栽培環境・条件

北海道向きのタマネギ品種一覧 全7種類

北海道向きタマネギ 北海道向きタマネギとは 北海道向きタマネギとは、北海道特有の気候条件と栽培体系に適合するよう育成されたタマネギ品種群の総称です。本州で一般的な秋まき(9月播種→翌年6〜7月収穫)とは体系が根本的に異なり、北海道では「春ま

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北海道向きについて

北海道向きタマネギ

北海道向きタマネギとは

北海道向きタマネギとは、北海道特有の気候条件と栽培体系に適合するよう育成されたタマネギ品種群の総称です。本州で一般的な秋まき(9月播種→翌年6〜7月収穫)とは体系が根本的に異なり、北海道では「春まき体系」が基本です。3月上旬に温床播種し、4月下旬〜5月上旬に定植、8〜9月に収穫するという流れが標準的です。

この栽培体系の差異は、品種に求められる特性にも直結します。北海道向き品種は、春から夏にかけての日長延長(長日)条件で球の肥大が促進されること、夏の高温多湿期を経ても品質を維持できること、そして収穫後に長期貯蔵に耐える高い休眠性を持つことが必須条件とされています。

農林水産省の作物統計によると、北海道はタマネギ生産量で国内の約65%を占める最大産地です。北見・オホーツク地域が主な生産地で、作付面積は約1万3,000haに達します(2023年産)。この圧倒的なシェアを背景に、北海道向き品種は国内タマネギ品種の多様化を牽引してきた存在でもあります。

北海道向き品種の特徴とメリット

北海道向き品種を選ぶ最大のメリットは、産地の気候・作型に最適化された設計がなされている点です。本州向け品種を北海道で栽培しても、長日条件への反応特性の違いから球の肥大が十分に起きなかったり、抽苔(とう立ち)が発生したりするリスクがあります。

経営面での利点として、北海道産タマネギは収穫後の長期貯蔵が可能で、翌年の4〜5月頃まで出荷を続けることができます。これは北海道向き品種が持つ高い休眠性と貯蔵性によるものであり、価格が低迷しやすい収穫期直後の販売を抑えて、単価が回復する冬〜春季に販売量を集中させる出荷戦略が取れます。

また、機械化との親和性が高いことも重要な点です。北海道の大規模農場では、播種・定植・収穫・調製の各工程で農業機械が広く導入されています。北海道向き品種は揃いのよさ(均一な球の形状・大きさ)が重視されており、機械収穫・機械選別に適した品種設計がなされているものが多い傾向があります。

長日条件と球肥大の関係

品種選びで特に理解しておきたいのが、タマネギの球肥大と日長(日照時間)の関係です。タマネギは「長日植物」であり、一定以上の日長(品種によって異なるが14〜16時間が一般的な目安)になると球の肥大を開始する性質を持っています。

北海道の夏至頃(6月下旬)の日長は約16時間以上に達し、本州の太平洋側と比べても日長が長くなります。北海道向き品種はこの長日条件のもとで最大限に球肥大するよう選抜されており、反応する日長の閾値や肥大の速度が本州向き品種とは異なります。

意外と知られていないのですが、同じ「長日性品種」であっても反応する日長の感度には品種差があります。高緯度地域向けに選抜された品種ほど、より長い日長条件を要求する傾向があり、南北で産地が異なる場合にこの差が収量に影響することがあります。産地を移して栽培を検討する際は、この点を必ず確認しておく必要があります。

栽培のポイント

ここからが実際の栽培で差がつくところです。北海道のタマネギ栽培では、育苗管理が品質と収量を大きく左右します。

育苗は通常、3月上旬から電熱温床あるいは温室を使用して開始します。適切な播種密度と温度管理(昼温20〜25℃、夜温13〜15℃程度)が健苗育成の基本です。育苗期間は品種や管理方法によって異なりますが、50〜60日程度が目安となります。定植適期の苗の茎径は6〜8mm程度が標準で、太すぎる苗は分球リスクが高まるため注意が必要です。

定植は4月下旬〜5月上旬、地温が10℃以上に安定した時期を目安に行います。栽植密度は10a当たり20,000〜25,000株程度が一般的ですが、品種特性や目標球重に合わせて調整します。

施肥設計については、窒素の効かせ方が重要です。肥大初期(6月中旬〜下旬)に窒素が不足すると球の大きさに影響し、逆に後期に窒素が効きすぎると貯蔵性が低下します。緩効性肥料の活用や分施体系の設計は、産地ごとの土壌条件・品種特性に合わせて組み立てることが基本です。

