病害耐性

軟腐病耐性のネギ品種一覧 全19種類

軟腐病耐性ネギ 軟腐病とは 軟腐病は、細菌(Pectobacterium carotovorum subsp. carotovorum、旧名 Erwinia carotovora)によって引き起こされるネギの重要病害です。糸状菌(カビ)では

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軟腐病耐性について

軟腐病耐性ネギ

軟腐病とは

軟腐病は、細菌(Pectobacterium carotovorum subsp. carotovorum、旧名 Erwinia carotovora)によって引き起こされるネギの重要病害です。糸状菌(カビ)ではなく細菌が病原体であるため、発病のメカニズムや防除のアプローチが他の病害とは大きく異なります。

主な症状としては、葉鞘の基部(株元付近)が水浸状に変色し、やがて組織が軟化・崩壊して悪臭を放つのが特徴的です。軟腐病菌はペクチン分解酵素を分泌し、植物の細胞壁を構成するペクチンを溶かすことで組織を崩壊させます。この腐敗の速さが軟腐病の怖さであり、発症からわずか数日で株全体が腐り果てることがあります。

感染経路としては、主に傷口からの侵入です。土寄せ作業時の機械的な傷、害虫による食害痕、風雨による擦り傷などが侵入口となります。特に根深ネギでは、土寄せの際に葉鞘に傷がつきやすく、その傷口から軟腐病菌が侵入するケースが多く報告されています。

軟腐病は高温多湿条件で発生しやすく、気温25〜35℃、土壌が過湿な状態が続くと急激に増加します。梅雨の後半から盛夏にかけてが発生のピークであり、特に土寄せ直後の高温多湿期は最もリスクが高い時期です。

軟腐病耐性の区分

ネギにおける軟腐病耐性は、品種によって程度が異なります。しかし、軟腐病耐性の評価は他の病害と比較しても難しい分野です。これは、軟腐病の発生が気象条件・土壌条件・栽培管理に大きく左右されるため、品種の耐性を安定的に評価しにくいことが一因です。

品種選びで見落としがちなのが、軟腐病耐性は「かからない」のではなく「かかりにくい」レベルの差であるという点です。種苗メーカーのカタログでは「軟腐病に比較的強い」「軟腐病の発生が少ない」といった表現が使われることが多く、完全な耐病性を保証するものではありません。

軟腐病菌は土壌中に広く常在する細菌であり、ネギだけでなくハクサイ・ダイコン・ニンジン・レタスなど多くの野菜に感染します。このため、ネギ以外の作物との連作でも菌密度が維持される可能性があり、輪作だけでは菌密度を十分に下げられない場合もあります。

耐性のメカニズムとしては、葉鞘の組織構造の違い(硬さ・緻密さ)や、傷の治癒速度の差が品種間の耐性差に関わっているとされています。組織が硬く緻密な品種は、軟腐病菌の侵入や拡散が抑制される傾向があります。

歴史と豆知識

軟腐病は世界各地の野菜生産で問題となっている普遍的な細菌病です。ネギにおける軟腐病の被害は、日本では根深ネギの栽培が盛んな関東地方を中心に、古くから知られてきました。

特に、夏秋期に土寄せを行う秋冬どり根深ネギの栽培体系では、高温期の土寄せ作業と軟腐病の発生リスクが重なるため、産地にとって最大の課題の一つとされてきました。千葉県や埼玉県の主要ネギ産地では、軟腐病による出荷量の減少が経営に直結する問題として、対策技術の開発が精力的に進められてきた経緯があります。

耐病性品種の育成は、化学的防除だけでは対応しきれない軟腐病の特性を踏まえた取り組みとして注目されてきました。軟腐病菌は細菌であるため、一般的な殺菌剤(糸状菌用)では効果が限定的であり、銅剤や抗生物質系の薬剤に頼らざるを得ない面があります。

意外と知られていないのですが、軟腐病菌は嫌気的な条件(酸素が少ない状態)で活動が活発になります。土寄せによって株元が埋まり、通気性が悪くなった状態は、まさに軟腐病菌にとって好条件です。このことからも、排水管理と通気性の確保がいかに重要かがわかります。

