブで灌水を行いますが、夏期(高温多日照時)には通路灌水も併用し、地下茎の拡大と新根の発生を促します。茎葉は晩秋黄変したら地際部で刈りとって圃場から持ち出し、残渣を残さないようにします。 ■2年目以降の管理(春芽収穫)(ハウス・露地) 春、萌芽前に堆肥を投入します。元肥の他、土づくり資材として「バイテクバイオエース®」を投入します。 追肥は3~9月に1カ月毎(7回)に分けて行います。春芽の収穫は1日に収穫できる本数が急に減った、太い若茎が減り細いものが増えた、若茎の曲がりや穂先の開きが増えたなど、株がバテはじめた症状が出てきたら打ち切ります。収穫打ち切り後、間隔を10~15cmあけて畝1mあたり10~15本立茎します。整枝は草丈60cm以下の擬葉を摘除し、主茎は150cmを目安に摘芯します。茎が柔らかいうちに摘除すると病気にかかりやすいため、擬葉が完全に展開しきった晴天時に行います。一度に整枝すると株が弱っている場合、ショックで生育が止まる場合があるので注意が必要です。 ■病害虫防除 連作圃場では立枯病や株腐病に注意が必要で、発生の恐れがある圃場は避けるか土壌消毒を行います。定植後は茎枯病、斑点病の予防が大切で、擬葉が展開してきたら定期的に防除します。

