金瑛
耐寒性・晩抽性が優れる、冬から早春どり春系キャベツ ■特性 ● 萎黄病抵抗性で、冬から早春どりに適した春系キャベツ。濃緑の腰高球で収量性が高い。 ● 耐寒性が強く、厳寒期でも腐敗が少ない。 ● 形質として芯が短く、また晩抽性も優れており、芯伸びが極めて遅い。 ● 玉の肥大がゆっくりで、L玉出荷できる期間が長く裂球も遅い。 ● 尻部の形状がスムーズなため、収穫作業がしやすい。 ■適応性 耐寒性が優れ、厳寒期の収穫となる、一般地・暖地の年明け~早春どりに最適です。3月収穫は球内抽だいにより特に品質が低下しやすい時期ですが、本品種は極めて優れた晩抽性があるため、この時期の収穫に適します。また、幅広い土壌適応性があり、黒ボク土などの軽い土壌でもしっかりと詰まって重量感のある球となるほか、水田裏作などの重い土壌でも、しっかりと肥大しL玉を収穫できます。 ■肥培管理 土質や気候によって異なりますが、10aあたり成分量(元肥+追肥)で窒素20~30kg、リン酸10~25kg、カリ20~30kgが目安です。多肥栽培をすると、腐敗の原因となる場合もありますので注意してください。栽培期間の長い作型になるので、生育後半に肥切れしないように、液肥による葉面散布を併用するのもよいでしょう。 ■播種 地域に適した播種期を守りましょう。抽だいの遅い品種ですが、播種が遅れると結球が不十分となり、球内抽だいを起こす場合があります。一般地では8月下旬、暖地でも9月上旬までに播種して下さい。 ■育苗・育苗管理 播種が高温期のため、なるべく涼しい時間帯(朝か夕方)に播種・灌水を行い、子葉が展開するまでの期間は、日中にネットや新聞紙で遮光して温度が上がりすぎないようにすると、発芽のそろいがよくなります。 本葉が展開してからは水をやりすぎないようにして、苗床の風通しをよくし、ガッチリした苗を育てるように心がけてください。徒長苗は立ち枯れの原因となるので注意しましょう。 ■定植および定植後の管理 条間60cm×株間30cm(約5,500本/10a)程度を標準とします。一般地では9月いっぱい、暖地では10月10日までに定植すること、およびスムーズに根を活着させ、生育が遅れないようにすることが重要です。特に3月収穫を狙う場合、定植・生育があまりにも遅れると結球する前に抽だいしてしまい、本来の特性を発揮できないおそれがあるので注意しましょう。 ■病害虫防除 生育初期には、黒腐病の対策を心がけましょう。特に台風や大雨、大風の直後には茎葉にできた傷口から病原菌が侵入し、畑全面に発病することがあります。まん延後に薬剤を散布してもなかなか止まらないので、予防に努めることが重要です。 冬~早春どりでは、菌核病の発生が問題となります。結球途中から結球直前に発生することが多いですが、発生に気づいてからの防除は困難です。結球初期から定期的に薬剤散布を行い、しっかりと予防することが重要です。 ■収穫 従来の春系品種よりも晩生で、しまりながらゆっくりと肥大します。したがって、従来の感覚で収穫に入ると若どりとなり、肥大が十分でないため、注意が必要です。裂球が遅い上に寒さによる腐れや色あせが少なく、在圃期間が長いので、収穫を急がなくても良質の春系キャベツを収穫することができます。市場の価格変動を見ながら出荷時期を遅らせることができることが、最大のメリットです。特に、3月後半は全国的に春系キャベツが少なくなりがちな時期なので、3月上旬に玉を仕上げておき、優れた在圃性を生かして、市場動向を見ながら高価格での出荷を狙いましょう。
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