軟腐病耐性の限界と注意点

軟腐病耐性品種を導入しても、それだけで完全に軟腐病を防げるわけではありません。以下の点に注意が必要です。

環境条件への依存度の大きさが最も重要な注意点です。軟腐病の発生は気象条件(高温多湿)と土壌条件(排水不良・過湿)に強く支配されるため、耐病性品種であっても極端な悪条件下では発病することがあります。梅雨明けの集中豪雨後や、台風の通過後など、圃場が一時的に冠水するような状況では特にリスクが高まります。

傷口管理の重要性も見逃せません。軟腐病菌は傷口から侵入するため、土寄せ作業時に株を傷つけないよう丁寧な作業を心がけることが基本です。耐病性品種であっても、傷口が多ければ感染リスクは上昇します。

他の病害虫との複合被害にも注意が必要です。ネギアザミウマやネギハモグリバエによる食害痕は軟腐病菌の侵入口になります。害虫防除を徹底することが、間接的な軟腐病対策にもなります。

連作による菌密度の上昇も考慮すべきポイントです。軟腐病菌は土壌中に広く常在しますが、連作することで菌密度が高まり、発病リスクが増加する場合があります。

防除のポイント

軟腐病の防除は、耐病性品種の利用を基盤としつつ、耕種的防除を重点的に行うことが効果的です。

排水管理は軟腐病防除の最も重要な柱です。圃場の排水性を高め、土壌が過湿にならないようにすることが発病抑制の基本です。暗渠排水の整備、明渠の設置、高畝栽培の採用が有効とされています。特に梅雨期から盛夏にかけての排水管理は徹底して行う必要があります。

土寄せの方法と時期の工夫も重要です。高温期の土寄せは軟腐病の発生リスクを高めるため、可能であれば気温が下がる時期にずらすことが望ましいです。やむを得ず高温期に土寄せを行う場合は、株を傷つけないよう作業の精度を高め、土寄せ後の灌水は控えめにすることが効果的です。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。土寄せの際は、乾いた土を使うことがポイントです。湿った土を株元に寄せると、菌の活動が活発になり発病リスクが高まります。また、一度に大量の土を寄せるのではなく、少量ずつ数回に分けて行うことで、株元の通気性を維持しやすくなります。

化学的防除としては、銅剤や抗生物質系の殺菌剤をネギへの登録を確認の上で使用します。予防的な散布が基本であり、土寄せ直前や直後のタイミングでの散布が効果的とされています。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

ネギ産地では、軟腐病対策に関して試行錯誤を重ねた実践知が蓄積されています。

関東の根深ネギ産地では、軟腐病耐性品種への切り替えと圃場の排水改善を同時に実施したところ、軟腐病による廃棄率が大幅に低下したという報告があります。品種の耐病性と圃場環境の改善が相乗効果を発揮した好例です。

夏場の土寄せ作業を見直し、土寄せのタイミングを早朝の涼しい時間帯にずらしたことで、軟腐病の発生が減少した産地もあります。高温時の作業は株へのストレスが大きく、傷口の治癒も遅れるため、作業時間帯の工夫は現実的な対策の一つです。

栽培現場では、「軟腐病が出たらもう手遅れ」と言われることがあります。発病後の治療は極めて難しく、予防に重点を置いた管理体系が基本です。耐病性品種の導入は、この予防体系の重要な柱として位置づけられています。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、軟腐病対策は品種・排水・土寄せ管理の3つを柱とする総合的なアプローチが最も効果的とされています。

まとめ

軟腐病は、細菌によって引き起こされるネギの重要病害であり、高温多湿条件で傷口から感染して組織を急速に腐敗させます。発病後の治療が極めて困難なため、予防を重視した管理体系が基本となります。

耐病性品種の導入は有効な対策の一つですが、品種だけで防げるものではなく、排水管理・土寄せ方法の工夫・害虫防除との組み合わせが不可欠です。品種選びにあたっては、軟腐病耐性の情報に加えて、自地域の気象条件や圃場の排水性を総合的に考慮し、栽培体系全体として軟腐病リスクを低減する設計を行うことが安定生産の鍵となります。

