果実・収量特性

多収性ニラのニラ品種一覧 全9種類

多収性ニラとは 多収性ニラとは、単位面積・単位期間あたりの収量(収穫できる重量)が多い品種群を指します。品種カタログでは「多収種」「収量性が高い」「再生力が強く多収」「高収量が期待できる」などと記載されており、これらの表現がある品種がこのタ

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多収性ニラについて

多収性ニラとは

多収性ニラとは、単位面積・単位期間あたりの収量(収穫できる重量)が多い品種群を指します。品種カタログでは「多収種」「収量性が高い」「再生力が強く多収」「高収量が期待できる」などと記載されており、これらの表現がある品種がこのタグに該当します。

ニラは1度刈り取ると株から再生し、繰り返し収穫できる多年草です。多収性は単に1回あたりの収量が多いだけでなく、「再生力が高く収穫サイクルが速い」「収穫を重ねても品質(葉幅・葉肉)が維持されやすい」「株の持ちが良く長期にわたって収穫を続けられる」といった複合的な要因によって決まります。

一般的に多収性に関係する要素としては、草勢の旺盛さ、分げつ数の多さ(または1本当たりの重量が大きいこと)、再生の速さ(収穫間隔の短縮)、葉幅・葉肉の充実度、葉鞘(ハカマ)が長く規格内の品質を維持しやすいことなどが挙げられます。

多収性ニラのメリット

多収性品種を選ぶことで、生産者には複数の経営上のメリットがあります。

まず、面積あたりの収益向上が期待できます。同じ圃場面積・同じ労働時間でより多くの収量が得られれば、出荷量が増加し収入の増加につながります。固定費(土地・施設・管理コスト)を多くの収量で割り引けるため、生産コストの効率化にも貢献します。

次に、出荷量の安定確保が可能になります。量販店や青果卸との契約出荷では、一定量の安定供給が求められます。多収性品種は、気象条件や株の疲弊などによる収量変動のリスクを吸収する「バッファ」的な役割を果たします。

また、再生力が高い品種は株の疲弊が遅いため、株更新の頻度を下げることができます。定植から株更新までの期間が長くなれば、育苗・定植コストを長期間にわたって分散できます。

多収性を決める要因

ニラの多収性は複数の要因の組み合わせで決まります。

再生力の高さが多収性の中核です。タキイ種苗の「広巾にら」は「生育旺盛で再生力が強く、葉幅も狭くなりにくくて下葉枯れも少なく、作りやすい」と記載されており、再生力と葉幅維持の両立が多収の源泉とされています。株式会社トーホクの「大葉にら」も「再生力も高いので多収が期待できます」と説明されています。

分げつ数と1本あたりの重量のバランスも重要です。分げつが多い品種では株全体の茎数が多くなり、収量につながります。一方、一部の品種では「分げつ数は少ないが1本あたりの重量がでる」という特性で多収を実現しています。武蔵野種苗園の「ハイパーグリーンベルト」は「分げつ数は少なく、1本当たりの重量がでる」という多収の仕組みを持ちます。

収穫サイクルの速さも重量を計算するうえで重要です。再生が速い品種は年間の収穫回数が増えるため、トータルの収量が大きくなります。渡辺採種場の「ショートスリープ」は「草姿は立性で分げつ多く多収が期待できます」とされており、分げつ多数と良草姿の組み合わせで高収量を実現します。

八江農芸の「タフボーイ」は「冬期の休眠がなく耐寒性および耐暑性があり、再生力が早いので収穫のサイクルが短く収量性が高いです」と記載されており、再生速度と周年対応の組み合わせが高収量の要因です。同社の「タフマン」も同様に「冬期の休眠がなく(中略)収穫のサイクルが短く収量性が高い」とされています。

栽培のポイント

多収性を最大限に引き出すためには、品種の持つ潜在的な能力を発揮させる栽培管理が不可欠です。ここからが実際の栽培で差がつくところです。

施肥管理が多収性の発揮に直結します。ニラは刈り取りのたびに養分を消費するため、収穫後の追肥が欠かせません。サカタのタネの「グリーンロード」の説明には「収穫を始めたら、収穫のつど、追肥をします」という記載があります。窒素を中心に、カリも十分に補給することで株の再生力を維持します。元肥にはロング肥料などの緩効性肥料を活用することで安定した肥効が期待できます。

灌水の徹底も重要です。ニラの葉は大部分が水分で構成されており、十分な灌水なくして葉幅の広い高品質な葉ニラは生産できません。土壌の排水性も同時に確保し、根腐れを防ぎながら適切な水分を供給します。

