熟期・収穫時期

晩生のネギ品種一覧 全7種類

晩生ネギ 晩生ネギとは 晩生ネギとは、定植から収穫までの生育期間が長く、収穫時期が遅い品種群を指す熟期区分です。ネギの熟期は「早生」「中生」「晩生」に大別され、晩生品種は定植から収穫までおおむね7〜9か月程度を要します。早生品種が4〜5か月

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晩生について

晩生ネギ

晩生ネギとは

晩生ネギとは、定植から収穫までの生育期間が長く、収穫時期が遅い品種群を指す熟期区分です。ネギの熟期は「早生」「中生」「晩生」に大別され、晩生品種は定植から収穫までおおむね7〜9か月程度を要します。早生品種が4〜5か月程度、中生品種が5〜7か月程度であるのと比較すると、かなり長い栽培期間を持つ品種群です。

晩生品種の生育期間が長い主な理由は、白根部(軟白部)の伸長と充実に時間をかけるためです。ネギの品質は白根の長さ・太さ・しまりで大きく評価されますが、晩生品種はゆっくりと白根を充実させることで、太くてしまりの良い高品質な白根を形成します。

ネギは冷涼な気候を好む作物であり、生育適温は15〜20度です。晩生品種は、春に定植して冬にかけて収穫する秋冬どり作型や、秋に定植して翌年の春〜初夏に収穫する春どり作型で使用されることが多いです。

まず押さえておきたいのが、ネギの熟期区分は品種の遺伝的特性だけでなく、作型(栽培体系)との組み合わせで決まる面が大きいという点です。同じ品種でも作型を変えることで収穫時期が異なるケースがあり、品種カタログの推奨作型を確認した上で選定することが重要です。

この特性の魅力

晩生ネギの最大の魅力は、白根の充実度と冬場の食味の良さです。長い栽培期間をかけてじっくり育った白根は、太くてしまりが良く、加熱すると甘みが際立つ食味特性を持っています。特に冬季の低温にさらされたネギは、デンプンが糖に分解されて甘みが増し、「冬ネギ」として消費者から高い評価を得ています。

経営面では、ネギの市場価格が上昇する秋〜冬に出荷のピークを迎えられることがメリットです。ネギの市場価格は夏場に低下し、秋〜冬にかけて上昇する傾向があります。晩生品種による秋冬どりは、この高単価時期に合わせた出荷戦略に適しています。

リレー出荷体制において、晩生品種は収穫カレンダーの後半を担います。早生→中生→晩生と品種を組み合わせることで、年間を通じた安定出荷が実現します。特に、周年出荷を行う産地では、晩生品種がなければ冬〜春の出荷計画が成り立たないほど重要な品種群です。

これ、実は贈答用やブランドネギの生産においても重要なポイントです。長期間かけて育てた太くて甘いネギは、贈答品やブランドネギとしての付加価値を持たせやすく、高単価での販売が見込めます。

一方で、栽培期間が長い分、圃場の占有期間が延びるというデメリットがあります。年間の作付け回転率が低くなるため、面積あたりの年間収益を最大化するには、他の品目との作付け計画を慎重に検討する必要があります。また、長い栽培期間中に病害虫の被害を受けるリスクが蓄積する点も課題です。

適した品種の特徴

晩生ネギの品種は、いくつかの共通した特性を備えています。

白根の充実度が高いことが、晩生品種の最も顕著な特徴です。太くてしまりの良い白根が得られ、加熱時の甘みと食感に優れる品種が多いです。白根の長さは品種によって異なりますが、30〜40cm程度の長い白根が得られる品種が主流です。

草勢の持続性は、長い栽培期間を乗り切るための重要な特性です。栽培後半に草勢が衰えると、白根の充実が不十分になり、品質が低下します。特に冬場の厳しい気象条件下でも生育を維持できる品種が求められます。

耐寒性は、晩生品種にとって不可欠な特性です。秋冬どりや春どりの作型では、冬季の厳寒期を圃場で越える必要があるため、低温や霜、雪による損傷に耐えられる品種を選定します。耐寒性が不十分な品種では、葉先枯れや白根の凍害が発生し、商品価値が著しく低下します。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。晩生品種は、分けつ(1本の株から複数の茎が分かれる現象)が少ない品種を選ぶことが重要です。分けつが多い品種は、白根が細くなり、一本ネギとしての商品価値が低下します。特に長期栽培では分けつが増えやすいため、分けつ性の低い品種を選定することが秀品率の向上につながります。

耐病性については、べと病・さび病・軟腐病・黒斑病への耐性が重要な選定基準です。栽培期間が長い分、これらの病害に感染するリスクが高まるため、複合耐病性を持つ品種の選定が栽培安定性を大きく向上させます。

