果実・収量特性

高糖度の大玉トマト品種一覧 全32種類

高糖度大玉トマト 高糖度大玉トマトとは 大玉トマトにおける「高糖度」とは、一般的に果実のBrix値(糖度計による可溶性固形分の計測値)が6度以上を指すことが多い表現です。ただし、この基準は種苗メーカーやJAの出荷規格によって異なるため、「高

高糖度について

高糖度大玉トマト

高糖度大玉トマトとは

大玉トマトにおける「高糖度」とは、一般的に果実のBrix値(糖度計による可溶性固形分の計測値)が6度以上を指すことが多い表現です。ただし、この基準は種苗メーカーやJAの出荷規格によって異なるため、「高糖度」という表記の意味を品種カタログや出荷先の基準と照らし合わせて確認することが重要です。

ミニトマトの「高糖度」が8度以上を基準とすることが多いのとは異なり、大玉トマトでは果実のサイズや水分量の関係で同水準の糖度を実現することが難しく、6〜7度台でも「高糖度」として市場で評価される場合があります。大玉での6度と、ミニトマトでの6度は、それぞれの品種群の中での位置づけが大きく異なります。

糖度の測定値は、Brix値(屈折糖度計で計測する可溶性固形分濃度)で表示されるのが一般的です。ただし、Brix値は糖分だけでなく有機酸・アミノ酸・ミネラル等の可溶性成分も含むため、「Brix値が高い=甘い」と単純には言えません。糖と酸のバランス(糖酸比)が食味の甘みに大きく影響するため、Brix値とともに酸度のバランスも食味評価の重要な要素です。

高糖度大玉トマトの魅力

生産者にとってのメリット:
高糖度大玉トマトの最大のメリットは、単価の向上です。量販店・直売所ともに、高糖度品は通常品よりも高い価格で販売できる傾向があります。特に、糖度保証・数値表示を行っている産地ブランドでは、数値が一定基準を上回ることで価格帯が大きく変わることがあります。

また、食味の良さは消費者のリピート購買を促す要因になります。一度食べて「美味しかった」という体験は、同じ産地・ブランドへの再購買につながりやすく、固定客の育成という観点でも高糖度品の投入は有効です。

消費者にとっての訴求ポイント:
大玉トマトは生食用途での消費が多く、食味が購買決定に直接影響します。フルーツトマトや高糖度ミニトマトの浸透によって消費者の「美味しいトマト」への期待値は上がっており、大玉でも糖度の高さを訴求できる品種は差別化の武器になります。高糖度品は糖分の凝縮感とともに、うま味(グルタミン酸等)も高くなる傾向があり、調理時のソース・スープ用途でも評価されます。

消費者・市場ニーズ

大玉トマト市場では、量から質へのシフトが続いています。量販店での高糖度品の棚割りは、通常品と明確に分けた「プレミアムコーナー」として設置されるケースが増えており、生産者にとって参入のメリットが高まっています。

産地ブランドとしての高糖度大玉トマトの事例も増えています。熊本・愛知・高知など主要産地で、JAブランドや産地ブランドとして高糖度保証品を出荷する取り組みが進んでいます。これらの産地では、糖度計による選果・出荷基準の設定が定着しており、生産者に対しても「高糖度を出せる品種と栽培管理」を選択するインセンティブが高まっています。

外食・中食産業でも、食材としての大玉トマトの品質への関心は高まっています。サラダ・前菜・調理素材として使う業態では、糖度・食味・外観の安定性が発注継続の判断基準になります。高糖度品をコンスタントに供給できる産地・生産者は、業務用市場での信頼を得やすい立場にあります。

栽培のポイント

品種のポテンシャルを最大限に引き出すためには、栽培管理が重要な役割を果たします。

水分管理(ストレス灌水):
糖度を高める栽培技術として最も広く実践されているのが、灌水量を意図的に抑えてストレスをかける方法です。水分を制限することで果実の水分含量が下がり、相対的に糖分濃度が上昇します。ただし、過度な水分制限は果実の空洞化・裂果・尻腐れの原因になるため、品種の特性と生育ステージに応じた細かな管理が求められます。

肥培管理:
窒素過多は樹体の栄養生長を優先させ、果実への糖分蓄積を妨げる原因になります。特に収穫期以降の追肥は、窒素量を抑制しカリウムを充実させる設計が糖度向上に有効とされています。

