病害耐性

しみ腐病耐性のニンジン品種一覧 全9種類

しみ腐病耐性ニンジン しみ腐病とは しみ腐病は、糸状菌(Pythium 属菌)によって引き起こされるニンジンの重要病害です。Pythium属菌は卵菌類に分類され、一般的なカビとは分類学上異なりますが、防除の考え方はカビ病に準じた対策が基本と

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しみ腐病耐性について

しみ腐病耐性ニンジン

しみ腐病とは

しみ腐病は、糸状菌(Pythium 属菌)によって引き起こされるニンジンの重要病害です。Pythium属菌は卵菌類に分類され、一般的なカビとは分類学上異なりますが、防除の考え方はカビ病に準じた対策が基本となります。

主な症状としては、根部の表面に水浸状のくぼんだ病斑が現れ、進行すると内部に向かって褐変・軟化が広がります。病斑部分はやや陥没し、表面がしみのように見えることが病名の由来です。地上部には目立った症状が出にくいため、収穫時に初めて被害に気づくケースが少なくありません。

感染が進行した場合、根部の商品価値は著しく低下します。特に青果用ニンジンでは外観品質が出荷の可否を左右するため、わずかな病斑であっても規格外となることがあります。加工用であっても、軟化が進んだ部分は除去が必要となり、歩留まりの低下につながります。

しみ腐病は高温多湿の条件で発生しやすく、特に夏まき秋冬どり作型で被害が目立つ傾向があります。排水不良の圃場や、連作を続けている圃場では発生リスクが高まります。梅雨明け後の高温期に播種する作型では、土壌水分と地温の管理が重要なポイントになります。

しみ腐病耐性の区分

ニンジンにおけるしみ腐病耐性は、品種によって程度が異なります。種苗メーカーの品種カタログでは、「しみ腐病に強い」「しみ腐病耐病性」などの表記で耐性の有無が示されていますが、トマトのTYLCV耐病性のようにHR(高度耐病性)・IR(中程度耐病性)の国際基準で明確に区分されているケースは多くありません。

品種選びで見落としがちなのが、この耐病性表記の幅です。「しみ腐病に強い」と記載されていても、その強さの程度は品種ごとに異なり、圃場条件や気象条件によって効果に差が出ることがあります。一部の品種では圃場試験に基づいた耐病性評価データが公開されていますが、すべてのメーカーが統一基準で評価しているわけではないのが現状です。

Pythium属菌には複数の種が存在し、ニンジンのしみ腐病を引き起こす菌種も単一ではありません。耐病性品種が対象としている菌種と、実際に圃場で問題になっている菌種が一致しているかどうかを確認することが重要です。産地によって優勢な菌種が異なる可能性があるため、地域の病害発生情報を参考にすることが精度の高い品種選びにつながります。

意外と知られていないのですが、しみ腐病菌は土壌中に遊走子という運動性を持つ胞子を放出し、土壌水分を介して移動・感染します。このため、圃場内でも排水の悪い場所に集中的に発生するパターンが見られます。耐病性の評価は圃場全体の平均的な発病程度で行われることが多いため、排水条件の偏りが大きい圃場では、品種の耐病性だけでは対処しきれないケースがあります。

歴史と豆知識

ニンジンのしみ腐病は、国内のニンジン産地で古くから発生が報告されている病害です。特に、温暖な気候の西日本の産地や、夏場に高温多湿となる関東以西の平坦地では、経済的な被害が大きい病害として認識されてきました。

日本におけるニンジン育種では、従来は根色(カロテン含量)、根形の揃い、抽苔の遅さ(晩抽性)が主要な選抜基準でした。しみ腐病耐性が品種改良の重要な目標として位置づけられるようになったのは、連作の増加や気候変動による高温多湿化が進んだ比較的近年のことです。

近年の品種開発では、しみ腐病耐性と外観品質・食味を両立した品種が複数登場しています。かつては「耐病性品種は根形や食味が劣る」という印象を持つ生産者もいましたが、育種技術の進歩により、耐病性と商品性を高い水準で兼ね備えた品種が増えてきています。