主要な病害としては、べと病・白色疫病・腐敗症(軟腐病・灰色腐敗病等)への対応が求められます。梅雨期前後の薬剤散布は予防的に行い、べと病については特に発生予察情報を確認しながら管理します。

品種選びのコツ

北海道向きタマネギの品種を選ぶ際に確認すべきポイントを整理します。

  • 熟期(早生・中生・晩生): 産地の気象条件と出荷時期のスケジュールに合わせて選ぶ。北見地方は晩生が中心だが、標高や地域によって適合する熟期が異なる
  • 球重と形状: 販売先の規格(L・2L等)に合わせた目標球重を品種の設計値と照合する
  • 貯蔵性: 長期貯蔵を前提とする場合は休眠期間の長い品種を選ぶ。「早生」品種は一般的に貯蔵性がやや劣る傾向がある
  • 倒伏性(首の硬さ): 機械収穫を行う場合、首の軟化のしやすさが収穫適期の判断に影響する
  • 病害耐性: べと病・白色疫病への耐性の有無を必ず確認する
  • 裂球・分球の発生しやすさ: 圃場での実績データも参考にする

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、JAや農業試験場が実施している品種比較試験のデータを参照することが、品種選びの精度を高める最も確実な方法です。特に北海道立総合研究機構(道総研)農業研究本部による品種評価試験の結果は、現地適合性を判断する上で有用です。

市場動向とこれから

北海道産タマネギの市場での存在感は引き続き大きく、国内需要を支える基幹的な産地として位置づけられています。一方で、高齢化や労働力不足を背景に、大規模農場への集約と機械化の進展が続いており、品種にも省力性(倒伏の揃い、機械収穫適性)を求める声が強まっています。

輸入タマネギ(主に中国産)との価格競争という課題もありますが、国産志向の高まりとともに北海道ブランドの評価は比較的安定しています。長期貯蔵品の供給が可能な点は、国産タマネギの強みの一つです。

品種開発の動向としては、べと病・白色疫病への複合耐病性を持つ品種や、高温年における球の品質低下を抑えた品種の育成が進んでいます。また、機械収穫に対応した倒伏の均一性(一斉倒伏性)を持つ品種への需要も高まっています。これらのニーズを背景に、種苗各社が北海道産地に向けた品種開発を継続しています。

まとめ

北海道向きタマネギは、春まき体系・長日条件での球肥大・高い貯蔵性という北海道特有の要件を満たすよう設計された品種群です。本州向け品種とは栽培体系や品種特性が根本的に異なるため、北海道での栽培には北海道向けに適性が確認された品種を選ぶことが大前提となります。

品種選びにあたっては、熟期・球重・貯蔵性・病害耐性・機械収穫適性を総合的に検討し、産地の農業試験場や営農指導機関の試験データも積極的に活用してください。正解は栽培環境・経営規模・販売先によって異なります。

7品種 表示中
トヨヒラ

トヨヒラ

株式会社日本農林社

札幌市内で”さらら”として販売されている美味しいタマネギ ■特性 ・北海道向けの長日性玉葱。 ・球形はやや扁平で、りん葉は厚く、外皮は薄い。 ・辛味の目安となるピルビン酸の生成量が少なく辛味が弱い。 ・肉質は柔らかく、食味が優れている。 ・球は柔らかいが貯蔵性の腐敗・茎盤突出・萌芽が遅く貯蔵性が優れている。 ・肥大期は7月中下旬。倒伏期は8月上旬。 熟期的には中晩生に属する。 ■栽培の注意 ・変形球および裂皮球が発生し易いので、 根切りによる枯葉の促進が必要です。

ポールスター100

ポールスター100

株式会社渡辺採種場

東北・本州高冷地・北海道の 春まきに適する大玉中生種 ■特性 ・東北・本州高冷地・北海道などの雪解けの遅い地域におすすめの春まき専用種です。 ・茎葉の生育は旺盛で、特に肥大性に優れる安定多収品種です。 ・早晩性は東北地方で「オーロラ」より10日位遅い中生品種です。北海道では8月上旬に収穫できる早生品種です。 ・春まき栽培で問題となる内分球や乾腐病・細菌性腐敗の発生が少なく作りやすくなりました。 ・年明けまでの貯蔵が可能です。 ・肉質など食味は秋まき系品種に近いため、端境期の7月~8月出荷用や、良食味商材としてもおすすめです。 ■栽培ポイント・注意点 ・春まき作型は栽培期間中に平均気温が25℃を超えない地域に適します。 ・植え付けが遅れると小玉になるため、適期での定植が大事です。 ・アザミウマ等の虫害、雑草繁茂や多肥栽培は球腐敗の原因になります。 ■特記事項 東北・本州高冷地用 春まきタマネギ