19品種 表示中
ぬくもり

ぬくもり

カネコ種苗株式会社

軟らかくてうまい! 特性 ●肉厚で繊維質が少ないので、軟らかく食味に優れます。●軟白部の伸びと太りは「下仁田」ネギより優れ、ボリュームがあって多収です。一般的な加賀系品種に比べ襟のしまりは強く、しわの発生も少ないので「むきネギ」としても出荷出来ます。●萎縮病、黒斑病などの茎葉病害には比較的強く、栽培が容易です。●休眠性は浅く、寒い時期でも葉の枯れ込みが少ないので出荷期間を長くとれます。●食味を特に重視する曲がりネギ産地でも好評を得ています。 栽培要点 ●軟質系のネギですので、軟腐病等の土壌病害には注意が必要です。排水対策、薬剤の予防散布を行います。●差別化するためには、浅植え・疎植にして太りを出します。この場合土寄せ回数も少ないので、省力化が可能です。●抽苔はやや早い品種ですので、秋の早まきは避けます。また、春まき2~3月どりでは収穫遅れにならないようにします。

ホワイトツリー

ホワイトツリー

タキイ種苗株式会社

夏どりに向く! 作りやすい一本ネギ! ■特長 ・耐暑性にすぐれた黒柄系一本ネギで、高温期の栽培でも伸びすぎない。 ・首のしまりがよく、軟白部は繊維が細く光沢がある。肉質は緻密で、秋冬ネギと同等の食味をもつ。 ・草姿は立性で草丈は90cm前後。風による倒伏の心配は少ない。 ■栽培の要点 ・病原菌が入らないよう、首下部まで土を寄せすぎないこと。 ・むやみな多肥は軟腐病を助長する。 ・晩抽品種ではないので、秋まきでは摘蕾を要する。

冬扇シオン

冬扇シオン

株式会社サカタのタネ

風に強く、夏越ししやすい冬どり用一本ネギ ■特性 1. 低温時の肥大、伸長性に優れる中生品種。 2. 草姿は立性で締まりがよく、そろい・秀品性が高い。 3. 高温期の欠株が少なく、夏越ししやすい。 4. 生育中期までの太りは比較的ゆっくり進み、10月以降気温が低下してからの肥大性および伸長性がよい。 5. 強風による倒伏の被害が少なく、曲がりが少ない。 6. やや晩抽性があり、3月末まで抽苔なく収穫が可能 ■適応性 関東以西の一般地で、4~5月まき、12~翌年3月どりに適します。中生品種で、低温時に肥大性が発揮されます。そのため、12月以降に適度な太さとなり、1月には十分な太さに達し、3月まで収穫が可能です。晩抽性は「春扇」より1週間程度早く、関東では4月10~15日ごろです。冬の寒波で枯れ込みが強くなった場合でも、3月以降の葉の展開を待ち、出荷ができます。ただし、4月以降に収穫する春どり栽培は「春扇」「初夏扇」が適します。 ■圃場準備・土づくり 土質を選ばず栽培できますが、極端に湿害が出やすい圃場は避けます。通気性、排水性のよい土づくりを心がけ、夏越ししやすくするために、元肥は控えめにしてください。 ■播種・育苗管理 トレー育苗では、40~50本/mとなるように播種を行います。発芽をそろえ適度に換気して、がっちりとした苗を育てます。 ■定植・栽培管理 定植は丁寧に行い、必要に応じて定植後の灌水を行います。本品種に限らず、7~8月の高温期は、土壌病害が多く発生します。そのため、高温期の追肥・土寄せは控え、防除に努めます。9月までは太りがやや遅く細葉のため、台風など風の被害を受けにくく、耐倒伏性を発揮します。 夏越し後の追肥は、9月10日を過ぎてから夜温の低下を見て行います。9月の追肥は、慣行品種より20~30%増しで、肥大を促します。肥大が遅れると首の締まりが緩くなったり、葉枚数が不足したりする要因になります。9月以降はしっかり肥料を効かせるのがポイントです。 土寄せは葉鞘部の太り具合を見ながら小まめに行ってください。葉枚数がやや少ない品種のため、止め土を強くすると襟が伸び上がり、3枚目の外葉の切れが発生することがあります。秋以降の土寄せは強くせず、本葉4~5枚が出ている状態で土寄せしていくと、太りと葉枚数を確保しやすいです。 ■病害虫防除 高温期の白絹病、軟腐病に注意し、適宜防除を行うことが大切です。秋以降は、さび病に注意が必要です。 ■収穫 止め土をして、軟白に必要な日数を置いて試し掘りを行うなど、適期の収穫を心がけます。