豆知識として、しみ腐病菌の仲間であるPythium属菌は、ニンジン以外にもダイコンやゴボウなど多くの根菜類に病害を引き起こすことが知られています。このため、根菜類同士の連作はしみ腐病のリスクを高める要因の一つです。また、Pythium属菌の卵胞子は土壌中で長期間生存する能力を持っており、一度発生した圃場では翌年以降もリスクが持続します。

しみ腐病耐性の限界と注意点

しみ腐病耐性品種を導入しても、それだけで完全にしみ腐病を防げるわけではありません。以下の点に注意が必要です。

土壌中の菌密度が高い条件下では、耐病性品種であっても発病することがあります。特に連作を続けている圃場では、年々土壌中のPythium属菌が蓄積されるため、耐病性品種の効果が十分に発揮されないケースが報告されています。

ここからが実際の栽培で差がつくところです。しみ腐病は土壌水分との関連が非常に強い病害であり、排水不良の圃場では耐病性品種を導入しても被害が軽減されにくい傾向があります。品種の耐病性は、適切な排水管理があってこそ効果を発揮するという点を押さえておくことが重要です。

高温条件もリスク要因の一つです。地温が高い時期(特に30度以上が続く期間)はPythium属菌の活動が活発になり、耐病性品種であっても発病リスクが上昇します。夏まき作型では、播種時期の微調整によって高温ピークを避ける工夫が求められます。

また、しみ腐病耐性品種に過度に依存すると、他の土壌病害(黒葉枯病、根腐病など)への注意が薄れがちです。圃場全体の病害管理を総合的に見直す視点が欠かせません。

防除のポイント

しみ腐病の防除は、耐病性品種の利用を軸に、耕種的防除・化学的防除を組み合わせて行います。

耕種的防除として最も基本的なのは排水対策です。しみ腐病菌は水を介して感染するため、圃場の排水性を高めることが発病リスクの低減に直結します。暗渠排水の整備、明渠の設置、高畝栽培の採用が有効な手段です。特に粘土質の土壌では、排水性の改善が病害対策の第一歩となります。

輪作も重要な防除手段です。ニンジンの連作を避け、イネ科作物やマメ科作物と3〜4年以上の間隔でローテーションを組むことで、土壌中のPythium属菌密度を低下させることが期待できます。ただし、ダイコンやゴボウなど同じ根菜類との輪作は、共通の病原菌を持つため効果が限定的です。

土壌の物理性改善も見逃せないポイントです。堆肥の施用や深耕による土壌の団粒構造の改善は、排水性と通気性を高め、Pythium属菌が好む過湿条件を緩和します。

化学的防除については、ニンジンに登録のある土壌消毒剤や殺菌剤を適期に使用することが効果的です。播種前の土壌消毒は特に連作圃場で効果が期待できます。生育期の薬剤散布は予防的な使用が基本であり、発病後の治療効果は限定的です。

※農薬の使用にあたっては、必ず最新の農薬登録情報を確認し、ラベルの記載内容に従ってください。

現場の声

ニンジン産地では、しみ腐病対策に関してさまざまな実践事例が蓄積されています。

夏まき秋冬どり作型でしみ腐病の被害が常態化していた産地では、耐病性品種への切り替えと排水改善工事を併せて実施したところ、被害率が大幅に低下したという報告があります。品種の耐病性と圃場環境の改善が相乗効果を発揮した好例です。

連作圃場でしみ腐病が多発していたケースでは、輪作体系を見直し、水稲との2〜3年ローテーションに切り替えたことで発生が顕著に減ったという事例も報告されています。水稲の湛水期間がPythium属菌の生存に不利に働いたと考えられています。

産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、耐病性品種の導入は「それだけで解決する万能策」ではなく、排水改善や輪作と組み合わせてこそ効果が最大化されるというのが、多くの産地で共有されている認識です。栽培現場では、耐病性品種の導入をきっかけに、圃場の排水条件を見直した結果、しみ腐病以外の土壌病害も減少したという副次的な効果を報告する生産者もいます。