ウェルカムAT

ウェルカムAT

株式会社サカタのタネ

2年目から太くよくそろう全オス系アスパラガス ■特性 ・L、2Lサイズの割合が高く多収の全オス系品種。 ・定植後2年目から高い上物率が期待できる。 ・アントシアンの発生が少ない。 ・草勢は比較的強いが、側枝発生が少なく茎葉が密集しにくいため管理しやすい。 ・雌株が入らないため種子着果が極めて少なく、実生苗が雑草化する心配がほとんどない。 ■適応性 高冷地・冷涼地の露地春どり栽培に最も適する。冬場にハウス内で行う伏せ込み栽培でも能力を発揮する。 ■播種と育苗 播種量は定植予定本数の10~20%程度多めにします。200穴セルトレーを用いる場合は茎葉が株あたり2本以上になった時点で9cm以上のポリ・ポットに鉢上げします。128穴トレーを用いる場合ハウス内へはそのまま定植が可能ですが、露地栽培の場合は上記同様ポリ・ポットに鉢上げするのが望ましいです。発芽までは25℃を目標に加温し、発芽後は無加温ハウスで管理します。発芽前は培土が常に湿っている状態を保ち、発芽後の灌水はトレー、ポットなどの表面が乾いたら底から水が染み出すまでしっかり行います。育苗期間が比較的長いため適宜液肥を施用してください。 ■定植準備 過去にアスパラガスを栽培したことがなく、茎葉の生育期間中、一日を通じて十分な日照量が確保できる圃場を選びます。根が強く、深く入る品種なので耕土が深く肥沃で排水性の高い圃場を選ぶことが大切です。十分な根域を確保するため、作土層が60cm以上となるよう深く耕耘します。特に水田転換畑では必ず明きょ・暗きょの設置、耕盤破砕、高畝などの排水対策を行います。事前に表土ならびに40~50cm程度の下層土の土壌分析を行い施肥量を決定します。しっかり心土破砕、深耘を行った上で堆肥等(未熟なものは避ける)を十分施用します。10aあたり成分量で窒素15~25kg、リン酸10~20kg、カリ10~20kgを目安に施用し、しっかり混和・耕耘してください。pHは5.5~6.5程度に調整します。過剰な堆肥の施用は塩類バランスを崩すことにつながり病害や生理障害の発生を助長することもあるので控えます。水分保持・抑草のために黒もしくはグリーンのマルチフィルムの使用をおすすめします(2年目の萌芽開始時期までに除去する)。 ■1年目(定植年)の管理 栽植密度は露地春どり栽培(伏せ込み栽培の株養成も含む)では条間120~150cm、株間20~30cm(1条植)。ハウス内長期どり(立茎)栽培では条間140~180cm、株間25~30cmを基本とします。1株あたりの茎数が4~5本になるころに定植を行います。定植苗は生育旺盛で若茎が次々に萌芽しているような株を選び、草丈の短いものや節間が詰まったものは除外してください。植え付け深さ5~10cmを目安とし、定植直後のやわらかい茎葉が傷つかないよう株穴周辺のマルチを土でよく押さえておきます。植え付け後はしっかり灌水を行い、活着を促します。 ハウス内栽培においては必ず灌水設備を設置し、土壌水分が大きく変動しないよう少量多回数灌水を行います。病害の発生・拡大を抑える観点から灌水設備は茎葉に水がかかりにくい点滴灌水チューブなどがよいです。若茎頭部の過度の開き、若茎の変形、湾曲、空洞などの高温障害を回避するため、できる限り肩高、棟高が高いハウスを選び、ハウス内の通風をよく保ち、熱がこもらないような温度管理を心がけます。高温対策としては、ハウスのツマ面を解放する、ハウス・サイド開口部をできるだけ大きくするなどの対策も有効です。 茎葉が完全に黄化し枯れ上がってきた段階で地際部から刈り取り圃場外に持ち出します。病害の拡大を防ぐため畝や通路に残渣が残らないようにきれいに除去してください。 ■2年目以降の管理(春芽収穫)(ハウス・露地) 定植翌年から収穫が可能ですが、地下部をしっかり養成するため収穫期間は2週間を目安とします。同様の理由により3年目は4週間、4年目は6週間程度で収穫を打ち切るようにします。5年目以降は2カ月以上まで収穫期間を延ばしても構いませんが、前年の株養成中の生育が十分でない場合は早めに打ち切ってください。 追肥は10aあたり成分量(年間合計)窒素15~20kg、リン酸15kg、カリ15kgを目安に萌芽前と春芽収穫終了後に分けて畝上に施用します。露地栽培では通路も深く耕耘しておき、追肥後は培土を行い肥料とよく混和します。培土は倒伏対策としても効果的です。 必ず支柱誘引を行います。高さ1.5m以上の十分に強度のある鉄パイプなどを用い、畝の両側に1.5~3m間隔で設置します。誘引はフラワーネット、ハウスバンドなどを用い、1段目は50~80cm、2段目は1~1.2mの高さに設置します。茎葉がハウスの内側に触れるようであれば適宜摘芯してください。 1年目と同様、茎葉が完全に黄化し枯れ上がってきた段階で地際部から刈り取り圃場外に持ち出します。 ■長期どり栽培における夏芽収穫(ハウス内立茎栽培) 春芽の収穫は定植2年目で40日程度、3年目以降で50~60日を目安に打ち切ります。立茎は春芽収穫打ち切り前に、12mm程度の若茎が確保でき、収量がピーク時の50%以下となり若茎の品質が低下(頭部が開く、曲がりが増えるなど)する時期に始めます。立茎する茎はLサイズ(茎径12~15mm程度)で生育良好、頭部の締まりがよく、割れや曲がり、帯化などがないものを選びます。立茎方法には短期間に必要な本数を確保し早めに夏芽収穫を開始する「一斉立茎」と1週間に1本の目安で順次立茎し立茎開始から終了まで1カ月程度かける「順次立茎(追加立茎)」がありますが、後者のほうが時間をかけてよい茎を選べるので有利です。夏芽収穫の後半に茎葉の繁茂が不十分な場合には追加立茎を試みます。立茎する茎はそれぞれ10cm程度離れるよう均等に配置し、畝の外側には立茎しないようにします。立茎本数は1株あたり3~4本、畝1mあたり10~12本を目安としますが、適正立茎本数(密度)は栽培環境、栽植様式や株年生などにより異なるため、立茎栽培の詳細な管理方法については各都道府県の農業試験場や最寄りの農業改良普及センター、農業協同組合などで実施している栽培試験結果を参考にするとよいです。 夏芽収穫期の追肥は一般地基準で10aあたり成分量で窒素2~3kg、カリ2~3kgを8~9月の期間、7~10日間隔で施用します。 特に高温期には土壌水分の不足や大きな増減が収量の低下や若茎の品質低下につながるので、少量多回数灌水を行い畝内部の水分状態を良好に保つようにします。 水田転換畑の場合は、水分過多となる場合もあるので過灌水に注意しましょう。 ■伏せ込み栽培(高冷地・冷涼地) 2月中旬~3月上旬に播種し、6月中旬までに露地圃場に定植し十分な株養成期間を確保することが重要です。1年養成の場合は露地春どり栽培の元肥施用量と同等、1年半株養成の場合は2年目の萌芽開始前に10a当たり成分量で窒素、リン酸、カリをそれぞれ10kg追肥します。 降雪前に、できるだけ貯蔵根を切断することなく根株を堀り取り、堀り取った根株は乾燥させないようブルーシートなどで包み、直射日光の当たらない野外に3週間程度放置し十分低温に遭遇させます。 ハウス内に設置した温床(伏せ込み床)(電熱線など加温装置を内部に設置)に根株を伏せ込み(覆土5cm以上)、十分に灌水を行います。数日間なじませた後、加温を開始するのが望ましいです。地温は15~20℃で管理し、若茎の凍害防止のため夜間はトンネル被覆等を行い最低気温は5℃以上を確保してください。加温後2~3週間で萌芽を開始し、1年半株養成した場合2カ月前後の収穫が可能となります。