マルソー

マルソー

カネコ種苗株式会社

玉肥大に優れ、多収の春まき用早生品種! 特性 ●北海道で8月上中旬から収穫できる早生品種です。 ●草姿はやや開張性で太葉となり、生育旺盛です。 ●べと病、白斑葉枯病等の茎葉病害に強い品種です。 ●玉の肥大性に優れ、また乾腐病に耐病性を持ちます。 ●玉は丸に近い形状で、球色は濃赤褐色になります。 栽培要点 ●玉の肥大開始期である7月上中旬までに葉数を確保することが大切です。茎葉病害には強い品種ですが、防除のために予防散布を心がけます。 本州冷涼地での春まき栽培も可能です。(目安は平均気温が25℃を超えない地域) 1月下旬~2月上旬播種で、7月上中旬から収穫できますが、降雨や気温上昇など7月の天候の影響を受けやすくなるので注意します。

北のルージュ

北のルージュ

株式会社渡辺採種場

乾腐病に強い、濃深紅の赤タマネギ ■特性 ・北海道、北東北向けの春まき専用赤タマネギです。 ・表皮は濃深紅色で、内部のりん片まで良く着色します。 ・首の締まりの良い球形で、揃いに優れています。 ・乾腐病に抵抗性です。 ・年明けまで貯蔵可能です。 ■栽培ポイント・注意点 ・極端な早まきは避けてください(抽苔回避) ・多肥や遅い時期の追肥は、球が腐敗しやすくなります。 ・収穫後は速やかに乾燥させてください。 ■特記事項 北海道・北東北向き 春まきタマネギ

北海天心

北海天心

株式会社日本農林社

M・S球の少ない高品質高貯蔵甲高黄玉葱 ■特性 ・北海道向けの長日性玉葱。乾腐病に強く栽培が容易。 ・玉は甲高で平均一球重は200~300gで玉揃い良く、 10a当たり8t以上の収量のある豊産種。貯蔵性も良好で3月一杯は十分可能。 ・草姿はやや開張性、葉は濃緑で中太、抽苔や分球の心配はほとんどない。 肥大及び倒伏がやや遅い中生種。 ・栽培型は2月下旬~3月上旬蒔き-4月下旬~5月上旬定植、 9月中旬収穫が標準。 ・近年、道産玉葱品種の中でも、高規格のフラクトオリゴ糖含有量種として評価される。 適作型 ・全道のタマネギ栽培地帯における春まき露地移植栽培に適するが、 本種は中晩生~晩生種の為、網走・道北管内では、倒伏の遅れが予想される為に、 外皮の色のりの良い、貯蔵腐敗の発生の少ない地域を選定する事。 栽培の注意 ・中晩生~晩生種であるので、肥沃・熟畑地を選定し、は種期に留意する事。 ・5月中旬以前までに必ず、移植(定植)を終るように留意する。 ・窒素過多や遅効きは、収穫期の遅れや、貯蔵性及び品質を落とす原因となるので、肥料設計等十分留意する。 ・肥培管理は、他の品種に準ずるが、倒伏期前後から病害防除を徹底し(他品種より1~2回多く)怠らない事が、当種の栽培では必要である。 ・肥大期前の水管理は、大切であるが、散水時期、散水時間に注意し、軟腐病、りん片腐敗病(肌軟腐)の発生に留意する。 ・倒伏揃い後、20~25日頃をめどとして根切り等の栽培技術により、成熟を早めるよう心掛け、規格外としての皮むけ、裂皮、品質低下を最小限にする。 ■栽培の手引 ・種子は、500グラム詰(元詰)。シードテープ(業者紹介)をご予約にて準備しております。 は 種 在来種(札幌黄等)に比べて、高温型の発芽をしめすので、18~23℃位が、発芽適温である。 尚、発芽後の徒長等、高温障害には、注意を必要とし、おさえぎみに管理する。 育苗・移植(定植) 育苗日数は、55日位で、強健な4~5mmと茎太く、葉身は適度に長く、12~15本の根数を持つ、揃いの良い苗を地温8℃以上の、肥伏・熟畑に植える。 栽植密度は33000本(10a当り株数)をめやすとして、機械植えが理想。 尚、くれぐれも、5月中旬までには終える事。 収 穫 倒伏期が遅く、揃い期後からの肥大力が強いので枯葉期までの薬散、倒伏揃期後20~25日をめどの根切り、その後の管理を徹底し、首部が完全に枯れてから収穫する。