初夏扇2号

初夏扇2号

株式会社サカタのタネ

極晩抽性で草姿コンパクト。耐暑性に優れる一本ネギ ■特性 1.極晩抽性で「春扇」および「初夏扇」よりも抽苔が遅く、一般地では5月上旬までの出荷が可能※ 2.「春扇」および「初夏扇」より肥大がゆっくりな中生品種で、伸びすぎや太りすぎる心配が少ない。在圃性に優れる。 3.襟部の締まり・葉鞘部の締まりに優れ、晩春や初夏の温度上昇期でも耐暑性があり、品質が低下しにくい。 4.葉がコンパクトで風に強く、管理しやすい。皮むきがしやすいため、出荷効率がよい。 5.「春扇」や「初夏扇」と比較してさび病、葉枯病などの葉の病害にやや強い。 ※晩抽性については、気象や栽培条件によって差が生じることがあります。 ■適応性 温暖地の春どりおよび初夏どりに適応し、中生品種として作型後半の収穫に適します。収穫時期が3~5月上旬までの春どり作型の中では、最も晩抽性が必要とされる4月下旬~5月上旬どりに適します。春どり全般では、太りがよく、収量性の高い「春扇」、太りと在圃性のバランスに優れる「初夏扇」を主力で使用することをおすすめします。 一方、トンネルなど被覆資材を使用する初夏どり(10月まき6月どり)でも適応性がありますが、太りはゆっくりのため、収穫時期は6月下旬ごろになります。収量性は「初夏扇」にやや劣りますが、耐暑性が優れるため、6月下旬~7月上旬収穫で締まりよく重量感のあるネギが期待できます。一方で、9月まきなど無理な早まきでは、抽だいしやすいので、早まきしないよう注意が必要です。 ■栽培:春どり 栽植密度は株間2~2.5cmが基準です。春どりでは定植が高温期に当たるので、排水性のよい圃場を選定し額縁排水などの排水対策を行います。定植後、活着するまでは灌水を行います。肥培管理は慣行の春どり栽培に準じますが、元肥はやや抑えて小まめな追肥で仕上げると生育が安定します。土寄せは太りを確認しながら行います。抽だいは生育期間中の肥切れや管理の遅れ、冬の温度や水分状況の影響を受けます。3月以降にネギの内部葉数および花芽位置を確認し、おおよその抽苔時期を予測しておくと安心です。 ■栽培:初夏どり 栽植密度は株間2.5~3cmが基準です。9月下旬などの無理な早まき、被覆資材の保温力が不十分な場合や換気が強すぎる場合は、抽だいが起こりやすくなるので注意します。初夏どりでは栽培期間が短いため、元肥をやや多めに施肥します。4月以降の適温期に生育を促進させますが、「春扇」のように太りは早くないので、太りを優先させながら土寄せを行います。収穫では適期収穫を心がけます。 ■病害虫防除 葉の病害ではさび病、べと病に注意が必要です。収穫期にあたる春~初夏に特に発生しやすいので、発病前から予防的に防除を心がけます。土壌病害では白絹病と軟腐病に注意します。これらの病害は特に6月以降の高温期に発生が顕著となるので、春どりでは定植後~9月までの防除、初夏どりでは5~6月の土寄せ時の防除を確実に行うことが大切です。

夏場所

夏場所

カネコ種苗株式会社

夏秋どり用F₁品種、秀品率、作業性アップ! 特性 ●8~11月どりに適する“極黒柄”の夏秋どり用一本ネギで、太りが良く、さらにそろい、上物率が高い品種です。 ●襟のしまりが良く、短葉、立性なので、倒伏や葉折れが少ない品種です。 ●L率が高く、調整が楽なので、作業性に優れます。 ●白根は光沢のある透き通った白さなので、葉色とのコントラストに優れ、荷姿がきれいです。 ●さび病や軟腐病に比較的強い品種です。 ●最も適する作型は、1月下旬~2月上旬まきの夏秋どりです。 栽培要点 ●施肥量は、今までの一般的な品種より、多めに施肥します。 ●定植本数は、メートルあたり35~40本が最適ですが、さらに早く太らせるには30~35本程度とします。 ●堆肥や緑肥作物を投入し、土作りを励行してください。