恋むらさき

恋むらさき

株式会社サカタのタネ

紫色が濃く多収となるアスパラガス ■特性 ●濃い紫を発色し、従来の紫系より若茎本数が多くとれ、収量性が非常によいアスパラガス。 ●若茎はよくそろい、定植後2年目から高い上物率が期待できる。 ●全オス系品種で種子着果が極めて少なく、実生苗が雑草化する心配がほとんどない。 ■適応性 適応性が広く、露地春どり栽培はもちろん、露地・ハウス内の長期どり(立茎)栽培や高冷地・冷涼地で冬場にハウス内で行う伏せ込み栽培などの幅広い作型で能力を発揮します。

ハイパーウェルカム

ハイパーウェルカム

株式会社サカタのタネ

収量性、上物率に優れ高品質な交配品種 ■特性 1. 「ウェルカム」に比べ、早生・多収の交配品種。 2. 草勢が強く、雄株率は 60 ~ 70%と高いため、生育のそろいがよく作りやすい。 3. 若茎は頭部の締まりがよく、形がまとまり、緑色が濃く鮮やか。茎は太くそろうため、上物率が高い。高温期でも穂が開きにくい。 4. 根から入るフザリウム菌やさび病に強い。秋まで茎葉の持ちがよく、次年度の萌芽率も高い。 5. 露地栽培はもちろん、特にハウス内の早期出荷で能力を発揮する。 ■適応性 露地栽培だけでなく、早期出荷を狙う促成、半促成、トンネル栽培、ハウス内の立茎栽培で特に能力を発揮します。などの幅広い作型で能力を発揮します。 ■播種・育苗管理 播種量は、定植する予定本数の 10~ 20% 多めにします。200 穴セルトレーを用いる場合は、茎葉が株当たり 2 本以上になった時点で 9cm 以上のポリポットに鉢上げします。128 穴セルトレーを用いる場合、ハウス栽培では、セル苗をそのまま定植できます。 露地栽培では、上記と同様のポリポットに鉢上げし、育苗後に定植するのが望ましいです。 発芽までは 25℃を目標に加温し、土が常に湿っている状態を保ちます。発芽後は、無加温ハウスで管理し、灌水はトレーやポットなどの表面が乾いたら、底から水がしみ出すまでしっかり行います。アスパラガスは、育苗期間が約 2 カ月と比較的長いため、液肥などを活用し、肥料を切らさないようにしてください。 ■1 年目(定植年)の管理 圃場は、アスパラガスを栽培したことがなく、茎葉の生育期間中、一日を通じて十分な日射量が確保できる場所を選びます。根が強い品種なので耕土が深く、肥沃 (ひよく) で排水性の高い圃場を選ぶことが大切です。十分な根域を確保するため、作土層が60cm以上となるようにします。 特に水田転換畑では、必ず明きょ・暗きょの設置、耕盤破砕、高畝などの排水対策を行います。しっかり心土破砕、深耘を行った上で、堆肥(未熟なものは避ける)を十分に施用してください。10a 当たり成分量で窒素15 ~ 25kg、リン酸10~20kg、カリ10~ 20kg 施用し、しっかり混和・耕耘 ( こううん ) します。phは 5.5 ~ 6.5程度に調整します。過剰な堆肥の施用は、病害や生理障害の発生を助長する場合もあるので控えます。 また、露地栽培では、水分保持・抑草のために黒もしくはグリーンのマルチフィルムを使用し、2 年目の萌芽開始時期までに除去するのが望ましいです。 ■2 年目以降の管理 収穫管理から施肥:定植の翌年から収穫が可能ですが、地下部をしっかり養成するため収穫期間は 2 週間を目安とします。同様の理由により、3 年目は4 週間、4年目は 6週間程度で収穫を打ち切るようにしてください。5年目以降、収穫期間を2カ月以上延ばすことも可能ですが、前年の株養成中の生育が十分でない場合は、早めに打ち切ります。 追肥は、10a当たり年間合計の成分量で、窒素15 ~ 20kg、リン酸15kg 程度、カリ15kg 程度を萌芽前と春芽の収穫終了後に分けて畝上に施用します。 誘引から年内の管理:支柱は、高さ1.5m以上の十分に強度がある鋼管などを用い、畝の両側に1.5 ~ 3m間隔で設置します。誘引はフラワーネット、ハ ウスバンドなどを用います。1 段目は 50 ~ 80cm、2 段目は 1 ~ 1.2m の高さに設置します。茎葉がハウスの内側に触れるようであれば、適宜、摘芯してください。1 年目と同様、茎葉が完全に黄化し、枯れ上がってきた段階で地際部から刈り取り、圃場外に持ち出します。 ■収穫栽培方法別の管理のポイント ※立茎…萌芽してきた茎を収穫せずにそのまま伸ばすこと 春芽の収穫から立茎:定植 2 年目で 40 日程度、3 年目以降で 50 ~ 60 日を目安に打ち切ります。立茎は、春芽収穫を打ち切る前に、10mm 程度の若茎が確保でき、収量がピーク時の50%以下で、頭部が開く・曲がりが増えるなど、若茎の品質が低下する時期に始めます。 立茎する茎は、L サイズ ( 茎径 10 ~ 14mm) で生育良好、頭部の締まりがよく、割れ・曲がり・帯化などがないものを選びます。立茎方法には 2 つの方法があります。1 つは、短期間に必要な本数を確保し、早めに夏芽収穫を開始する「一斉立茎」です。もう一つは、1週間に 1 本の目安で順次立茎し、立茎開始から終了まで1カ月程度かける「順次立茎(追加立茎)」があります。後者の方が、時間をかけてよい茎を選べるので有利です。 夏芽収穫期の追肥:10a当たり成分量で窒素2 ~ 3kg、カリ2 ~ 3kgを7~10日間隔で施用してください。特に高温期は、土壌の水分不足や大きな増減が、若茎の品質や収量の低下につながります。少量多回数の灌水を行い、畝内部の水分状態を良好に保つようにしましょう。 夏芽収穫後の立茎:夏芽収穫の後半、茎葉の繁茂が不十分な場合は、追加立茎を試みます。立茎する茎はそれぞれ10cm 程度離れるよう均等に配置し、畝の外側には立茎しないようにします。立茎本数は、1株当たり3 ~ 4 本、畝1m 当たり10 ~ 12本程度を目安とします。 ■高冷地・冷涼地における伏せ込み栽培 2月中旬から3月上旬に播種し、6月中旬までに露地に定植します。その際、十分な株養成期間を確保することが重要です。1年養成の場合は、露地春どり栽培の基肥施用量と同等にします。1年半株養成の場合は、2年目の萌芽開始前に、10a当たり窒素、リン酸、カリをそれぞれ成分量で10kg 追肥してください。 降雪前に、できるだけ貯蔵根を切断することなく根株を堀り取ります。堀り取った根株は、乾燥させないようブルーシートなどで包み、直射日光の当たらない野外に3週間程度放置し、十分な低温に遭遇させます。 ハウス内に電熱線など加温装置を内部に設置した温床(伏せ込み床)に、覆土5cm 以上で根株を伏せ込み、十分に灌水を行います。数日間なじませた後、加温を開始するのが望ましいです。地温は、15 ~ 20℃で管理し、最低気温は5℃以上を確保してください。若茎の凍害防止のため、夜間はトンネル被覆などを行います。加温後2~3週間で萌芽が開始し、1年半株養成した場合は、2カ月前後の収穫が可能です。