まとめ

しみ腐病は、高温多湿条件で発生するニンジンの重要な土壌病害であり、収穫物の商品価値を著しく低下させます。耐病性品種の導入は有効な対策の一つですが、耐病性の程度は品種によって異なり、土壌条件や気象条件によって効果が変動する可能性があります。

品種選びにあたっては、しみ腐病耐性の表記を確認するとともに、圃場の排水条件や連作の有無も含めた総合的な判断が重要です。排水対策、輪作、土壌改善を組み合わせた総合的な防除体系を構築することで、しみ腐病の被害を軽減し、安定したニンジン生産につなげることができます。

9品種 表示中
カトリーヌ

カトリーヌ

ヴィルモランみかど株式会社

在圃性に優れた夏まき専用種 ■特徴 耐病性 IR : 黒葉枯病, しみ腐病 特性-1 適作型:秋どり・冬どり 早晩性:中生 吸込性:極強 黒葉枯病:極強 特性-2 根色:濃鮮紅色 根長:18-20cm 根形:総太型 おすすめポイント カロテン含量高く在圃性に優れる。 ■品種の特性 1. 熟期115~120日の夏まき専用種。 2. 草姿立性で機械収穫に適する。 3. 耐寒性に優れる。 4. 黒葉枯病耐性に優れる。 5. 揃い性に優れる。 6. 総太形状で、尻詰まりが良い。 7. 吸い込み性が強い。 8. 二次生長が遅く在圃性に優れる。 9. しみ腐病に強い。 ■栽培のポイント 1. 施肥量:窒素10~12kg/10a、やや多肥を好む。 2. 青果用(M・L):やや密植気味の株間5~6cmでM・Lサイズに揃う。 3. 加工業務用(2L・3L):株間8~10cmで2L・3Lサイズに揃う。