日射量の確保:
光合成量が果実の糖分蓄積に直結します。特に施設栽培では、フィルムの汚れによる日射量の低下が糖度に影響するため、フィルムの清掃・交換のタイミングも管理の一部として意識する必要があります。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。高糖度品種を導入しても、栽培管理が伴わなければ品種のポテンシャルを発揮できません。同じ品種でも、灌水管理・施肥・日射量の確保次第で糖度が1〜2度変わることは珍しくありません。品種の持つ糖度ポテンシャルを「最大値」として捉え、それを引き出す管理体系を構築することが高糖度生産の本質です。

収穫後の管理:
収穫後の追熟でも糖度は変化します。品種によっては収穫後に一定期間常温保管することで糖度が上昇するものがあります。一方で、過熟による軟化・裂果リスクもあるため、出荷・販売タイミングに合わせた収穫判断が重要です。

品種選びのコツ

高糖度大玉トマトの品種を選ぶ際に確認したい観点を整理します。

  • 糖度の記載確認: カタログに「高糖度」と記載があっても、基準値(Brix何度を目標とするか)の記載がある品種と「高糖度傾向」とだけある品種では情報の精度が異なる
  • 食味バランス(糖酸比): 糖度が高くても酸味との比率によって「甘く感じる」かどうかが変わる。試食評価での食味確認が重要
  • 耐病性との両立: 大玉品種では耐病性が複数必要。高糖度品種が耐病性を犠牲にしていないか確認する(TYLCV・萎凋病・青枯病等)
  • 裂果リスク: 水分管理で糖度を上げる栽培では裂果リスクが高まる。裂果耐性の記載を確認する
  • 草勢の扱いやすさ: 高糖度品種は草勢が強めの品種と弱めの品種があり、作型・産地に合わせた草勢特性を選ぶ
  • 収量とのバランス: 一般的に高糖度化は収量との相反関係がある。面積当たりの収益性を試算したうえで品種を選定する
  • 出荷先の規格確認: 取引先の糖度保証規格に品種が対応できるかを事前に確認する

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、高糖度大玉トマト品種を初めて導入する場合は、少量の試作から始めて糖度・食味・収量・裂果発生率を現地条件で確認することが、本格導入前の重要なステップです。

市場動向とこれから

高糖度大玉トマトの市場は、消費者の品質志向の高まりとともに拡大しています。かつては高糖度トマトといえばミニトマトが中心でしたが、大玉でも「美味しさ」を前面に出した商品開発・販売が広がっています。

種苗メーカー側でも、高糖度と耐病性・収量性・栽培適応性を兼ね備えた大玉品種の開発が加速しています。かつて「高糖度品種は栽培が難しい・収量が少ない」というイメージがありましたが、近年の品種改良によってそのギャップは徐々に埋まりつつあります。

一方で、高糖度品の市場は価格感応度が高い面もあります。品質保証の出荷体制が整っている産地・生産者は強い交渉力を持てますが、品質にばらつきがあると市場からの信頼を失うリスクもあります。安定した高糖度品の出荷を実現するには、品種選定と栽培技術の両面での継続的な改善が求められます。

まとめ

高糖度大玉トマトは、大玉サイズでありながらBrix値6度以上を目標にできる品種群で、単価向上・消費者満足・産地ブランドの強化という複数のメリットを持ちます。ミニトマト系の高糖度品と基準が異なる点を理解したうえで、品種カタログの記載を確認することが品種選定の出発点です。

高糖度という特性を圃場で発揮させるには、水分管理・肥培管理・日射量確保という栽培技術の裏づけが不可欠です。品種のポテンシャルと栽培管理の両輪が揃って初めて、市場で評価される高糖度品の安定供給が実現します。耐病性・裂果リスク・収量とのバランスを総合的に評価し、自分の栽培環境と販売戦略に合った品種を選ぶことが重要です。高糖度大玉トマト品種の詳細については、品種一覧ページからご確認いただけます。

32品種 表示中
耐病竜福

耐病竜福

カネコ種苗株式会社

食味、肥大性に優れた葉かび病耐病性品種!ハウス無加温~雨除け作型に最適! ■特性 ●平均果重200~220g位、豊円甲高の果形で、秀品率が高いことが特徴です。 ●果実が硬く、高熟度での出荷が可能なため、高い糖度と安定した食味を保つことができます。 ●草勢はやや強く、10段以上の長段栽培でも収穫終了までスタミナが持続します。 ●葉かび病に対して強い耐病性(Cf-9)を有します。 ●その他、萎凋病(レース1・2)、半身萎凋病、サツマイモネコブセンチュウ、斑点病、ToMV(Tm-2ª)、に安定した複合耐病虫性を有しています。また、青枯病に対して中程度の耐病性を有します。 ■栽培要点 ●元肥の窒素量は抑え気味にし、草勢に応じて追肥で補います。