収穫の適期管理が多収性維持の鍵です。葉が伸びすぎると倒伏・枯れ込みが増え、A品率が下がります。逆に早すぎる刈り取りは次の再生の株体力が不足します。品種ごとの適正な収穫草丈と収穫間隔を守ることが、長期にわたる安定多収の条件です。

病害防除も欠かさず行います。白斑葉枯病などニラに特有の病害は、発生すると葉質の低下や株の消耗につながります。予防的な薬剤散布と健全な株管理が収量維持の基礎です。

また、大株への更新時期の管理も必要です。根株が古くなると分げつが過密になり、葉幅が小さくなります。適切なタイミングで株を更新(堀上・再定植)することで、多収性と品質を長期にわたって維持できます。

品種選びのコツ

多収性ニラの品種選びでは、多収の「仕組み」が自圃場の条件と合っているかを確認することが重要です。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、多収性品種を選ぶ際に確認すべき主なポイントは以下の通りです。

  • 再生力の速さと強さ(収穫間隔に直結)
  • 分げつ数と推奨定植本数(1株あたりの植付け本数が多い品種は管理手間が増える)
  • 収穫を重ねたときの葉幅・葉質の維持率
  • 周年対応か冬期休止か(年間収穫回数を左右する)
  • 耐暑性・耐寒性(作型の幅に影響)
  • 白斑葉枯病など病害への強さ
  • 葉鞘(ハカマ)の長さと草姿(出荷規格の合格率に影響)

意外と知られていないのですが、多収性と葉幅の広さは必ずしも同時に発揮されるわけではありません。肥培を充実させて多収を狙うと葉が軟弱化しやすくなる品種もあります。多収性と品質の両立ができる品種選びが長期的な経営安定につながります。

市場動向とこれから

国内のニラ消費は業務用・加工用を中心に安定した需要が続いています。焼き肉・中華料理・鍋物などの外食産業での需要に加え、健康食品としての注目もあり、消費量は一定水準を維持しています。

産地では農業従事者の高齢化と担い手不足が深刻で、少ない労力で多くの収量を上げられる多収性品種への需要が高まっています。省力栽培を実現しながら収量を確保できる品種は、今後の農業経営において競争力を持ちます。

また、気候変動による気象の不安定化(高温障害・極端な低温など)に対応できる草勢の強い多収性品種の育種開発も重要なテーマとなっています。

まとめ

多収性ニラは、再生力の高さ・分げつの充実・収穫サイクルの速さを特長とし、単位面積あたりの収量と収益の向上に貢献する品種群です。多収性の「仕組み」は品種によって異なるため、自圃場の条件に合った品種を選ぶことが重要です。

多収性を発揮させるためには、収穫後の適切な追肥・灌水・収穫適期の管理・病害防除が欠かせません。品質(葉幅・葉肉・葉色)とのバランスも含めて総合的に品種を評価し、長期にわたって安定した多収を実現する品種選びを行いましょう。

ミノリスのニラ品種ページでは、多収性タグの付いた品種の詳細情報を掲載しています。品種選びの参考にご活用ください。

9品種 表示中
大葉にら

大葉にら

株式会社トーホク

やわらかく香りも良い肉厚の広幅種。暑さ寒さに強く休眠も浅いので周年栽培ができ、また再生力も高いので多収が期待できます。一度植えると根株が残り、数年間収穫することができます。

グリーンロード

グリーンロード

株式会社サカタのタネ

葉幅広く、刈り取り後の再生が早く多収な品種 ■特性 1.葉幅広く、刈り取り後の再生が早く多収な品種です。 2. 葉鞘部(ハカマ)は長く、収穫調整作業がしやすいです。 3.葉色はやや淡いが冬どりでは濃緑となります。 ■播種 ベッド幅120cm、通路40cm程度の短冊形のやや揚げ床に作り、15cmのスジまきとします。10a当たり所要種子量は1リットル程度です。播種後6~8mm覆土して軽く鎮圧し、薄く敷ワラをして十分灌水し、乾燥防止に努めます。発芽までは15日前後かかり、発芽してきたら早めにワラを除去します。草丈10cmくらいのときから適宜間引きを行い、苗立ちをそろえますが、生育が不ぞろいの場合は追肥(液肥も可)などで調節します。 ■定植準備 本圃は苗床同様に酸度を矯正して、できるだけ深耕、施肥をしてベッドを作ります。施肥量は10a当たり(堆肥成分を除く)窒素25.0kg、リン酸18.0~40.0kg、カリ21.0kgを標準とします。なお堆肥は5,000kg以上施します。元肥の化成肥料はロング肥料(L-180)にスターターとして燐硝安加里S604を施し、リン酸の不足分は苦土重焼燐を利用します。 畝幅は畑の場合90cmの平畝か、わずかな高畝にし、水田の場合は140~150cm幅の高畝とします。 ■定植および定植後の管理 条間30~35cm、株間30cm(畑は2条、水田は3条植え)。分けつ数が少ない品種なので、大苗は1株6本植え、小苗は7~8本植えとします。苗が伸びすぎた場合は葉先1/4くらいを切断して植えてもよいです。 定植時の乾燥は禁物なので、降雨前後に作業を行います。水田では、植え終わりしだい、畝間灌水すると効果的です。 ■収穫 収穫を始めたら、収穫のつど、追肥をします。