クリスティーヌ

クリスティーヌ

ヴィルモランみかど株式会社

揃い性抜群、総太り型で高収量、黒葉枯病に強い ■特徴 耐病性 IR : 黒葉枯病, しみ腐病 特性-1 適作型:春どり・秋どり・冬どり 早晩性:中早生 吸込性:極強 黒葉枯れ病:極強 特性-2 根色:濃鮮紅色 根長:18-20cm 根形:総太型 おすすめポイント カロテン含量高く、作りやすく美味しい。 熟期110~120日の周年栽培可能品種。揃い性抜群、総太型で高収量で黒葉枯病に強い。 ■品種の特性 1. 熟期110~120日の周年栽培可能品種。 2. 極晩抽性で、地上部の病害に強く黒葉枯病、斑点病、うどんこ病耐性に優れる。 3. 草勢はややおとなしめで、耐寒性に優れる。 4. 円筒形に近い形状で尻詰まりが良い。 5. 根長18~20cmで根色・肉色ともに濃鮮紅色。 6. 吸い込み性が強く、青首が少ない。 7. 肌つや良好で洗い上がりが美しい、また首回りも細く見た目が美しい。 8. 在圃性に優れ、圃場での裂根が少ない。 9. しみ腐病に比較的強い。 10. ニンジン臭が少なく食味に優れる、またカロテン含有量が高い ■栽培のポイント ・初期生育が緩慢であるため、深まきを避け(覆土1.5~2cm程度)、播種後の継続的な潅水など本葉展開までの水分管理に注意。 ・雑草負けするケースがあるため、しっかり初期の雑草防除を行う。 ・土壌水分管理の難しいトンネル栽培での1粒まきは極力避ける。 ・10a当たり5~6万粒程度での密植栽培が望ましい。 ・洗浄時の裂根の割合を抑えるため、雨天直後の収穫を避け、収穫の翌日に洗浄する。 1.圃場準備 良品収穫のため、にんじんの連作は避ける。圃場の排水性を高めるため、作付け前に深耕を行うことが望ましい。作付け前の未熟堆肥施用は、岐根やしみ腐病発生の原因となるため避ける。岐根やネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウによる被害低減のため、センチュウ防除の土壌消毒を実施する。 2.施肥 前作の残肥を考慮して設計する。10a当たり窒素5~15kg、リン酸10~25kg、カリ5~15kgを目安とする。ただし、火山灰土ではリン酸を10a当たり20kg以上施用することが望ましい。 本品種は生育後半に肥大するため、緩効性肥料の使用若しくは追肥の施用をすることが望ましい。 低pHは、初期生育不良やしみ腐病の発生を助長するため、苦土石灰等を使用して土壌pHを6.0~6.5に補正することが望ましい。 3.播種 夏まきの播種期は、中間地(関東地区)では7月25日~8月15日、暖地(九州)では8月15日~31日を目安とし、播種期に応じて株間を調整する。春まきの播種期は、中間地(関東地区)では12月下旬~3月上旬、暖地(九州)では11月下旬~3月上旬を目安とし、夏まき同様播種期に応じて株間を調整する。黒葉枯病に強く、しみ腐病に強いため、6月以降の収穫でより特性が活きる。冷涼地の初夏まき秋どりの播種期は、5月初旬~6月下旬を目安とする。 夏まきの作型で過度の早まき(7月25日以前)とすると、欠株が発生しやすくなり、根形の乱れや根部形状の不揃い、根長が20cmを超える青果物の割合が増加しやすくなるため、播種適期を守る。 青果出荷用の場合にはやや密植気味の株間5~6cm、加工業務用の場合には株間7~10cmを基準とし、栽植密度を設定する。 深まきは避けて覆土は1~2cm程度とする。 1粒まきも可能であるが、欠株を避けるために2~3粒まきを行うとともに、ネキリムシの防除を行うことが望ましい。 4.潅水 本品種は、発芽に際して水分要求度が高い。発芽と初期生育を揃えるため、播種直後から本葉2~3枚展開時まで十分に潅水を行うことが、本品種の特性を発揮させるための要点である。 5.雑草防除 初期生育が緩慢で雑草の生育に負けるケースがあるため、初期の雑草防除をしっかり行う。なお、圃場に発生する雑草の種類を考慮して除草剤を選定する。散布時期やニンジンの生育ステージ、気温、土質によって薬害を生じ易い除草剤があるため、除草剤の選定と散布時期の設定に際して、最寄りの普及所の指示に従うことが望ましい。 6.間引き 必要に応じ、本葉4~5枚期に間引きを実施する。 7.追肥 間引き後、生育状況に応じて追肥、中耕を行う。追肥は、窒素とカリ主体に、10a当たり窒素3kg程度を施用する。砂質土壌で肥料が流亡しやすい場合は、追肥の施用量を増やす。夏まき越冬どり栽培で土寄せを行う場合は、通路が葉で覆われる前、もしくは降霜前に実施する。本品種は吸い込み性が非常に強いため、従来の慣行栽培で土寄せを実施していない場合は土寄せは不要である。 8.病害虫防除 適宜、薬剤散布を行い、早めの防除を心がける。 9.収穫 洗浄時の裂根の割合を抑えるため、雨天直後の収穫を避ける。収穫の翌日に洗浄を行うとより望ましい。

おいしい人参

おいしい人参

丸種株式会社

煮て柔らかく、生で甘い。味が自慢の美味しいニンジン! 1. 煮物からサラダまで和・洋を問わず幅広い料理に使え る美味しい五寸人参です。煮物などの加熱料理に適しま すが、生でも甘味がありサラダやデザートにもおすすめ です。 2. 夏~冬~春まきと播種期の幅が広い黒田系の総太り型 五寸人参で、耐暑性・耐病性(黒葉枯病・しみ腐れ病) が強く、低温肥大・低温着色性に優れた品種です。 3. 夏まきの場合、播種後80 ~ 90 日で根長16 ~ 18cm・ 根重200 ~ 250g となり、根色・芯色とも濃鮮紅色で揃 いも良く、秀品率の高い短期多収型です。