夏扇タフナー

夏扇タフナー

株式会社サカタのタネ

夏越ししやすく、耐倒伏性、耐寒性に優れる秋冬どり用一本ネギ ■特性 1.夏越ししやすい、中生の秋冬どり用一本ネギ。 2.根量がやや多く、根が強いために高温期の欠株が少ない。 3.生育中期までの太りは比較的ゆっくり進み、伸び過ぎや太り過ぎる心配が少ない。10月以降気温が低下してからの肥大性および伸長性がよい。「夏扇3号」程度の肥大性がある。 4.草勢は中程度で、やや多肥条件でも暴れにくい。立性、小葉で風に強く、管理しやすい。強風でも倒伏しにくく、曲がりの発生が少ない。 5.霜による葉折れが少なく、厳寒期も比較的枯れ込みにくい。 6.皮むきがしやすいため、出荷効率がよい。 7.3月以降は抽苔の恐れがあるので、2月どりまでとする。 ■適応性 秋冬どりの作型で使用でき、特に12~1月どりで能力を発揮します。稚苗育苗の場合、2月播種11月下旬~12月どり、3月播種12~2月どりが特に適します。温暖地では、4月播種12~2月どりも可能です。3月以降は抽だいの恐れがあるので、2月どりまでとしてください。 肥大性が不足するため、夏どり(8~10月どり)にはおすすめできません。夏どりには早生品種の「夏扇4号」、「夏扇パワー」をご使用ください。 ■播種 秋冬どりの作型の中で、比較的早い時期の播種がおすすめです。株間は2~2.5cmが基準です。排水性のよい圃場を選定し、額縁排水などの排水対策を行います。 ■定植および定植後の管理 定植後、活着するまでは灌水を行います。肥培管理は慣行の秋冬どり栽培に準じますが、9月以降の追肥はタイミングが遅れないように行うことが大切です。特性上、9月初旬では肥大が十分でない場合もありますが、追肥はしっかり行い、土寄せ量は少なくして肥大を促すようにしてください。9月の追肥により10月以降は生育が進みやすく、12月まで肥大が続きます。10月以降は収穫目標に合わせた追肥と土寄せを進めてください。追肥における施肥量は、慣行と同等か2割程度多くするとよいでしょう。 ■病害虫防除 土壌病害では白絹病と軟腐病に注意します。これらの病害は特に6月以降の高温期に発生が顕著となるので、定植後~9月までの防除を確実に行うことが大切です。葉の病害ではさび病、べと病に注意が必要です。秋以降に発生しやすいので、発病前から予防的防除を心がけます。 ■収穫 耐寒性と在圃性は比較的ありますが、品質を確保するために適期収穫を心がけてください。3月以降は抽苔の恐れがあるため、2月までに収穫を終えるようにします。暖冬の場合は特に抽だいが早くなりやすいので、収穫が遅れないように注意してください。

夏扇パワー

夏扇パワー

株式会社サカタのタネ

早生多収、太りが自慢の黒柄系一本ネギ ■特性 1. 夏秋および秋冬どりに適する適応作型の広い黒柄系一本ネギです。 2. 太りが非常によく、従来の黒柄系よりは低温伸長性のある多収品種です。「夏扇4号」よりも太りに優れますが、首部の締まりは従来の夏扇系品種よりも緩めになります。 3. 厳寒期でも葉が枯れ込みにくく、在圃性にも優れます。 4. 草勢は従来の夏扇系品種よりも強めとなりますが、立性で葉折れが少なく、機械作業の適応性が高いです。 5. 太さは商品価値の高いL~2Lでそろうため、秀品率が高く、収穫調整作業が容易になります。 6. 根の張りがよく耐暑性、耐寒性があり、べと病、さび病、黒斑病には比較的強いです。 7. 苗のそろいや定植後の生育がよいため、露地育苗のほか、チェーンポットやセル育苗での栽培でとくに能力を発揮します。 ■適応性 本品種は夏どり~厳寒期どりまでと作型適応性が広いですが、温暖地では特に年明けどりで能力を発揮します。年明けどりでは、収穫遅れによる葉の枯れ、首割れなどの発生が少なく在圃性に優れるため、安定した出荷が可能です。また、高冷涼地では、早生性を生かした7~8月からの収穫が可能です。 ■肥培管理 定植1カ月前に苦土石灰や堆肥を施し、深く耕うんしておきます。施肥量は10a当たり窒素20~30kg、リン酸20~25kg、カリ20~25kgを標準とします。元肥:追肥は2:8あるいは3:7の割合で施します。追肥は土寄せごとに5~6回に分けて施し、収穫時まで肥切れをしないように注意します。 ■育苗・育苗管理 264穴チェーンポットでは、10a当たり70~80枚必要で、1穴当たり2粒まきおよび2.5粒まき(2粒3粒交互まき)を標準としますが、早出しを狙う場合は2粒まきにします。苗床育苗を行うときは、必ず土壌病害に汚染されていない圃場を選定し、リン酸をやや多めに施し、硬く締まった苗を作るように心がけます。 ■定植および定植後の管理 秋冬どりでは、高温期に湿害などの影響を受けやすいため、とくに排水性のよい圃場を選びます。栽植密度は、畝幅90~100cm、溝の深さ15~20cm、株間2.0~2.5cmで定植します。定植後、乾燥すると生育が遅延し、病害の影響を受けやすくなりますので、乾燥時には散水などを行いスムーズな活着を促します。 ■土寄せ 土寄せは一度にたくさん行わず、追肥と兼ねて4~5回に分けて行います。高温期は生育停滞期なので、なるべく土を動かさないようにし、生育不良にならない程度の肥効にとどめます。軟白に要する日数は、7~9月どりで15~20日、10月どりで30日、11月どりは40日、12月どり以降は50日以上が必要です。最終土寄せは出荷目標日に合わせて行います。 ■病害虫防除 生育初期の病害虫による被害は致命的となるため、早期防除を徹底します。また、高温期は白絹病、萎凋病、軟腐病が発生しやすいため、排水対策に努めると同時に、病害発生前に、それぞれに応じた薬剤を用いて株元散布すると効果的に防除ができます。 ■収穫 とくに太りのよい品種のため、太り過ぎないように適期収穫を心がけます。