シャワー

シャワー

タキイ種苗株式会社

早生で多収! 形状と品質も良好! ■特長 ・生育が旺盛で株当たりの出芽数が多く、初期収量の多い早生の交配種。 ・頭部のバラケが遅く、しまりがよいので、高温期の栽培にも好適。 ・濃緑で滑らかな円筒状の若茎は、アントシアンの着色が少ない。 ・冷涼・中間・暖地に幅広く適応する。 ■栽培の要点 ・圃場は長期間使用するため、耕土が深く、排水がよい所を選ぶ。 ・高温下で乾燥の激しい夏季は、茎葉が過繁茂すると病害の原因となるので、茎葉を間引き、除草と薬剤散布を適宜行う。

メリーワシントン

メリーワシントン

タキイ種苗株式会社

グリーンでもホワイトでも! L級が次々とれる多収種! ■特長 ・栽培容易な早生種で、茎は太く、よくそろい、形状・先づまりともにすぐれる。 ・萌芽数は多く、収量性に富む。 ・グリーン収穫の場合、特に色や香りがよい。 ・ホワイト収穫にも適し、栽培の適応性は広い。 ■栽培の要点 ・圃場は保水・排水性のよい肥沃地を選ぶ。 ・10m2(3坪)当たりの栽植株数は、15株程度が適当。 ・盛夏季は収穫を中止し、株養成に努める。 ・収穫は、中間・暖地では2年目から行い、以後7〜8年間にわたり収穫が可能。冷涼地では3年目からで、以後10〜15年間、収穫ができる。

アスパラガスの関連タグ