べにゆたか

べにゆたか

渡辺農事株式会社

低温肥大性高く、良く揃う晩抽早生品種 ■特性 ・根長16~18cm。低温肥大性、揃い性に優れ、尻詰りが良い晩抽早生品種。 ・しみ腐病に強く、収穫後の変色が出にくい。 ・草勢おとなしく立性のため、作業性に優れ、機械収穫にも適する。 ・中間地夏蒔きでは盆明け以降の遅まき早どりの作型に向く。 ■栽培のポイント ・適度な水分条件のもとで発芽を揃えて初期生育をスムーズに進める。 ・草勢がおとなしいため葉枚数をしっかり確保することが安定した肥大につながる。 ・トンネル栽培では初期に換気をし過ぎず、生育に合わせる。

エルザ

エルザ

ヴィルモランみかど株式会社

は種後110~120日で収穫できる初夏・夏まき専用中生種 ■特徴 耐病性 IR : 黒葉枯病, しみ腐病 ■品種の特性 1. 草勢強く、立性で機械収穫に最適。 2. 黒葉葉枯病に強く、葉の耐寒性も優れる。 3. 総太り形状で尻詰まりが良く、播種後110~120日で根長は19~21cm程度となる。 4. 密植栽培に向き、収量性・秀品率に優れ、加工用途としても最適。 5. 根色は濃鮮紅色で、芯色も濃く、根端まで着色する。 6. ニンジン臭が少なく、食味に優れる。 7. 晩抽性で、高冷地の秋どり作型でも抽だいが少ない。 ■栽培のポイント 1. は種後から本葉2~3枚展開時まではしっかりと灌水を行い、発芽を揃え、葉を育てる。 2. 越冬どりではホウ素欠乏症に注意し、元肥にホウ素を施用する。 3. 暖冬の年は尻流れ・白化が見られることがあるので早めに収穫する。

ベーターリッチ

ベーターリッチ

株式会社サカタのタネ

サラダに、ジュースに、煮物においしいニンジン ■特性 1. 晩抽性で耐暑性、耐寒性、低温肥大性および低温着色性に優れ、周年栽培可能な中生種です。 2. 根形は、なで肩長めの円筒形で調理しやすいです。肉質かたく、根色、芯色ともに濃鮮紅色で、青果および加工用として広く利用できます。 3. 吸い込み性に優れ、青首はほとんどありません。皮目は小さく、肌は滑らかです。そろい極良で秀品率が高いです。 4. しみ腐病、斑点細菌病に耐病性です。 5. 小葉で草丈低く極立性で、株間約5㎝の密植少肥栽培用品種です。 6. カロテン含量が多く、糖度が高く甘みがあり、ニンジン臭が少ないです。加熱調理のほか、ジュースや生食など用途幅が広いです。 ■畑づくりと施肥設計 よいニンジン作りは肥沃な畑作りから始まります。播種1か月以上前までに良質完熟堆肥を10a当たり、3,000kg~4,000kg施し、保水、排水、通気性のよい畑作りをします。 「ベーターリッチ」は少肥栽培用の品種ですので、施肥に際しては土質や前作の残効を考慮して、収穫期に肥料が残らないように、標準の2~3割減を基準に施します。株間を広くとり肥料を多く施しますと、はじけたり、2次成長を起こし根形が乱れたりして、収穫適期が短くなり秀品率も低下します。 ■畝立て 水はけの悪い畑、水田後作などでは少なくともニンジンの長さ(20㎝くらい)の高畝とします。 ■播種 そろいの優れた良品生産のため、灌水に注意し、発芽を早く均一にそろえる必要があります。そのためには降雨後または灌水後、十分に水分のあるときに播種します。覆土は灌水設備がある場合は種子が隠れる程度で十分ですが、灌水設備のない畑や火山灰土など乾燥しやすい畑では1㎝程度のやや厚めとし、鎮圧します。 ■播種 播種後、肥大期に入るまでのニンジンの初期生育は弱く、乾燥、低温、肥料不足が根長、肥大に強く影響しますので注意が必要です。 ■間引き 「ベーターリッチ」は密植栽培用品種ですので、徒長しないように注意しながら本葉4~5枚ごろに1本立ちにし、条間20㎝株間5㎝を標準とし粗植にならないよう注意します。 ■収穫 播種後、露地栽培は約110日、一般地トンネル栽培は約130日、暖地トンネル栽培は約150日をめどに、適期収穫に努めます。