栽培のポイント

晩生ネギの栽培では、長い栽培期間を通じた計画的な管理が品質を左右します。

育苗は、晩生品種では特に苗の充実度が栽培全体の品質に影響します。播種時期は作型によって異なりますが、秋冬どり作型の場合は前年の秋〜春にかけて播種・育苗を行います。健全な苗を育てるため、適切な温度管理と病害防除を行い、定植時に十分な太さ(鉛筆程度の太さ)の苗を確保します。

土寄せは、ネギ栽培における最も重要な管理作業の一つであり、白根の長さと品質を決定づけます。晩生品種では、定植後から収穫までの間に3〜5回の土寄せを計画的に実施します。1回あたりの土寄せ量は3〜5cm程度とし、一度に厚く土寄せしすぎないよう注意します。

施肥管理は、長い栽培期間に対応した設計が求められます。元肥に加えて、土寄せの時期に合わせた追肥を行うことで、肥効を持続させます。窒素過多は軟腐病の発生リスクを高めるため、適正な施肥量を守ることが重要です。

意外と知られていないのですが、晩生品種は土寄せの最終回のタイミングが白根の品質を大きく左右します。最終土寄せは収穫の1〜1.5か月前を目安に行い、この期間で白根がしっかり充実するよう管理します。最終土寄せが遅すぎると白根のしまりが不十分になり、早すぎると白根の長さが足りなくなります。

病害対策では、べと病とさび病の予防的防除が特に重要です。長い栽培期間中にこれらの病害が蔓延すると、葉の枯れ上がりによる光合成能力の低下が白根の充実に影響します。定期的な見回りと予防散布を基本とした防除体系を構築します。

品種選びのコツ

晩生ネギの品種選びでは、以下のポイントを確認することが重要です。

白根の品質(太さ・長さ・しまり・甘み)は、最も基本的な評価項目です。同じ晩生品種でも白根の品質特性は品種間で差があるため、出荷規格と市場の要求品質に合った品種を選定します。

耐寒性のレベルは、栽培地の冬季気象条件との適合性で判断します。寒冷地と暖地では必要な耐寒性のレベルが異なるため、自地域の気象データに基づいた品種選びが重要です。

分けつ性の低さは、秀品率に直結する重要な特性です。品種カタログに分けつ性の記載がない場合は、試作によって確認することが望ましいです。

作型への適合性は、品種ごとに明確に異なります。秋冬どり向きの品種と春どり向きの品種は特性が異なるため、自分の作型に合った品種を選定します。複数の作型に対応できる品種もありますが、特定の作型に特化した品種のほうが品質が安定する傾向にあります。

試作の際は、収穫時の白根の品質に加えて、土寄せ後の白根の伸長速度や、冬季の耐寒性(葉先枯れの程度)を観察し、品種の総合的な実力を評価します。

市場動向とこれから

晩生ネギは、秋冬期のネギ供給の主力を担う品種群として、安定した市場需要があります。鍋料理や年末年始の需要増加に伴い、秋〜冬のネギ市場は活況を呈しており、品質の高い冬ネギは安定した引き合いが見込めます。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、埼玉県・千葉県・群馬県・茨城県などの関東の主要産地では、晩生品種を使った秋冬どりが生産の柱となっています。これらの産地では、品種の選定と栽培技術の両面で冬ネギの品質向上に取り組んでいます。

近年は、ブランドネギや高品質ネギの需要が高まっており、晩生品種の長期栽培で得られる太くて甘いネギの市場価値は上昇傾向にあります。直売所やECサイトでのブランドネギの販売も活発化しており、品質に優れた晩生品種は差別化商品としての可能性を持っています。

今後の展望としては、耐病性の複合強化(べと病・さび病・軟腐病・黒斑病の複合耐性)と省力栽培への適応が育種上の重要課題です。また、気候変動に伴う暖冬傾向は、冬季の生育バランスに影響を与える可能性があり、温暖化に適応した晩生品種の開発も求められています。

まとめ

晩生ネギは、定植から収穫まで7〜9か月程度の長い栽培期間を持ち、白根の充実度と冬場の食味の良さが特徴的な品種群です。秋〜冬の高単価時期に出荷でき、太くて甘い冬ネギの生産を支える存在です。

品種選びにあたっては、白根の品質・耐寒性・分けつ性・耐病性・作型適合性を総合的に評価し、栽培地の気象条件と出荷計画に合った品種を選定することが重要です。栽培面では、計画的な土寄せ管理と肥効の持続確保、病害の予防的防除が高品質な冬ネギ生産の鍵となります。

7品種 表示中
元晴晩生(もとはるばんせい)

元晴晩生(もとはるばんせい)