華美

華美

丸種株式会社

食味重視の葉カビ病抵抗性品種! ● 特性 1. 果重はM~Lサイズでよく揃う硬玉 2. 草勢はやや強く、着果も上節位まで安定している早生種 3. 花数は中位で、着果負担がかかりにくい 4. 周年通じて糖度は高めで安定し、食味も良好

桃太郎ファイト

桃太郎ファイト

タキイ種苗株式会社

糖度が高く酸味の少ない完熟品種! ■特長 ・糖度が高く、完熟出荷に適する。 ・果色は濃桃色で、果実全体から均一に着色する。 ・果形は腰高で、果重は210g程度。チャック・窓あき果の発生は少なく秀品率が高い。 ・トマトモザイクウイルス(Tm-2a型)、萎凋病レース1(F1)およびレース2(F2)、根腐萎凋病(J3)、半身萎凋病レース1(V1)、葉かび病(Cf4)、斑点病(LS)、サツマイモネコブ線虫(N)に複合耐病虫性のほか、青枯病(B)にも比較的強い。 ■栽培の要点 ・抑制栽培では、本葉5~6枚の若苗定植を基本とする。 ・追肥重点型の肥培管理を行う。 ・定植後の最初の追肥は、3段花房の開花時期を目安に行う。

ぜいたくトマト®

ぜいたくトマト®

日本デルモンテ株式会社

濃厚な甘さとなめらかな食感、フルーツトマト系大玉品種 ※ 接木苗も販売しています。 ■特長 食味抜群のフルーツトマト系大玉品種です。 濃厚な甘みと、いままでのフルーツトマトにはない、なめらかな果肉が特徴です。 キュウリモザイクウイルス(CMV)の予防接種をした病気に強い苗です。 ■販売時期 4月上旬~5月下旬頃 5月上旬~6月中旬頃(大苗) 4月下旬~5月下旬頃(接木苗) ■育て方ポイント ふつうの大玉トマトの育て方に準じます。 糖度が上がりやすい品種特性の反面、果実の下部・お尻にあたる部分が黒くなる「尻腐れ果」が発生することがあります(果実内部の細胞に局所的に生じるカルシウム欠乏)。 水不足による「しおれ」が続いたり、肥料の効きが強すぎる(葉が大きく色が濃く茎が太すぎる)ことがないか注意してください。 水や養分の過不足が起きやすいプランター栽培では特に注意が必要です。 ※ 肥料入り培養土「キッチンガーデン トマト用」のご利用がおすすめです。

ぜいたくトマト®ゴールド

ぜいたくトマト®ゴールド

日本デルモンテ株式会社

濃厚な甘さとなめらかな食感、オレンジ色のフルーツトマト系大玉品種 ■特長 「ぜいたくトマト®」の甘さとなめらかな果肉はそのままに、オレンジ色の大玉トマトです。 果実はジューシーで、ぜいたくな味わいです。 家庭菜園中~上級者におすすめの品種です。 キュウリモザイクウイルス(CMV)の予防接種をした病気に強い苗です。 ■販売時期 4月上旬~5月下旬頃 ■育て方ポイント ふつうの大玉トマトの育て方に準じます。 糖度が上がりやすい品種特性の反面、果実の下部・お尻にあたる部分が黒くなる「尻腐れ果」が発生することがあります(果実内部の細胞に局所的に生じるカルシウム欠乏)。 水不足による「しおれ」が続いたり、肥料の効きが強すぎる(葉が大きく色が濃く茎が太すぎる)ことがないか注意してください。 水や養分の過不足が起きやすいプランター栽培では特に注意が必要です。 ※ 肥料入り培養土「キッチンガーデン トマト用」のご利用がおすすめです。

おおひめ

おおひめ

株式会社むさしのタネ

色よし、味よしの甘熟種 半促成~夏秋向け 【特性】 〇品質、食味共によい。 〇さらに収量性も加味した甘熟種。 〇L標準で心室数は5~6室。 〇肉のしまりがよく、糖度は早期より安定して高い。適度な酸味もあるため、食味は抜群。 〇冬期はわずかに先尖りになる。 〇中葉、中茎、節間も中位。 〇葉色はやわらかいが見かけよりも草勢が強い早生種。 〇高/低温期ともに初期から生育が旺盛。若苗定植を避け、しめ気味に作る。 【病害虫抵抗性】 〇ToMV(Tm) 〇青枯病耐病性 〇萎凋病(R1、R2)、半身萎凋病抵抗性 〇ネマ耐虫性