ベーター536

ベーター536

株式会社サカタのタネ

夏まきで幅広く使える中早生ニンジン ■特性 1. 根長約18cm、根径約5cm、形状はやや肩張りし尻詰まりがよいです。 2. 播種後100~110日で収穫可能な中早生品種です。 3. 初期生育が早く、発芽後の管理が容易です。 4. 早生性と在圃性のバランスがよく、収穫適期の幅が広いです。 5. 葉は生育旺盛で黒葉枯病や斑点病に強く、寒さによる枯れにも比較的強いです。 6. しみ腐病に強く、栽培しやすいです。 ■適応性 夏まき秋冬収穫の作型では、播種時期と株間を調整することで、年内から年明けまで収穫が可能です。一般地では8月上旬~下旬播種、暖地では8月上旬~9月上旬播種の作型に適します。土壌や気象条件に左右されにくい品種のため、作場は選びません。冬まきトンネル栽培や春まき露地栽培では、抽苔する可能性が高いため栽培を避けてください。 ■圃場準備・土づくり ニンジン栽培では、pH6~6.5になるように酸度矯正をし、完熟した堆肥を10a当たり2~3tを目安に投入します。未熟堆肥や播種直前の堆肥投入は肌荒れや又根の原因になるため注意して下さい。地下水位が高い圃場や排水性が悪い圃場では高畝などの措置をとり、排水性の確保に努めます。「ベーター536」は葉の生育が旺盛なので、葉を大きく作りすぎないように窒素成分量を慣行栽培基準より控えてください。過剰施肥は病気の発生や根の生育遅延につながるので注意してください。 ■播種 ニンジンは発芽が難関となる作物です。深さ5~10mm程度の溝に、1~2cm間隔で播種を行います。その後、種子が隠れる程度に覆土を行い、しっかりと鎮圧を行います。ニンジンは発芽に多くの水分を必要とするため、播種後は乾燥させないよう灌水をします。播種してから発芽がそろうまで7~10日ほど日数がかかりますので、その間の乾燥は避けるように注意してください。 ■栽培管理 本葉が2~3枚頃から間引きを開始し、5~6枚までには株間5~8cmになるよう1本立ちさせます。株間は収穫期に合わせて広げることが重要となります。追肥は間引きした後を目安に、生育に応じて施して下さい。ニンジンが肥大し始めてから追肥を行うと、裂根の原因になるので注意して下さい。肩部に日が当たると青首・赤首に着色するため、葉が条間を覆う前に必ず土寄せを行ってください。「ベーター536」は黒葉枯病や斑点病には強いですが、発病した場合は生育に大きな影響を及ぼすため、予防中心の防除を心掛けるようにしてください。 ■収穫 一般地夏まきで播種後100~110日後で収穫可能となります。根長約18cm、根径約5cmで根先が詰まってきたときが収穫適期となります。裂根などが少なく、収穫適期の幅が広いため、用途に応じて収穫時期をずらすことが可能です。葉は寒さによる枯れに比較的強いため、機械収穫に適しています。甘皮がやや厚めなので、洗果時間は従来品種よりやや長めに行ってください。収穫・洗果後は品質保持のため、速やかに日が当たらない低温条件下に置いてください。