ゆめたま

ゆめたま

株式会社サカタのタネ

形状が球形でよくそろい、食味も良好な早生硬玉品種 ■特性 ● 肥大力がよく、硬球に仕上がる早生品種。「アイドルじゅんこ」より1週間ほど早く収穫できる。 ● 球は球形でよくそろい、1球平均300g。抽苔や分球も比較的少ない。 ● 生育は旺盛で根量も多い。根張りがよく定植後の初期生育が安定しやすい。 ● 4月中に収穫が可能である。 ● 過肥大はせず、畑での在圃性も、早生品種の中では優れる。 ■適応性 温暖地や冷涼地の秋まき栽培から北海道・東北地域の春まき栽培まで幅広い適応性があります。特に温暖地の早生作型(マルチ)で高いパフォーマンスを発揮します。中生作型(露地)でも栽培可能です。 ■圃場準備・土づくり 肥沃(ひよく)で排水性と保水力のバランスがよい圃場を選び、緑肥などを導入し下層土の物理性を高めます。マルチ栽培では、2/3から全量を元肥、露地栽培では2/3を元肥、残りを追肥とします。元肥は、ロングタイプの肥料が望ましいです。12月下旬から1月上旬と2月上旬から中旬ごろの2回、追肥を行います。リン酸が少ない圃場では、元肥にリン酸をやや多めに施用すると根張りがよりよくなり、初期生育が安定しやすいです。 ■播種・育苗管理 極端な早まきや遅まきは避け、適期の播種を行います。育苗期間が長いため育苗中の肥料切れに注意し、随時、追肥を行います。強健な苗に仕上げるため、適宜、剪葉を行うとよいです。病気予防のため、剪葉前日に十分な灌水(かんすい)を行い、剪葉後は防除を行うのが望ましいです。 ■定植・栽培管理 播種後50~60日を目安に定植します。抽苔や分球を回避するため、極端な早まきや早植え、大苗の定植は避けます。活着不良や苗傷み防止のため、茎の部分が2cm程度隠れる深さで定植します。長期間の降雨が期待できない場合は、活着促進のために灌水を行いましょう。年内~冬期は肥料を抑えめにし、早春から肥効を高めることで大きな球形の球に仕上がりやすいです。 ■病害虫防除 生育・天候に応じた防除を徹底し、主要病害虫の発生予防に努めます。特に、べと病が発生しやすい11月中旬~1月上旬の1次感染期と2月下旬~5月上旬の2次感染期は、予防的に防除を徹底して行います。前作でべと病が発生した圃場での栽培は、できる限り避けます。収量の低下や腐敗球を防ぐため、気温が上昇する4月ごろからは、ネギアザミウマの防除も努めます。 ■収穫 早生品種のため、出荷規格に達したタイミングで晴天の日に青切り収穫を行うのが好ましいです。必要に応じて貯蔵性を高めたい場合は、倒伏ぞろい後に根切りを行い、十分に乾かしてから収穫します。 ■栽培上の注意点 年内に肥料を効かせ過ぎると草勢が強くなり過ぎ、抽苔や分球のリスクが高まるため、早春から肥効が高まるような肥料設計を心掛けます。極早生品種ではないため、極端な早どりはせず、出荷規格に達してから収穫します。

ルーベ

ルーベ

カネコ種苗株式会社

耐病性、球肥大に優れた中早生多収品種! 特性 ●北海道で8月中下旬から収穫できる中早生品種です。 ●草姿は立性で、葉折れが少なく作業性に優れます。 ●葉は太葉で葉数が多く、生育は旺盛で、べと病、白斑葉枯病等の茎葉病害に耐病性を示すので、収穫物の歩留まりが良く多収です。 ●玉の肉質は繊維質が少なく、多汁で辛味も少ない品種で、サラダ等の生食にも適します。直売所販売用としても好適です。 ●年内までの出荷が可能です。

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