ショートスリープ

ショートスリープ

株式会社渡辺採種場

低温伸長性に優れるハウス冬どり専用種! ■特性 ・休眠が極めて浅く、低温伸長性に優れ、冬期ハウス栽培に適しています。 ・葉鞘長く、品質、作業性良好です。 ・草姿は立性で分げつ多く多収が期待できます。定植本数は1株2~3本が適当です。 ■栽培ポイント・注意点 ・休眠程度や抽苔時期などに多少のばらつきがあります。 ・ハウスの温度管理は最高気温25℃までにしてください。

大連広巾

大連広巾

株式会社渡辺採種場

やわらかくておいしい 濃緑強健多収種 ■特性 ・濃緑で幅広な強健多収種です。 ・葉がやわらかく、食味がよい品種です。 ・分げつはやや多いので、1株3~4本植えが適当です。 ・休眠は深いタイプです。 ・ハカマが長く、刈り取り結束作業が楽で効率的です。 ・花ニラとしても好評です ■栽培ポイント・注意点 ・分げつが多いので深植えなどにより、分げつを抑える栽培を行ってください。

西安大葉

西安大葉

株式会社渡辺採種場

適作型が広い、濃緑・広幅・多収種! ■特性 ・葉色は周年を通して濃緑で葉幅は収穫を重ねても狭くなりにくい品種です。 ・葉鞘(ハカマ)が太めで細くなりにくい為、調整作業が楽で多収につながります。 ・分げつはやや少ないほうです。 ■栽培ポイント・注意点 ・露地栽培では、春の低温時期にハカマ部が短くなる傾向があります。

たいりょう

たいりょう

株式会社渡辺採種場

食味、品質、収量ともに優れる大葉にら ■特性 ・葉幅は広く、1.5㎝位になります。 ・草姿は極めて立性で、葉鞘(ハカマ)が長く締まりが良いので、刈り取り結束作業が楽で効率的です。 ・休眠は極めて深く、露地では10月下旬から開始します。 ・分げつ数は少ないので、定植は1株に8本植えが適当です。

スーパーワイド

スーパーワイド

株式会社タカヤマシード

葉巾がより広く、濃緑! ■特性 1.本種は葉巾、葉肉厚、香り等について、更に改良を加えた品種である。 2.生育は旺盛で、低温・高温下でも安定した収量をあげることができる。草勢は立性で真すぐに伸びる。 葉は濃緑色で、葉巾は従来品より巾広で葉肉もやや厚く、揃いもよい。また食味もよく、香りが強いので、市場性が高い。 3.分けつはやや少なく、無効分けつも少ない。 4.収穫を重ねても葉巾の減少率は低く、再生力が強いため収量が多い。 5.休眠は浅く、周年栽培に適する。 ■ポイント 土壌に対する適応性は広いが、酸性では根の発育が阻害され、生育が悪く、葉先が枯れ込み、枯葉が多くなる。 排水のよい保水力のある有機質に富んだ土壌でよく生育する。

タフボーイ

タフボーイ

八江農芸株式会社

葉幅が広く立性で再生、生産性が高い! ■特長 ・冬期の休眠がなく耐寒性および耐暑性があり、再生力が早いので収穫のサイクルが短く収量性が高いです。 ・分けつの数は多く、収穫後の再生、生産性が高く葉幅は維持され、ハカマの部分が長く、草姿は立性で葉先のなびきが極めて少ないです。 ・葉質はやわらかく厚肉で、葉色は光沢のある緑色を呈します。 ・抽苔はやや早く8月に開花期を迎えますが、「とう」が太いので花ニラとしての用途が考えられます。

タフマン

タフマン

八江農芸株式会社

葉幅が広く厚肉、冬期の休眠がなく多収性! ■特長 ・冬期の休眠がなく耐暑性があり、再生力が早いので収穫のサイクルが短く収量性が高いです。 ・分けつの数は比較的少ないが、収穫後の再生、生産性が高く葉幅が維持されやすいです。 ・葉質はやわらかく厚肉で、葉色は光沢のある濃緑色を呈します。 ・抽苔はやや早く8月に開花期を迎えますが、「とう」が太いので花ニラとしての用途が考えられます。

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