ローラ

ローラ

ヴィルモランみかど株式会社

色づきがよく、晩抽性を備えた多収性品種 ■特徴 耐病性 IR : 黒葉枯病, しみ腐病 特性-1 適作型:春どり・秋どり 早晩性:中早生 吸込性:極強 黒葉枯れ病:極強 特性-2 根色:濃鮮紅色 根長:19-21cm 根形:総太型 おすすめポイント 熟期100~110日。揃い性抜群、総太型で高収量で黒葉枯病に強い。 ■品種の特性 1. は種後100~110日で収穫できる中早生品種で夏まきと冬春まきに適する。 2. 草姿は半開帳性、草勢は中程度で黒葉枯れ病に強い。 3. 根長は19~21cmになる円筒形に近い形状で、肌つや・尻詰りのよいものが収穫できる。 ■栽培のポイント ・株間はMサイズで5cmを目安に、希望する規格(サイズ)に応じて調整する。 ・極端な早まきと遅まきは根形に乱れが生じるので、適期は種に努める。(中間地では7/25 ~ 8/10が適期) ・収穫時期は遅くとも1月中旬までとする。とり遅れは根尻部の白化が現れるので避ける。 ① ほ場準備 連作は避けるとともにほ場の排水性を高めるため、作付け前には深耕を行うことが望ましい。 未熟堆肥の施用は岐根やしみ腐病発生の原因となる。また、岐根やセンチュウなどによる被害軽減のため、土壌消毒を行う。 ② 施肥 低pHは初期の生育不良やしみ腐病の発生を助長するので苦土石灰などを施用してpH6.0~6.5に補正する。 前作の残肥を考慮して、10a当たり窒素8~15kg、リン酸15~20kg、カリ10~15kgを標準施肥量とする。 ただし、火山灰土壌ではリン酸20kg以上を施用し、また肥効を持続させるために緩効性肥料の使用や追肥を行うことが望ましい。 ③ は種 夏まきは、中間地(関東地区)で7月25日~8月10日、暖地(九州)で8月20日~9月15日を目安とし、時期に応じて株間を調整する。冬春まきでは中間地で1月上旬~3月上旬、暖地で11月中旬~3月上旬を目安とし、夏まきと同様に時期に応じて株間を調整する。 冷涼地の初夏まき秋どりでは4月上旬~6月下旬を目安とする。 夏まきでは過度の早まき(7月25日以前)をすると、欠株が発生しやすくなり、根部形状の不揃いや根長20cmを超える青果物の割合が増しやすくなるため、は種適期を守る。 株間は青果出荷用で5~6cm、加工業務用では7~10cmを基準とし、時期に応じては種密度を調整する。 ④ 灌水 本品種は発芽時の水分要求量が高いので、は種直後から本葉2~3枚展開時までは十分に潅水を行い、発芽と初期生育を揃えることが、本品種の特性を発揮させるための要点である。 ⑤ 追肥・中耕•土寄せ 追肥は窒素とカリを主体に10a当たり3kg程度を施用し、中耕を施す。また、砂質土壌や肥料が流亡しやすいほ場では施肥量を増やす。本品種は吸い込み性が強いので、慣行栽培で土寄せを実施していない場合は不要である。 夏まき越冬どりの作型では年末に土寄せを行い、防寒対策を行う。 ⑥病害虫防除 適宜、薬剤散布を行い、早めの防除を心がける。 ⑦収穫 洗浄時の裂根の発生割合を抑えるため、雨天直後の収穫を避ける。洗浄は収穫の翌日が望ましい。

紅映二号(こうえい)

紅映二号(こうえい)

丸種株式会社

早太りで秀品率が高く、収量性抜群!色・形・肉質の良い美味しいニンジン 1. 夏~冬~春まきと播種期の幅が広い黒田系の総太り型五寸ニンジンで、耐暑・耐病性(黒葉枯病、しみ腐れ症)が強く、低温肥大性・低温着色性に優れています。 2. 夏まきの場合、播種後80~90日で根長16~18cm、根重200~250gとなり、根色・芯色とも濃鮮紅色で、揃いも良く上物率の高い短期多収型です。 3. 葉は立性、濃緑でやや大きめ、首部はしっかりしているので機械収穫での適性も十分です。 根部は比較的吸込性が強いので、肩部の変色や低温期の傷みは少ないです。

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