つるなしサヤエンドウのサヤエンドウ品種一覧 全2種類
つるなしサヤエンドウ つるなしサヤエンドウとは つるなしサヤエンドウとは、草丈が50cm程度に収まる矮性(わいせい)の品種群を指します。通常のつるあり品種が草丈150〜200cm前後に達するのに対し、つるなし品種は草丈50cm程度と大幅にコ
つるなしサヤエンドウについて
つるなしサヤエンドウ
つるなしサヤエンドウとは
つるなしサヤエンドウとは、草丈が50cm程度に収まる矮性(わいせい)の品種群を指します。通常のつるあり品種が草丈150〜200cm前後に達するのに対し、つるなし品種は草丈50cm程度と大幅にコンパクトに仕上がります。矮性品種とも呼ばれ、支柱やネットなしで自立するか、あるいは簡易な支えだけで栽培できる点が最大の特徴です。
品種例として、つるなし 赤花えんどうは草丈約50cm、赤花つるなし絹莢は耐病性に強い赤花矮性の極早生種として知られています。これらの品種は莢が短期間に連続してとれる特性を持ち、収穫作業が集中しやすいサヤエンドウ栽培において、一定期間の安定した収穫が期待できる品種です。
なお、「つるなし」という表記はサヤエンドウ以外にもインゲンマメ等で使われる共通の栽培特性の区分です。本記事はサヤエンドウ(crop_id:103)のつるなし品種に関する情報を扱っています。
つるなしサヤエンドウのメリット
つるなし品種を選ぶ最大のメリットは、支柱・ネット設置の作業を省略または大幅に簡略化できることです。通常のつるあり品種では、草丈に合わせた高さの支柱を立て、誘引用のネットを張り、成長に合わせてつるを誘引する一連の作業が必要です。これはエンドウ栽培における最も労力のかかる作業の一つです。つるなし品種ではこの工程を省けるため、小規模生産者や高齢者、家族経営農家にとっての省力効果は大きいです。
プランターや小面積の家庭菜園での栽培に適しているのも、つるなし品種ならではの特長です。ベランダ菜園や学校農園でも無理なく栽培でき、食育活動や体験農業の素材としても活用されています。種苗メーカー各社が家庭菜園向けのラインアップとして矮性品種を展開しているのも、この需要を背景にしています。
つるなし 赤花えんどうのように「寒さに強く越冬性に優れる」特性を持つ品種は、秋まき越冬栽培においても安定した成績を期待できます。耐寒性と省力特性を兼ね備えた品種として、暖地での秋まき栽培に適した選択肢となります。
また、草丈が低い分、強風による倒伏リスクが低い傾向があります。つるあり品種はネットに絡みついた状態で強風に見舞われると、ネットごと倒壊する事故が起きることがありますが、つるなし品種は重心が低く、この種のトラブルが起きにくいです。
適した品種の特徴
つるなしサヤエンドウの品種は、一般的に以下の特徴を持つものが多い傾向があります。
コンパクトな草姿でありながら、着莢数を確保しやすい品種設計がされています。赤花つるなし絹莢は「莢長6〜7cm」と標準的なサイズで、「やわらかく筋もなく甘味あり」という食味特性を持ちます(「筋もなく」という特性については、筋なしサヤエンドウとの共通特性でもあります)。
また、赤花品種が多い傾向があります。赤花品種は白花品種と比べて一般的に耐寒性が高いとされており、秋まき越冬栽培に向いた品種が赤花品種に集中しやすい面があります。
品種ごとの熟期(早晩性)にも差があります。赤花つるなし絹莢は「極早生種」に分類されており、収穫開始時期の早さが特徴です。つるなし品種の中でも早晩性のバリエーションを考慮して選定することで、出荷時期のコントロールが可能になります。
栽培のポイント
つるなしサヤエンドウの栽培では、つるあり品種と共通する基本管理に加え、矮性品種特有のポイントに注意が必要です。
播種時期については、秋まき栽培が暖地での基本作型です。越冬前の草丈管理はつるあり品種と同様に重要ですが、草丈が50cm程度に収まるため、越冬前の生育量の目安がやや異なります。品種ごとの草丈の目安をカタログで確認し、越冬前に極端に茂りすぎないよう播種時期を調整します。
支柱・誘引については、完全に不要というわけではなく、倒伏防止のための簡易支柱や防風ネットを設置することで、収穫期の品質安定につながります。特に株が大きくなる収穫最盛期は風で倒れやすいため、低い支柱やUピンで株をまとめておくと安心です。