源翠

源翠

カネコ種苗株式会社

収量性、秀品率に優れ、秋冬どりに最適なF₁品種 特性 ●冷涼地9~11月収穫、中間地・暖地10~2月収穫に適する合黒系F₁品種です。 ●葉は鮮やかな濃緑色で、軟白部とのコントラストが映えます。 ●草勢が強く、軟白部の肥大性に優れ、秀品率が高いです。また、葉鞘部の充実が良いので一本重があり、収量性に優れます。 ●襟部は特に良くしまり、多肥栽培しても、襟の割れやぼけが少ないです。 ●軟腐病等の土壌病害や湿害に強く、栽培しやすい品種です。 栽培要点 ●耐病性の強い品種ですが、病害発生回避のため、高温期は多肥条件にならないように注意します。秋にかけて、気温が下がってきた頃から追肥で生育を促すようにします。

群翠

群翠

カネコ種苗株式会社

耐病性に優れ、幅広い作型に適応する黒柄系F₁ネギ 特性 ●8~11月収穫に適した黒柄系F₁ネギです。比較的低温伸長性にも優れているので、広範囲の作型に適応します。 ●やや長葉になりますが草姿は立性で作業性が良く、葉折れや倒伏も少ない品種です。 ●夏期の生育が早く、葉鞘部の伸びも良いので、軟白部分が作りやすいです。 ●多肥や連作で発生が多くなる軟腐病、白絹病に強く、また葉枯れ病等の茎葉病害にも強い品種です。 ●肥大性と伸長性に優れますが、襟しまりが良いので在圃性が高い品種です。 ●葉色は濃く、軟白部の白さが際立ち、荷姿も良い品種です。 ●一般的な黒柄品種より抽苔が遅く、また耐暑性があり、高温期でも襟部の崩れが遅いので、8月に収穫する夏ネギとして最適です。 栽培要点 ●比較的多肥を好む品種で、生育も早いので、葉鞘部の伸長・肥大に応じて計画的に追肥、土寄せ等の管理を行います。 ●黒柄系品種であるため、発芽には一般的な合黒系品種より温度を要求する性質があります。厳寒期の12~2月播種の場合、保温資材の除去を他品種より2~3日程遅らせて、発芽をそろえます。

輝光(てるひかり)

輝光(てるひかり)

渡辺農事株式会社

■特性 ・耐暑性、耐寒性に優れ、早太りの黒柄系一本太葱。 ・止め土後の伸び上りが遅く、高温時でも首割れしにくく、エリの中に土が入り込むことが少ない。 ・草姿は立性、葉長は中位、葉はしなやかなので、葉折れが少ない。 ・早太り品種としては、軟腐病に強いほうである。 ・関東平坦地の夏秋どりや秋冬どり、冷涼地の夏秋どりに適する。 ■栽培のポイント ・晩抽性品種ではないので、秋に無理に早蒔きする事は避ける。 ・比較的軟腐病に強い品種であるが、過剰な土寄せは白絹病を誘発させるので、加減する。

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