株式会社武蔵野種苗園

晩ネギの決定版、白根長く、葉短く、品質最高 特性 ●「元蔵」「吉蔵」の育成者鈴木元吉氏が、品質の良い晩ネギを目標に育成、農林水産省品種登録となった品種。 ●他の晩ネギ(吉川晩生、汐止晩生等)に比べ、葉身が短く、草姿は立性で草丈低く、機械化栽培に適す。 ●葉身、葉鞘共にやや太く、軟白部は他の晩ネギより白く、変色が少ないので市場性が高い。 ●分げつは3〜4本位で、他の晩ネギに比べ早期より軟白部が近円となり太い。 ●耐病性が強く、非常に作り易い。 栽培のポイント ●葉鞘部が2cm以上の太さになると分げつを始めるので、極端な早蒔きは避け適期播種を心がける。 ●積雪地帯の春どり栽培では、雪解け時株が消失してしまうことがあるので、排水対策を十分に行う。

東京晩生

東京晩生

渡辺農事株式会社

耐寒・耐病・良質の分けつ晩生葱 ■特性 ・抽苔が遅く、5月上旬まで坊主が出ない。 ・生育旺盛で数本に分けつし、軟白部は30〜40cmにも伸長する。 ・寒さに強く、春先から分けつし、多収性。 ・耐病性、特にウイルス病に最も強く安定収穫ができる。

緑の剣

緑の剣

トキタ種苗株式会社

【販売終了。森の奏でをご利用ください。】在圃性抜群の晩生品種 11月以降出荷や囲いネギに好適 手間をかけずに栽培したい人におすすめ ■特性 在圃性抜群で耐暑、耐寒性に優れる。伸びすぎることなく、台風による倒伏害や棒ネギになる心配が無い。 首絞まり良好で葉数が多く、短葉で耐倒伏性があり、葉折れも極少ない生理的に強健なネギである。 ■栽培上の注意 やや早めに播種、定植を行い、手をかけずに栽培し、在圃性を活かした長期出荷体系を組む。 ■播き時期 高冷地:2~4月播き、9~12月どり 一般地:11~3月播き、12~3月どり 暖地:4~5月播き、翌1~3月どり ■播種方法 発芽には、20℃前後の温度が必要。 低温期は、トンネルやハウスで育苗する。 ■植え付け ●セルトレイやペーパーポット、育苗箱などに播種する場合 トレイなどの場合は、土を詰め、くぼみをつけて播き穴とし、1穴に3粒程度まきます。篩などでまんべんなく覆土したら水をたっぷり与え、発芽まで新聞紙などで覆っておきます。適宜間引きをし2本立てにします。草丈15cm程度まで育てたます。培土は、「ガッチリくんネギ用」など専用培土が育苗期間を通じて肥料を供給しがっちりした苗に育てることができ、管理が容易です。 ■土壌条件 軟白部をより長く育てるには、通気性、水はけ、保水性がよく、土寄せしたときに土崩れしにくい土壌であることが望まれる。 土壌酸度pH5.7~7.4が適正範囲。連作障害は出にくいとされていますが、できれば1~2年、あけた方が生育がよいようです。 植え付けの準備:畑の東西に幅10~15cm程度、深さ30cm程度の溝を掘り、溝の底に完熟堆肥5リットルと元肥の化成肥料量を混和した後、間土を10cm程度盛り、20cm程度の深さにの植え溝とします。溝の北側の壁に5cmほど間隔をあけて苗をまっすぐ立て掛け、根の部分に土を3~4cmの厚さに土をかけて倒れないようにします。 藁や刈り草を根元に厚く敷き、根が乾燥するのを防ぎます。生育に合わせて、植え溝に1~2回に分けて土を戻し平らにしたら、土を株元に盛っていく土寄せを3~4回行います。土寄せは葉の分かれている部分よりやや下のあたりまでが目安で、生育が遅滞する真夏には無理に行わないようにします。土寄せと同時に追肥を行い、化成肥料の場合は、茎に直接触れないようにします。最後の土寄せ(止め土)は分かれ目よりやや上まで盛り上げて、首元を締めるようにします。 ■肥料 苦土石灰は、1平方メートルあたり150g位を全層混合。生育途中の肥切れや逆に過剰になっても、生育を妨げ、病害発生の助長、青果品質の低下につながるので、最終的な本圃のチッソ成分は平方メートルあたり、20~25g程度が目標。元肥に全チッソ量の1/3~1/2、残りを土寄せに合わせ数回に分けて追肥します。 ■収穫 最後の土寄せから夏どりで20~30日、秋どり30~40日、冬どり40日以上経過したら畝の両側を削って軟白部を傷つけないように根元まで掘り起こして収穫します。 ■料理 焼葱、薬味など一般的などんな調理にも好適。