ここからが実際の栽培で差がつくところです。つるなし品種は株のまとまりが良い分、株内部の通気性が低下しやすい傾向があります。密植しすぎると下葉に湿気がこもり、灰色かび病などの病害が発生しやすくなります。栽植距離を適切に保ち、通気性を確保することが病害予防の基本です。
施肥管理は、エンドウ全般と同じく窒素の過剰を避けることが基本です。矮性品種は草丈が低く茎葉量が少ないため、窒素を過剰に施用すると逆に茂りすぎて通気性が悪化する場合があります。
収穫タイミングの管理は、つるあり品種と変わりません。莢が適期サイズに達したら速やかに収穫することで、次の莢の着莢を促し、連続した収穫につながります。
品種選びのコツ
つるなしサヤエンドウの品種選びでは、栽培の規模・目的・販売先に応じて以下の点を確認しておくことが重要です。
- 草丈の目安: 50cm前後が基準ですが、品種によって差があります。プランター栽培か、圃場栽培かによって許容できる草丈が異なります
- 花色(赤花・白花): 赤花品種は一般的に耐寒性が高く、秋まき越冬栽培に向いています
- 早晩性: 早生・極早生品種は出荷開始が早い分、収穫期間が短くなる傾向があります
- 食味・莢の柔らかさ: 赤花つるなし絹莢のように「やわらかく甘味あり」と記載された品種は、そのまま食べることへの消費者の評価が高くなりやすい特性です
- 兼用特性: 赤花つるなし絹莢のように「筋もなく」という特性を持つ品種は、下ごしらえの手間が省けるため、消費者の利便性が高い商品として訴求できます
意外と知られていないのですが、つるなし品種は収量性(単収)がつるあり品種に比べてやや劣る傾向があります。草丈が低い分、着莢できる節の数が少なくなるためです。収量性を重視する場合は、面積当たりの株数や施肥設計でカバーする必要があります。
試作の際は、草丈の実際の仕上がりと倒伏の有無を観察しておくと、翌年以降の支柱・管理計画に活かすことができます。
市場動向とこれから
つるなしサヤエンドウの市場需要は、家庭菜園向け種苗市場と農業生産の両方から形成されています。
家庭菜園・ガーデニング向けの種苗需要は安定的で、「プランターで手軽に育てられるサヤエンドウ」として矮性品種の人気は根強くあります。種苗メーカー各社が家庭菜園向けのラインアップに必ず含める定番カテゴリです。
農業生産においては、省力化への関心の高まりから、支柱・ネット作業を削減できるつるなし品種への需要が一定程度あります。特に高齢農家や小規模家族経営農家では、作業負担の軽減が重要な課題であり、つるなし品種の省力特性が評価されています。
産地によって事情が異なるので一概には言えませんが、大規模産地ではつるあり品種の収量性を活かした栽培が主流で、つるなし品種は補完的な位置づけになっているケースが多いです。一方、中小規模の農家や多品目栽培の産地では、つるなし品種の導入が経営の省力化に貢献しています。
今後の課題としては、つるなし品種の収量性のさらなる改善が挙げられます。現在も種苗メーカー各社でつるなし品種の育種が進められており、省力性と収量性・食味を両立する品種の開発が続いています。
まとめ
つるなしサヤエンドウは、草丈50cm程度に収まる矮性品種で、支柱・ネット設置を省略または簡略化できる省力栽培向きの品種群です。プランター栽培や家庭菜園にも対応できるコンパクトさが特徴で、寒さへの強さを持つ赤花品種が多い傾向があります。
栽培面では、通気性の確保と適切な栽植距離の管理が病害予防のポイントです。品種選びにあたっては、草丈の目安・耐寒性・早晩性・食味特性を総合的に確認することが重要です。省力化を経営の課題としている農家にとって、つるなし品種の導入は作業負担の軽減に直結する選択肢の一つです。
サヤエンドウの品種一覧はミノリスのサヤエンドウページからご覧いただけます。
赤花つるなし絹莢
丸種株式会社
手軽に作られる、つるなし種。品質、食味共抜群。 1. 耐病性に強い赤花矮性の極早生種で、栽培容易な農産種。 2. 莢は長さ6~7cm、淡緑色で美しく、肉厚で揃いも良い。 3. やわらかく、筋もなく、甘味があり食味最高です。
つるなし 赤花えんどう
株式会社トーホク
草丈は約50cmのつるの伸びない絹さや。寒さに強く越冬性に優れ、分枝も多く生育旺盛。やや小さめですが濃緑でやわらかい莢が短期間に連続してとれます。
赤花つるなし絹莢
丸種株式会社
手軽に作られる、つるなし種。品質、食味共抜群。 1. 耐病性に強い赤花矮性の極早生種で、栽培容易な農産種。 2. 莢は長さ6~7cm、淡緑色で美しく、肉厚で揃いも良い。 3. やわらかく、筋もなく、甘味があり食味最高です。