桃太郎

桃太郎

タキイ種苗株式会社

甘くておいしい! 元祖「甘熟」桃太郎! ■特長 ・果実がしっかりし、完熟出荷ができる桃色トマトの元祖「桃太郎」。高糖度で肉質がよく、味で革命をもたらした。 ・果重220g程度。果形は腰高豊円形。 ・果色は美しい濃桃色の極早生種。 ・果肉はよくしまり、完全着色果を出荷しても荷傷みや軟化玉の発生が少なく、店もちがよい。 ・子室数は平均6~7室で肉くずれが少ない。 ・トマトモザイクウイルス(Tm-1型)、萎凋病レース1(F1)、半身萎凋病レース1(V1)、斑点病(LS)、サツマイモネコブ線虫(N)に複合耐病虫性。条腐れ果の発生も少ない。 ■栽培の要点 ・若苗定植を避け、一部開花苗を定植する。 ・1段花房はホルモン処理で確実に着果させる。 ・定植後の最初の追肥は、3段花房の開花時期を目安に行う。

ごほうび

ごほうび

株式会社サカタのタネ

高糖度で食味のよい赤熟出荷向き大玉トマト ■特性 1.萎凋病(F:R-1,2)、根腐萎凋病、ToMV(Tm-2型)、半身萎凋病、葉かび病、斑点病に抵抗性でネマトーダに耐虫性の赤熟出荷向け大玉トマトです。 2.草勢はやや強く、中生で栽培の後半までスタミナがあります。チャック果、窓あき果、空洞果、すじ腐れ果の発生が少なく、花落ちが小さく上物率が高いです。 3. 果実は豊円腰高で果色・色まわりにすぐれます。硬玉で日もち性極良です。 4. 食味は肉質よく、コクがあり高糖度で極良です。 5. 着果性よく、低温肥大性があり、多収です。 ■適応性 促成・半促成栽培に最も適しています。 ■定植準備 作付け前に圃場の土壌診断を行い、適正な肥料設計を立てます。元肥量は圃場により異なりますが、10a当たり成分量で窒素15~20㎏、リン酸20~25㎏、カリ15~20㎏を標準とします。 ■定植および定植後の管理 定植は第1花開花ごろを基本とし、極端な若苗定植を行わないようにします。灌水は、1段果実肥大期ごろを目安に行い、追肥は4段花房開花ごろを目安に草勢を見て行います。 ■栽培上の注意点 ・草勢がやや強く、とくに初期の強草勢は中段の空洞果、乱形果の発生につながるため、圃場条件をよく考慮して定植時期を決めるようにします。 ・極端なしめづくりは、尻腐れ果の発生を増加させるので行わないようにします。発生予防、軽減のために定期的にCa剤を散布します。 ・温度管理は最低夜温で8~9℃を目安に管理し、マルハナバチを使用する場合は、やや高めに管理します。従来の品種と比較して花粉の稔性はよいです。 ・果実が硬く、日持ち性がよく、赤熟収穫向け品種ですが、高温期に赤熟状態で水分の流入、吸収がなされると裂皮することがあるので注意します。

うま美

うま美

株式会社大和農園

糖度が高く、酸味とのバランスも良い 美味な大玉トマト! 品種特徴 ○果皮は濃桃色で糖度が高く、酸味とのバランスも良くとてもおいしい。 ○肉質なめらかな豊円型の硬玉で果重は180g前後。 ○草勢はやや強く、着果は上位まで安定しており作りやすい。 ○葉カビ病(Cf9)抵抗性で、萎凋病(F1、F2)、TMV(Tm-2a)、斑点病(LS)等に複合耐病性がある。 栽培方法 <種まき・育苗> ポットに2〜3粒種をまく。発芽適温は20〜30℃なので低温期は保温・加温する。発芽後は正常葉で生育の良いものを残し1本立てにする。 <定植・着果> 元肥は全面施肥・1㎡あたり、苦土石灰100g・堆肥2kg・化成肥料80gとする。本葉8枚前後で第1花房の1〜2花が咲き始めている苗を株間50cmで定植する。苗は浅植えにし、子葉は埋めないようにする。支柱は長さ150cm以上のものを使用し、花房の反対側に立てる。 <その他の管理> 第1果房の実がピンポン玉大の頃に最初の追肥を行い、以降は20日おきを目安に1株につき化成肥料20~30gを追肥する。また、わき芽は早めに除去する。1果房あたり3~4果に摘果する。

連果

連果

株式会社トーホク

着果性が優れていて作りやすい栽培特性。果実は直径5cm位のやや大きめで、肥大力抜群の中玉トマト。フルーツ並みの甘さで濃厚なおいしさです。

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