陽春の宴(TSX-662)

陽春の宴(TSX-662)

トキタ種苗株式会社

春ねぎ、初夏ねぎのどちらの作型にも好適の晩抽系品種 ■特性 黒柄系晩抽系F1一本ネギ。 4月収穫の春ねぎ作、トンネルを用いた5月6月収穫の初夏ねぎ作のどちらにも好適。 特に6月の初夏ねぎに見られる首部の緩みが無く、市場性の高いネギが出荷可能。 葉は濃緑色で首部も丸く硬く仕上がる。 春ねぎ作での坊主の出現は非常に遅く、高単価の端境期を狙った作付けが可能。 揃い良好で分けつも無いため高単価に取り引きされる規格に歩留まり良く仕上がる。 ■栽培上の注意 中生〜晩生の生育を示します。春ねぎ作では極晩抽性を活かした最後の収穫がお勧め。 9月頃の定植で年明けの気温で伸ばし太らせる。従来より遅い定植は、台風を幼苗状態でやり過ごすことができる。 ■播き時期 春ねぎ作6ー7月まき、4-5月どり 初夏ねぎ作10-11月まき、5-6月どり(トンネル使用) 高冷地12-2月まき、7-8月どり

汐止晩生葱

汐止晩生葱

トキタ種苗株式会社

分けつ葱。葉質軟らかく、味が良く、晩抽性で作りやすい。 ■特性 1本の苗が10-15本に分かれる分けつ葱。葉質は軟らかく、味が良く、晩抽性で作りやすい品種です。 ■栽培上の注意 抽だいは遅く、関東地方では5月下旬まで収穫できる。 ■播き時期 種まきは3月から5月、定植6-8月の春まき、9月-10月に種まき翌年の4-5月に定植の秋まきが適期です。秋まきは早まきしすぎて大株で冬越しすると春先に抽たいの危険性があります。 ■播種方法 育苗時には株を太らせるため2,3回刈り込みし、鉛筆程度の太さの苗をつくるようにします。 ■植え付け 畝幅80cm程度に幅15cm、深さ20cmの植え溝の片側に仕上がりの株間10cm程度になるように並べ、根が隠れる程度に畝間の土をかけます。土の上にはわらなどでマルチし乾くのを防ぎます。7-8月に土寄せを行い、あわせて追肥を行います。その後1ヶ月ごとに2回程度土寄せを行います。 ■土壌条件 粘土質の畑で過度の土寄せは曲がりや生育不良の原因になります。真夏に土寄せするとネギへの負担が大きいので秋口から2-3回の土寄せでも大丈夫です。1回の土寄せは7-10cm程度とします。 ■肥料 元肥として完熟堆肥3kg/平方メートル植え付けの2週間前くらいには混ぜて土となじませておきます。低度化成肥料も100g/平方メートル程度を与えよく混和します。追肥は30g/平方メートル程度土寄せ時に与えます。(30cmの植え溝幅でしたら、1平方メートルの量で3m位の長さの植え溝に施肥できます) ■収穫 小さいうちに葉ねぎとして収穫しても良いですが、草丈90-100cm、太さ2.5-3cmになります。定植時に1本だった葱が束になって収穫できます。春先に葱坊主を切り、分割した株を植え直せば再度収穫できます。 ■料理 炒め物、鍋料理、焼き物等でおいしく食べられます。葉質が軟らかいのでぬたや焼き鳥などがおすすめです。

清輝(きよてる)

清輝(きよてる)

渡辺農事株式会社

濃緑で在圃性に優れる春~初夏どりに適する極晩抽性一本太ネギ ■特性 ・極晩抽性の春~初夏どりのF1合黒系一本太ネギ ・葉は濃緑で葉先枯れの発生が少なく、べと病・さび病の病害に強い。 ・草姿は立性で葉は丈夫で折れにくく、作業性が良い。 ・首部の締まりが良く、葉鞘部の光沢が強い。 ・伸び上がりはゆっくりしており、収穫遅れによる棒ネギの発生が少ない。 ■栽培のポイント ・極晩抽性品種だが、極端な早まきは、地力や環境条件の影響を受け、抽苔する危険があるため播種適期を守る。 ・トンネル換気は気温上昇とともに徐々に行い、最初の中耕・土寄せ前後には殺菌剤の散布を行う。

根深一本太ねぎ 白扇(はくせん)

根深一本太ねぎ 白扇(はくせん)

株式会社トーホク

べと病やさび病などの病害によく耐え、太りよく収量のあがる早生品種。草姿立性で葉折れしにくく、作業性にも優れて作りやすい。肉質ち密でみずみずしく食味は極めて良い。

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